« 2012年9月14日 | トップページ | 2012年9月28日 »

2012年9月21日

2012.09.21

ITへの投資と経営成果は直接の関係がないが、しかし、、

残念ながら、多くの中小企業では、情報化を単なる業務効率化として
捉え、組織の全体能力を上げていく視点で改革していく事への努力が
あまり見られない。
これは、会社の規模と言うより日本企業のもつ過去の成功体験の延長
が所謂「イノベーションのジレンマ」的な束縛をかけているのでは?
と言う気もしてきた。日本製品の強さは、「現場の持つモノづくりの強さ」
であったが、急速なグローバル化している市場での競争力の低下は、その
海外ビジネスに関わるメンバーからは、日本市場のマーケティング手法
の焼き直し、日本的業務方法の持ち込み、など、組織を動かすための経営
マネジメント力が従来のやり方の踏襲との指摘が多く見受けられる。

環境の劇的な変化に馴染めず、具体的な「見える化」への施策も不十分
との指摘も多い様である。情報化にしてもその結果として、不十分な
情報共有、最新情報への感度不足を起こしているとの事。
これは、海外ビジネスを展開している企業にのみ言えることでもない。
最近の何社かの元気な経営者と話をしていると中小企業の風通しの良さに加えて
情報化と見える化を上手くバランスしながら進めており、多くのIT化
費用をかけずとも、出来るとの実績も示している。

過去のセミナー他でも、見える化について、指摘してきたが、より具体的な
手法についても、理解してもらうことが、IT化推進の1つとなるでは、
との思いも強くあり、研究会などでも更に、深堀をしたい。
ただ、見える化でも、経営レベル、業務レベル、現場レベルがあるが、
経営レベルは、IT経営に向けて、様々な視点で論じたり、具体的な指標
(例えば、IT経営では8項目)も示されているので、今回は省く。

1)業務の見える化
過去の業務改革、改善支援などから以下の点に注意する必要がある。
①業務の不整合
 似たような業務が存在するが、対応が出来ていない。
 ・全社的な業務の不整合
 ・業務管理の必要性はあるがその場しのぎ
②抜本的な見直し作業の遅れ
 業務不整合は、全社横断的な場合も多く、取り組みが十分出来ていない。
 ・属人的な作業は代替が出来ない
 ・ムダ、ムラ、ムリな作業の把握が出来ない
 ・短期的効果が少なく、費用もかかる
③業務見直しへの関心の低さ
 慣行的な活動から脱皮への意識低さと行動への不足
 ・ISO取得でも取得が目的化、取得で終わり
 ・業務モデルの作成(企業側)への不足

2)現場の見える化
情報化のためのRFP作成などをすると、特に、以下の3点が気になる。
①情報(データも含む)の不整合
 似たような名称の情報が多く存在する。
 ・全社的なデータの不整合
 ・データの一元管理の必要性
②抜本的な見直し作業の遅れ
 情報不整合は、全社横断的、大規模であり、取り組みへ躊躇せざるを得ない。
 ・正常な動作中に、改修は出来ない
 ・データベースの横断的な整備は不可能?
 ・短期的効果が少なく、費用もかかる
⇒従来システムのレベルアップなどキッカケが必要である。
③情報の使い方への関心の低さ
 経営トップ含め、全社的な情報の活用意識が低い。
 ・パッケージ使用などで、全てベンダー任せ
 ・概念モデル(業務モデル)作成(企業側)への必要性を感じない?

3)見える化のための基本的な進め方
見える化を具体的に進めれば、IT化への必然的な流れを作る。
①業務の見える化
 ・自社ビジネスモデルの把握 
 ・IT化と一体となった業務プロセスの再設計(経営者、現場部門の参加)
 ・対象となる業務と情報の的確な把握のための仕組み作り
⇒業務内容が少なく、処理すべき情報があまり変化がない業務から進めると良い
②現場の見える化
 ・情報モデルの洗い出しを進め、現場活動との整合化を進める。
 ・現場レベルでの日常業務の体系化(業務目的、手順の客観的な記述)
 ・中期的な推進のため、必要性の明確な部門からの順次取り組みを進め、現場での
  実績を示す。
⇒業務の多様性が高く、処理すべき情報が不明確な業務への対応がポイント

4)業務マネジメント強化による期待効果
特に、部門間での活動に対してその溝を埋めることが可能となり、横連携
の強化となる。
・定量的な成果確認(KPI、KGIの設定化)
・具体的、定量的な社内討議のしつけ
・レビュー、評価、結果からの次の活動
・情報の共有への理解が進む
・組織としてのノウハウ、知恵の獲得
・自立的な各部門でのマネジメントが進む。
⇒一過性の限定的な部門改革ではなく、経営戦略と部門戦略を明確にし継続的な改革
の体制つくりが可能となる。

5)現場マネジメントによる期待効果
経営と現場での活動に対してその溝を埋めることが可能となり、縦の
連携の強化となる。
・日々の改善、自立的な改善
・組織における業務ノウハウの発見、蓄積、共有化
・業務の標準化、定型化、定量化
・人材、組織の学習
・やりっぱなしからの脱却、振り返りの習慣付け
⇒業務遂行は個人では出来ない。経営戦略に沿った活動で、判断、実行が可能となる。

IT経営力大賞の受賞企業を検証すると、多くの企業が「見える化」のための
仕組み作りとその具体的実行のための情報化を上手くバランスを取りながら、
進めている。
注意すべきは、IT化のための投資が直接に経営成果に結びつくと思っている
経営者が少なくない事。例えば、Webサイトを数百万かけたから、直ぐに
売り上げが上がると思っている非常識な経営者も居る(本当にいるのです!)。
ITへの投資と経営成果は直接の関係がない。まずは、IT経営力にあるような
組織力のアップを図る方針と工夫、そして、それらを更に効果的に発揮するための
IT化となる。
この相関性をキチンと理解することが、経営者として肝要である。

« 2012年9月14日 | トップページ | 2012年9月28日 »

最近のトラックバック

2017年9月
          1 2
3 4 5 6 7 8 9
10 11 12 13 14 15 16
17 18 19 20 21 22 23
24 25 26 27 28 29 30
無料ブログはココログ