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2013年1月12日

2013.01.12

TOC再考

年末の研究会でTOC(制約理論)の話が出た。
それが教育向けへの適用がアメリカを中心に進められているとのこと。
ザ・ゴール2の内容からすれば、ある意味当然なのかもしれないが、
チョット、面食らった。製造関係の工程改善やプロジェクトの工程
管理に視点が行き過ぎていたことを感じた。
ここでは、ある点では中心的な考え方である「思考プロセス」について
少し振り返り、その適用の意識アップを図って行きたい。

1.思考プロセスとは
TOC思考プロセスは、「組織の中に変化を生み出し、実行するための
体系的なアプローチである。組織のゴール(目的)に向かって変えるべき
ものと変えなくてもよいものとを明確にし、変えるべきものをどのよう
に変えていくか(変化させていくか)を明確にする問題解決手法。
この変化を起こしていくために、3つの設問から変化への4つから6つ
ほどの抵抗を弱めながら展開して行くことが肝要となる。
基本的には、5つの論理ツリーが用いられ、この論理ツリーを作成する
ことにより客観的なアプローチが実施出来、同時に論理ツリーを作成する
プロセスにおいて関係者のコミュニケーションが深まり、関係者の納得
が高められ、変化への抵抗も少なくなる。
そのアプローチは、下記の3つの設問を想定しながら展開される。
①何を変えるか
組織の中に存在する方針上や実施上の制約を発見することである。
②何に変えるか
方針上、実施上の制約をどのようなものに変えるかであり、更に次の2つ
の設問を意識する。
・この変化は我々が望む結果を現実にもたらしてくれるだろうか?
・この変化に反対する人々に我々は何が期待できるだろうか?
③どうやって変えるのか
「何を変えるのか?」は組織・システムの現在の状態を把握すること。
「何に変えるのか?」は組織・システムの将来をどのようにしたいもの
かを決めることである。
「どうやって変えるのか」はまさに現状と将来のギャップを埋める
ためにどうしていくかを決めること。
更に次の3つの設問を意識する必要がある。
・このアイデアの実施にはどんな障害があるのだろうか?
・その障害を克服するにはどのようにすべきか?
・アイデアを現実に実施するには、今から何をやったらよいか?

実施における問題は?
①対応しようとしている問題を、問題として思っていない
良くある「意識の壁」である。「解決しなければならない問題は何か」
について関係者のコンセンサスを得ることである。
②解決方針、実施に納得しない
所属部門の利益を優先し、全体最適の解決策に抵抗を示すことが
見受けられる。厳密な因果関係をたどり、望ましい結果が得られる
ことを示す。
③解決策がマイナスの影響や障害を引き起してしまうとの認識
解決策の実施によって起きると予想される弊害も抵抗の大きな理由となる。
未来構造ツリーで予想される弊害はすべて出し尽くし、それぞれ対策が
とられていることを共に確認する。
④その結果起こることへの恐怖感
良くある「行動の壁」である。実行計画の内容の充実を図ると共に、
プロジェクトへの参画意識を図る。

2.基本的な進め方
何を変えるか」「何に変えるか」を以下の流れで処理する。
1)現状解決ツリー化
①現状問題解決ツリー
 思いつくUDE(好ましくない結果)を列記する。10個前後か?
②if-thenの論理でUDEの関係をチェックし、論理ツリー
 を構成する。
 下から上に論理チェック。上下での矛盾を確認する。
③全てのUDEが関係付けられるまで進める
 不足があれば、追記していく。
④出来た論理ツリーから根本問題を見つける。2個前後か?
2)対立解消図
 目標、必要条件、前提条件により構成されるが、前提条件に
 おける対立を解消させるためのアイデアを考えることにより目標の
 達成を図る。
例えば、ある開発部門では次のような問題がある。
・新商品が予定通り開発されない。
・設計変更が多い。
・手直し仕事が追加される。
・督促で優先順位がころころ変わる。
・遅れ挽回のため見切り発車をする。
・問題が未解決のまま進む。
これらのUDEから幾つかを選び、それぞれ対立図をつくる。 
3)未来構造ツリー、ネガティブブランチ
2)項のアイデアを現状解決ツリーへ追加する事による新たに発生する
 問題を検討する。 
「何に変えるのか」に答えるもので、解決策が有効かどうかを検証していく。
アイデアを実行していくとどうなるか、好ましい結果が生じるかどうか、
現在より未来に向かって解決策の検証をしていくものである。
検証の最後として、解決策を実行することによる新たな障害
(ネガティブ・ブランチ)を発見し、新たな解決策を考えて実行
を確かなものとする。
4)前提条件ツリー
「どうやって変えるのか」の問いに答えるものである。前提条件ツリー
の目的は、その達成に向けてどんな障害があり、それをどう克服して
いくかを明確にするものである。
5)移行ツリー
移行ツリーは、目的達成のための行動計画を作成するのに使われる。
移行ツリーによって、移行自体がどんなものとなるか、途中での中間
の実体を明確にしながら、現在の状況を将来の状況(目的)に変換する
特定のステップ(行動)を明確にしてくれる。

3.教育分野のTOCツール
1995年、世界の小・中・高等学校を対象にこの思考ツールを普及
させるために、米国に非営利団体TOCFE(TOC For Education Inc.
TOC教育協会)が設立されたとのこと。
次の3つの領域で使われ、その改善を行う。
・行動    人間関係を扱う
・教科内容  学習と授業教育を扱う
・学校運営  システム化
①行動への応用
各思考ツリーは、思考とコミュニケーションを改善して、以下の人間
関係の問題を取り扱う。
対立、ネガティブな行動、不完全な考え、目標達成 など
②教科内容への応用
今までとの違いや関連性を明らかにし、目標とする学業の標準や基準を
達成する手段として、現在の教科課程の授業に使うことができる。
各思考ツリーを通して必要教科課程を学ぶことで、生徒・学生は責任ある
行動をとる方法も学習する。
対立の分析を通して学習、情報・思考の中での因果関係の分析を
通して学習、目的と目標の分析を通して学習、など
③学校運営への応用
各思考ツリーは、学区、学校、教室など、教育領域でのいかなるシステム
にも使うことができる。
根本問題の発見、解決策の立案、実施計画の立案、など

基本は、3つの設問を如何に具体的に教育の現場、プログラム化に
適用することであり、様々な事例から各社の人材育成にも活用
できるのでは、と思う。

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