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2013年2月2日

2013.02.02

論理的に考えるとは

ここ1,2週間、委員会、検討会などで、議論の発散することが多く、
余計な手間のかかる状態が少なからず出ている。地域の中でも、社会環境
が複雑化し、行政も持て余し気味の事案や寄り合い所帯のNPO、各団体
活動含め、少しながらも、論理的、体系的な意識付けを持ってもらいたい。

1.ロジカルシンキングへの誘い
ロジカルシンキングは、学問上の理論とは異なり、課題の設定から実行
可能な対応策の考案、そして実際の行動の管理までの一連のプロセスを経て
成果を上げていくのに必要なもの。
現代のように複雑化し、過去の理論や経験が通じないことも多くある社会に
おいて、ロジカルシンキングは必要不可欠なものになっている。

問題解決の際は、最初に問題を取り巻く背景を構造的にとらえる必要がある。
これができれば、そこから問題解決の大きなヒントが得られることになり、
その構造を踏まえて文章の論理展開に落とし込むことによって、コミュニ
ケーション、特に説得に効果を発揮する。しかし、これには、ある程度の
訓練と意識付けが必要となる。状況を構造的に把握できないままの行動や
主張は、効果や説得力がなくなり、誤解を生み、無用の議論を生み出す。

ある特定の状況について、独立した事象、表層的な事象に目を奪われる
のではなく以下の点を明確にする必要がある。
・全体としての事象間の関係性(特定時点でとらえた関係性)
これは、ある事象や人物を取り巻く状況を特定の時点で過不足なくとらえ、
互いの関係(力関係、影響力など)を分かりやすく示すこと。
・因果のメカニズム(時間軸でとらえた関係性)
これは、因果が相互依存性が存在することの多いビジネス環境において、
観察される事象の因果構造を明らかにするものです。

2.構造化するとは
「構造化された状態」とは、
(1)全体を把握したうえで、その構成要素についても明らかになっている。
(2)構成要素間の関係が分かりやすく整理されている。
の2つのことが考えられる。
ビジネスや地域活動においても、「構造化する」という思考技術は、2つ局面
で役立つ。1つは問題解決、もう1つはコミュニケーションの局面。なお、
ここでいう問題解決とは、単に「トラブルを解消する」という意味ではなく、
「課題を克服する」というものであり、「現状ではあまり問題はないが、
もっと良くできるはずだ。どうしたらよいか」といった状況も問題解決に含む。

複雑なものを、複雑なまま考えることは難しいものです。「正しく考える」
ためには、その複雑な対象を分析し、考えるべき項目を明らかにしていくことが
必要となる。分析するとは、複雑なものを分けて明確ににすることであり、
ロジカル・シンキングの基本は、幾つかありますが、「ピラミッド構造を作る」
と「モレなくダブリなく(MECE)」が重要である。ピラミッド構造は、複雑な
ものを小さく、何段階にも分けていくことであり、それにより、自分の考えを
整理していくことができる。物事を分解して考えるときに大切になるのは、
「MECE」(ミーシー)であり、MECEとは、Mutually Exclusive, Collectively
Exhaustiveの頭文字を取ったもので、モレなくダブリなく、という意味。
検討に漏れがあったり、重なりがあったりすると、効果効率的に正しい結論に
至ることはできない。間違った情報使用、論理の飛躍などに陥らないため
にも、基本のスタンスである。

3.ピラミッド構造を作る
ピラミッド構造は、物事を、絵的に、シンプルに表現する手法であり、論理
構造化を進めるためのパワフルな思考法です。
「売上高」=「数量」×「単価」。「数量」=「国内分」+「海外分」と
いったように、物事を分解し、ピラミッドの形で一枚の絵として示せれば、
いろんな項目の関係が一目瞭然となり、全体を理解しやすくなります。しかし、
いきなり最初から完璧なピラミッド構造を作るのは難しいもの。最初は不完全
な形でもよいから紙の上にピラミッド構造を書き出してみることも大切。
そうすることによってヌケモレや、ダブリが見つかることもあり、新しい発想、
たとえば、複数の項目をひとまとめにできる上位概念の発見や、今のものとは
異なるピラミッド構造が見えてきたりすることも期待出来る。

物事をピラミッド構造で捉えようとすることは、思考を深めることにも役立つ。
よく、論的な面でのピラミッド構造化と現象、事象把握のためのロジック
ツリー化と言われるだが、手法的には、同様と思う。よく、原因を突き止める
ために何故を5回以上繰り返せと言われるが、ピラミッド構造化、ロジック
ツリー化も5階層くらい作るとよく理解、分析できる。

1)そのメリット 
①問題の全体把握が容易
ピラミッド化し、ロジックツリーを広く、深く構成すると問題の全体像が明確
になる。全体像が把握できると、1案がダメになっても、別の案をすぐに容易
にできるというメリットがある。また、多面的な検討での最善の結論である
ということが分かり易く伝わり、交渉やプレゼンでの説得力がアップする。
②議論のズレを修正できる
よくあるのが、議論上での土俵の違い。お互いの階層が異なるので比較
出来ない。論理的な把握と現象、課題の構造把握を図やコミュニケーション
で修正が出来る。

