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2011年11月12日

2011.11.12

クラウドは次のステップに向かえるのか?

最近、また、クラウドという声が聞こえ始まった。
これには、2つの動きが大きいのでは、と思う。
1つは、インフラとしての提供が国内ベンダーを中心に、本格的になって来たのでは
と思う。特に、最近の景気の停滞から来るIT投資の削減は、必然的に、全体費用の
見直しを強化している。クラウドが長期的に見て、投資効果をもたらすか?は各企業
の取り組み方が大きいとは思うが。
2つ目は、東北震災以降のBCPの視点からの見直しの動きである。BCPの基本は、
事業継続の点にあるのだから、使う情報インフラが2次的なものとは思うが、システム
開始の手早さ、費用面での期待から、中小企業でも、結構、見直しでの話は多い。
3年前のJ-Saasへの導入支援から個別企業でのSaasのシステム化などで感じ
た盛り上がりの弱さをまだ、一面秘めているようであるが、新たなる拡大に期待したい。

①クラウド市場の変化
2010年度から、パブリッククラウドに関するユーザーの関心が急速に高まっている。
クラウド市場はこれまでアプリケーションサービスを提供するSaaSに牽引されて
きたが、ITリソースを提供するIaaS、ミドルウエアや開発環境を提供するPaaSを
導入・検討ユーザーは増加しつつある。
日本情報システム・ユーザー協会(JUAS)の「企業IT動向調査2011」では、
2009年度に比べ2010年度は、IaaSとPaaSを「導入・検討中」のユーザーが倍増
しているとの報告がある。
IDC Japanが2011年6月に発表した2011年の国内マネージドサービス市場企業ユーザー
調査(従業員数10人以上の国内企業789社を対象に2011年4月実施)では、
IaaSを利用しているユーザーの4割強が「今後1年間のIaaSの予算を増額する」と回答。

3.11の東日本大震災後、日本ヒューレット・パッカードや日本IBM、TISといった
サプライヤーから、企業や自治体に対しIaaSの無償提供が行われたこともあり、
BCP(事業継続計画)やDR(被害復旧措置)といったリスク管理の観点からも、
IaaS型のパブリッククラウド活用を検討するユーザーは増加すると予想される。
■ユーザーのパブリッククラウドの認知・理解は?
JUASの「企業IT動向調査2011」によれば、IT部門の74%が「クラウド
コンピューティングの定義・本質を理解しているか」という質問に対し、
「強くそう思う」または「そう思う」と回答。
IDC Japanの「国内クラウド市場調査 2011年」でも、パブリッククラウド
を理解(「良く理解している」「おおむね理解している」の合計)している
企業は約4割となっており、クラウドを認知している企業は年々増加している。
3,4年前からは、少しは進展しているかも。

企業規模で見た場合、IaaS型パブリッククラウドの導入・検討は大企業で進んでいる。
JUASの「企業IT動向調査2011」によれば、売上高1兆円以上の企業の場合、
「導入済み」が7%、「試験導入中」および「検討中」が58%にも達している。
企業の場合、セキュリティやサービスレベルなどを考慮し、自社保有のインフラ
を使ってIaaS環境を構築し社内やグループ内で利用するプライベートクラウドを
採用するケースが多いが、パブリッククラウド導入も加速し始めている。

特に、IaaS型パブリッククラウドを利用するにあたり、企業規模は問題とならない。
社内で基盤開発や運用に長けた技術者を確保するのが難しく、初期投資を抑えざるを
得ない中小規模のユーザーほど、IaaS導入の検討を進め、インフラ投資や運用にかかる
コストを、本来のビジネスに向けるべきと思う。ただ、中小企業の経営者レベルでは、
その認識度は、まだまだ、少ない。

②クラウドサービス活用に向けて
3,4年前は、パブリッククラウドと呼ぶSalesforceに代表されるような
業務サービスでの活用であったが、最近は、自社内でシステムを構築する
プライベートクラウドをベースとした構築を進めている企業も増えている。
クラウド活用形態には、概ね以下の3つがあるが、
1)パブリッククラウドはインターネット経由の利用が基本であるため、
インターネットからのセキュリティ上の脅威が常に存在する。企業システム
との連携手法がSOAPやRESTなどに限られる点も企業ユーザーに二の足を
踏ませる要因にもなっている。
2)プライベートクラウドは、バッチ転送などによる従来型のシステム連携
も可能であり、インターネットの脅威も存在しない。代わりに、規模の経済効果
は限定的になる。どこまで費用削減が図れるのか?評価が難しい。
3)これら2パターンのいいとこ取りをした形態のサービスが仮想プライベート
クラウドであり、IP-VPNや広域イーサネットといった閉域網やインターネット
VPN(IPsecやSSL-VPN)を介してパブリッククラウドを利用する。基本的に
パブリッククラウドであるため、需要に応じたリソース調整の柔軟性が高く、
データ処理量、アクセス頻度、ユーザー数などの変動が大きいシステムに
適している。
一般的には、データ処理量などの変動が大きいシステムでも、他社との情報
共有が必要なシステムの場合はパブリッククラウドのほうが向く。
業務で利用するシステムの場合は、セキュリティ要求が高く、密なシステム
連携も多いため、仮想プライベートクラウドが適している。
大手企業の事例では、3,4割の費用削減を可能とした報告もあり、仮想
プライベートクラウドは、中小企業でも検討するべき時期ではないのだろうか。

③企業としてのクラウドサービス活用のポイント
パブリッククラウドおよび仮想プライベートクラウドのような社外サービス
に対して不安を持つ国内ユーザー企業は少なくない。この不安を取り除く
ためには、まず、RFP作成のような自社要求を明確にする事が必要。
その要求を充足しているかどうかを判断することで、かなり「見えてくる」
はずである。
サービス会社が積極的に「見せて」くれれば、不安の多くは払拭されるはず。
そのため、サービス会社の情報開示姿勢をチェックするとよいのでは。
サービス会社のWebサイトにセキュリティやデータセンター運用に関する情
報開示があるか、提案書にそのような記述があるかをよく確認すべき。
サービス会社の技術的優位点がどこにあるのかを確認することも重要である。
仮想環境を実現するための標準的なソフトウエアと汎用的ハードウエアだけで
構成されているサービスでは、他のサービス会社に対する競争優位が発生
しにくい。よりよいソリューションを探すという観点では、選択肢から
外してもよいかもしれない。
サービス会社の課金体系も注意すべきポイントである。同じ「従量課金」
でも、課金体系はサービス会社によって千差万別。時間単位で実測し課金
する会社もあれば、月内の最大リソース設定(CPUランク、メモリー容量など)
を基準単価にして課金する会社もある。
どちらが優れているということではなく、対象業務の利用パターンを事前に十分な

いまだ、中小も含めた多くの企業経営者は、最近の調査でも、
・コスト効果がどうか分からない
・セキュリティが十分かどうか分からない
・サービスの継続性が分からない
・費用が高い
等について、半分以上が思っている。これは、クラウドがSaasレベルで結構導入
が進みつつあった4,5年前から基本的変わっていないように思う。
是非、今回の新たなる動きに合わせ、次のステージに進んでもらいたいものである。

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