« 2012年7月27日 | トップページ | 2012年8月11日 »

2012年8月3日

2012.08.03

経営者の情報化4つの心得

ITコーディネータとして10年ほどになるが、ズうーと気になっているのが、
いまだ変わらない経営者の情報化への意識の低さ、関心の無さである。
外部環境は、経済、インフラ関係と大きく変わっているのだが、多くは担当
任せ、その場しのぎ。
ある大手IT会社の元役員の言葉がそれを示している。

「日本の企業は総じてITを扱うのが下手だと思いますね。これは、多くの日本人
がITを「便利な道具」程度にしか見ていないからでしょう。
確かにITは道具です。ただし、それは経営にとっても重要な道具であり、
「経営の道具」、あるいは「収益向上のための道具」としてITをとらえれば、
おのずと情報システム(情報管理システム)の本質が見えてくるはずです。」

今回は、経営者としての情報化の取り組みの意識を4項目ほどにまとめた。
これは、情報化を上手く活かすための意識すべき項目である。

1)まずは、自社の理解が肝要
会社として業務実地調査/現場観察を進めること
以下のようなポイントで自社を見つめ直す
・業務を実際に体験したり、現場に出向いて調査を実施
・現在の業務のムダを見つける
・現在の業務フローの問題を見つける
・既存システムの活用度を見る
・現在の業務をシステムでサポート出来るかどうかみる
・業務知識の習得するために行う
・資料や面接では得られない情報の入手

2)情報化には多くのリスクがあるが、「要件定義(自社のやりたいこと)
を明確にする」の理解が必要であること。
①多くの事例からプロジェクトの失敗原因の多くは要求に起因する。
・品質問題の原因
 要件定義が十分でなかった 36.7%
 システム企画が十分でなかった 16.7%
・予算オーバの原因
 追加の企画作業が発生した 32.6%
・納期遅れの原因
 要件定義が計画より長引いた 43.6%
 企画作業が長引いた 16.2%

②自社のやりたいことを明確にする費用が不十分な場合
手直しに多くの費用がかかる。
例えば、全体費用の8~12%かけると手直しがほとんどない。
これが2%程度の場合、2倍以上の費用がかかるとの調査データもある。

③「自社のやりたいこと」を明確にするには、以下の行動が必要である。
・要求獲得
顧客を含むステークホルダーを明らかにし、会議やインタビュー
などを通して要求を引き出す技術に関する行動。
・要求分析
要求事項を整理し、その間の関係づけ、優先順位付けなどを 行い、
実現すべき要求を明らかにして絞り込みに関する行動。
・要求仕様化
分析された要求を規定の書式や表記法で記述する技術に関する行動。
・要求の検証
・妥当性の確認・評価
要求間の矛盾がないことや、必要な顧客の要求項目を満たしている
ことの確認、あるいは、その達成の度合いを評価する行動。
・要求の計画と管理
要求管理を計画し、遂行や成果物を管理する技術に関する行動。

3)目標と目的の提示は経営者の役目である。
ゴールの意義をキチンと理解させる。
・課題解決がゴールの達成であること
・機能/非機能要求はゴールの達成手段である
・ゴールを定義し、ステークホルダー間で合意することが重要である
更には、
ゴール(Goal)[目標(Objective)、目的(Purpose)]は?
・システムのあるべき姿
・ゴールは状態や振る舞いとして定義する。
・ゴールの例:常時顧客の欲しい品を提供できる。
・理由(Why):「なぜ、その要求が必要か?」
・理由として表現した例:常時顧客が欲しいから。 顧客が欲しい商品を
 タイムリーに提供したいから。

目的実現のための指導ポイント
①社内責任者は意図を正しく理解し、言い切る。
責任者は、事前にシステムに求めるイメージ、業務上のルール、仕事のやり方
などを文書に取りまとめ、具体的にベンダーに伝える。
②社内責任者が業務を正しく伝えること。
社内責任者は、5Wを明記した業務の流れがわかる文書や内容がわかる一覧
を用意し、システム化の対象としたい部分を区別してベンダーに伝える。
③運用管理や環境設定関連機能の考慮漏れを防ぐには
社内責任者は利用者の機能要件だけでなく、管理者が実施するマスタ管理
や運用管理業務機能(カレンダー類、処理制御情報類など)の機能についても
説明することで、必要機能の漏れを防ぐ。
④他システムおよび社外から受けるあるいは、与える業務上の影響を評価する。
社内責任者は、他のシステムや社外とのデータ授受の前提・制約条件を明確
にするために、データ授受のタイミング、方法、期限、媒体などを社内外の
関係者と事前合意したうえで、ベンダーに説明する。
⑤業務の品質に重大な影響を与える事項をベンダーに漏れなく伝達する。
社内責任者は、システム化業務の特性(オンライン受付件数やレスポンス
目標値など)を社内の関係者と事前合意したうえで、ベンダーに説明する。

4)単に動いたと喜ぶだけでなく、責任者からの確認が必要。
専門的対応であるが、情報化が上手く機能するためのの確認項目として
理解すること。
①可用性
システムサービスを継続的に利用可能とするための要求
・運用スケジュール (稼働時間・停止予定など)
・障害、災害時における稼動目標
・機器の冗長化やバックアップセンタの設置
・復旧、回復方法及び体制の確立
②性能・拡張性
システムの性能、および将来のシステム拡張に関する要求
・業務量及び今後の増加見積り
・システム化対象業務の処理傾向 (ピーク時、通常時、縮退時など)
・性能目標値を意識したサイジング
・将来へ向けた機器・ネットワークなどのサイズと配置
= キャパシティ・プランニング
③運用・保守性
システムの運用と保守のサービスに関する要求
・運用中に求められるシステム 稼動レベル
・問題発生時の対応レベル
・監視手段及びバックアップ方式の確立
・問題発生時の役割分担、体制、訓練、マニュアルの整備
④移行性
現行システム資産の移行に関する要求
・新システムへの移行期間及び 移行方法
・移行対象資産の種類及び移行量
・移行スケジュール立案、移行ツール開発
・移行体制の確立、移行リハーサルの実施
⑤セキュリティ
情報システムの安全性の確保に関する要求
・利用制限
・不正アクセスの防止
・アクセス制限、データの秘匿
・不正の追跡、監視、検知
・運用員等への情報セキュリティ教育
⑥システム環境・エコロジー
システムの設置環境やエコロジーに関する要求
・耐震/免震、重量/空間、温度/湿度、騒音など、システム環境に関する事項
・CO2排出量や消費エネルギーに関する事項
・規格や電気設備に合った機器の選別
・環境負荷を低減させる構成

« 2012年7月27日 | トップページ | 2012年8月11日 »

最近のトラックバック

2017年9月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
無料ブログはココログ