2)ピラミッド構造化、ロジックツリー作成
・まずは、顕在化している問題を探す 
まず、出発点に設定するのは、原因を掘り下げて考えたい問題や解決すべき
課題である。前者の場合では、「なぜ売上が落ちているのか?」、「なぜ
在庫水準が多いのか?」などが出発点になる。後者の場合では、「売上を
あげるには?」「来客数を増やすには?」といったことが出発点になる。
・出発点の問題を分解する 
次に、出発点の問題を分解する必要がある。分解とは、いくつかの要素に
切り分けることであり、要素の切り分けの際にはMECEを強く意識する必要
がある。

4.MECEする 
1)MECEに分けることの重要性 
問題に対する原因や方策を考えるのに、何のアテもなくバラバラに事柄を
羅列しても、なかなか解決策は見出せない。また、適当な羅列ではダブリ
によって時間をロスしたり、モレによって最重点項目が抜ける場合もある。
そのため、MECEの考え方を段階的に適用していき、物事の解決策を見出す
ことが重要になる。
MECEを段階的に見ていくプロセスはピラミッド構造化、ロジックツリー化
で構成する。
2)MECEでないことの弊害 
MECEに切り分けられていないと起こる不都合はいろいろとある。
例えば、大阪府・奈良県をエリアとする営業所で、営業マンの担当区分を
大阪府の顧客、奈良県の顧客、大規模顧客という分け方をすると大規模
顧客担当と各府県担当との間で、お客の取り合いが起こる。逆に、お互い
がお見合いをしてしまって大規模顧客カバーできなくなる可能性もある。
担当区分を3つに分けるのなら、大阪府の小規模顧客、奈良県の小規模
顧客、大規模顧客などようにMECEに分けると、上記のような非効率的な
ことが発生しなくなる。

3)MECEの切り口
MECEの切り口には様々なものがある。
例えば、車のディーラーで、売上が落ちているといった場合、MECEの
切り口には次のようなものが考えられる。
・車種別 ・顧客の年齢層別 ・燃費別 ・店別 ・月別
など、他にもたくさんある。
切り口を考える際に重要なのは、何を知りたいかを明確にすること。
ある支店の売上が悪そうだという仮説を持っているのに、車種別の売上
を調べても効果は少ない。MECEの切り口を考える際に、その切り口で切る
とどんなことがわかるのかも、併せて考える必要がある。
また、MECEの切り口を作る際には、広く知られているフレームワーク
を参考にするのも有効である。
ビジネス分析のための3Cやマーケティングの4Pなどの活用は有効。

①MECEの分解パターン 
MECEに分解するための3つの代表的なパターン。
・足し算型(同質のものの組み合わせ)
足し算型とは、全てを足し合わせると全体になるような分解の仕方。
・掛け算型(異質の組み合わせ)
掛け算型とは、全てを掛け合わせると全体になるような分解の仕方。
・プロセス型
プロセス型とは、結果に至るまでの行為をプロセスで分解する仕方。
②分解のコツ 
分解する際に、必ずMECEに分けるコツは、「XとX以外」という分け方。
ただ、X以外の中で、いくつか分解できないか、再度考える必要もある。
③分解したものがMECEがどうか確認 
場合によっては、分類の仕方がMECEかどうか判別しにくい場合があり、
具体的な例をいくつか出して確認することが必要となる。その例が、
どの分類にも属さない場合は、モレがある状態であり、2つ以上の
分類に属してしまう場合、ダブりがある状態といえる。

5.構造化への心構え
構造化するための手法、方法も必要であるが、絶えず、以下の意識
を持つことが肝要でもある。
①思考の反芻
現在の課題が本当の課題なのか?そもそも、何故そのようなことになった
のか?の自身の考えの立ち戻りが必要である。
②目的の再確認
様々な課題解決の手法や方法があるが、手段が優先となり、目的が曖昧に
なる場合が結構ある。「何をするのか、知りたいのか」の視点は絶えず
持つ必要がある。
③客観的な視点
企業内での分析や調査では、結構、局所化したアプローチになる場合が
多い。全く違う分野の人の視点も入れるべき。
④事実の選別化
観察した事実と仮説が混同されたり、業界の常識?での判断のようなこと
がよく起きる。また、イメージや想いが事実化することもある。
⑤可視化する
人の想いには、必ずズレがある。紙に書き出し、イメージ化グラフ化
などの視覚化をする。
⑥要素の軽重化
複雑な関係を複雑なままとらえていては、どこから手を付けていいのか
分からなくなる。ある程度割り切って、複雑な構造の幹の部分を浮き彫り
にすることが肝要。量感意識が加わることで、単に定性的に構造化した
場合に比べ、問題解決の難易度や、問題解決の方向性が分かりやすくなる。

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