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2012年2月17日

2012.02.17

顧客変化とその理解に向けて。大局観と直観の醸成

最近、中小企業の経営者とお話をしていると「この不測の時代、自社のビジネス
どう対応させて行けばよいのか?よく分からない?」との話が多い。
その解を求められても、私の浅学短見では、答えるべきもないが、最近、特に、
以下の想いが強くなっている。

最近話題に上がる五木寛之の「下山の思想」に述べられているように、
「再生の目標は何処にあるのか?再び、世界の経済大国を目指す道はない。
敗戦から見事に登頂を果たした今こそ、実り多き「下山」を想い描くべきで
はないか。」

「日本は縮退していく」と言う絶対的な時代認識と本人の生きる軸をベースとした
判断が必要になっている。
各人が「大局観と直観の醸成」が必須なのかもしれない。

広辞苑では、
大局観は「物事の全体的な状況や成り行きに対する見方、判断」であり、
直観は「一般に、判断・推理などの思惟作用を加えることなく、対象を直接に把握する
作用」と言っている。
喩えて言えば、「森の中で次への道を探している時、やや高台に上り、俯瞰的に現状を
掴むことが、大局観であり、最終地が見えないが、今までの情報と知識、経験をベース
に、1つの道を決断するのが、直観」と言える。

何故、今、大局観、直観なのか?

情報は過多すぎるぐらい過多である。
技術の高度化に伴い、ビジネスの実現速度が極めて速くなっている。1980年代
ネットワーク関係は10年で1サイクルと言われていた。10年のスパンでビジネス
モデルを運用できたのである。
これが、今は、1年?
情報の選別、技術の選別、ビジネスにとっての基本スタンスが「自身の生き様」その
ものになる必要があるのでは?
あふれる情報の中から必要情報にフィルターをかけられるのは、自身の大局観
と直観になる。

厚生労働省が出した「将来推計人口」では、15歳から64歳までの生産年齢
人口は現在の8173万人から2060年には、4418万人となり、3800万人
ほどの国力を支える日とがいなくなるのである。
一部の消費者向け企業では、かなりの危機感を持って対応しようとしているよう
であるが、多くの企業経営者は、バブルの残影と成熟社会の華やかさに寄りかかり、
市場と顧客の変化には、まだまだ疎い。
藻谷さんの著作「デフレの正体」にもあるように「経済は人口の波で動く」のでは、
ないだろうか。しかし、反面、技術力で日本再生はありうるという方もおられるが、
これも、否定は出来ない。
ビジネスの進め方では、経営者としての自身の「大局観」次第なのかもしれない。

私自身も、幾つかのビジネス構築に関与し、また、失敗してきた事例などから
大局観と直観の関与ぐあいを少し見ていくと、
・1980年代後半では
通信インフラ、PHS、地域モバイル、家庭向けオンラインサービスなどの
ビジネスモデル化、事業会社化などをしたが、ほとんどは、従来ビジネスの延長
への参入であり、それでも、事業としては可能であった。
そのような時代でもあったのだ。
しかし、吸収合併などで存続している企業はない。
・1990年代には
ISP、介護支援サービス、b2bマッチング、コミュニティサービス等のビジネス
モデル化、事業会社化などをしてきた。この時は、b2bマッチング、コミュニティ
サービスについて、まだ時代的に先行している企業もなく、ニーズもかなり不確かな
こともあり、大局的な点では、結構、近いビジネス先行者や長期トレンドなどを判断
として、事業化を推進した。
コミュニティビジネスは今でも事業継続しているはずである。
・2000年代には
地域LANビジネス、商店街情報サービス、留学支援サービス等の事業会社化を
進めた。特に、商店街サービスは1999年のWeb、モバイル技術のひ弱な時代で
あったが、今の位置情報サービスGoogleShoppingを実施しようとしたのである。
ここでは、大局観よりも直観的な判断で成功を確信したが、資金不足で頓挫??

環境と技術変化の激しくなる90年代後半から、直観的な判断が必要となる?
中小企業経営者も分野の違い、条件の違いはあるものの、結構、大局観、直観
を必要とする局面には遭遇しているのでは、と思う。
その時の自身への回帰も考えると、冒頭の疑問も自ずから判るのでは。

しかし、「大局観と直観の醸成」については、自身への回帰と精神論だけでは、
あまりにも安易な対応であり、私見として、いくつか考えてみたい。

①まずは、時代の絶対認識
冒頭の話ではあるが、これは、私自身の想いの強さもある。

②基礎情報の収集
以前の記事には、まずは基礎となるべき情報の収集について3つほど書いてみた。
□基礎的データの収集
「総務省統計局」の様々な統計データや生活情報センターの『民間統計徹底活用
ガイド』等である。
□先見的な知恵者から知る
コトラーのWeb3.0は色々と示唆の多い内容がある。コンサル会社の年予想
のテーマもある。
□口コミ情報含めマクロデータを読む
更なるWeb上でのデータの加速度的な増加。例えば、
 wisdom、Google Insight

そして、「情報は相思相愛」であることの認識である。
何かビジネスでのテーマに集中すると、不思議とそれに関する情報が自分に
集まってくる経験をしたことはないだろうか、私の周辺でも結構多い。

勘で事業は出来ない。情報は必須である。

③顕著に言われている現象、活動への感度アップ
例えば、
最近の顧客の認識価値の変化は、
■商品からサービスへ
 商品と付随するサービスを統合的に提供することが重要となっている。
■モノからコトヘ
 新しいイベント、体験、感動などや自分にとって持つ意味を重要視する。
■関係性重視
 商品、サービスを単体としてのものではなく、それを提供する企業との
 関係性において評価するようになった。
と言われている。

また、アメリカマーケティング協会によるマーケティングの定義は
2007年に改訂されている。
2007年に改訂された定義は次の通り。
Marketing is the activity, set of institutions, and processes
for creating, communicating,delivering, and exchanging
offerings that have value for customers, clients, partners,
and society at large.
マーケティングとは、顧客、依頼人、パートナー、社会全体に
とって価値のある提供物を創造・伝達・流通・交換するための活動、
一連の制度、過程である。
この改定が行われたことの背景を理解することも「顧客変化に対する大局観」
を高める1つかもしれません。

人口構成の変化、社会トレンド、経済的な環境、政治・規制面での変化、競争状況、
新しい技術、コミュニティの状態変化など主要なポイントを自身のベースを
基準に、選別し、より精度の高い大局観、直観を醸成してもらいたい。

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