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2013年4月20日

2013.04.20

クラウド再考

クラウドが騒がれてから5年ほどになる。
ITの所有から利用へのビジネスモデルの変容であった。
以前ほどの喧伝は無いものの、クラウドコンピューティング活用は、
着実に企業の中に浸透しつつある。
ただ、まだ、その変容は、大手企業を中心としたものであり、
中小企業では、一部の意識の高い企業のみでの活用があるものの、
本格的利活用はこれからの様である。

1.クラウドコンピューティング概況
多く企業では、クラウドコンピューティングを2012年以降も
注目すべき戦略的テクノロジの1つと考えている。
クラウドコンピューティングは、非常に混乱した状況にあるが、
引き続き重要なICT活用のテーマである。
クラウドコンピューティング(以下、クラウド)のトレンドとその関連
テクノロジは、これからも急速に進化と変化を遂げていくと考えられる。
しかし、現況では、期待と現実に大きなギャップが存在する。何でもクラウド
と呼べばよい風潮も手伝って、今でも、イベントは盛況であり、マーケティング
活動は活発である。ユーザー事例は出つつあるが、しかし、全体で一気に普及
が加速しているといった状況ではない。クラウドへの期待はあるものの、
今でも何がクラウドか分からない状況も見られる。
クラウド利用は、全体の10%に満たない。
日本におけるクラウドの利用・検討状況も、まだ10%に満たないという一つ
の事実は、モノゴトに性急になっていない人々が多いことを示している。
クラウドが世の中に紹介されて早5年が経過しようとしているが、今でも
シンプルな質問が続いている。
.クラウドというものを使うべきか?
-本当に、皆、クラウドを使っているの?
-メリットは?、リスクは?
-プライベートとパブリック、どちらを選ぶの?
-クラウドにする、しないの判断基準は?
等など
クラウドを活用という話は多いが、企業情報システムそのものを変
えよう、という話や機運は日本では少ない。
日本でも企業ITの在り方についての議論や情報発信をもっとすべきと
考える。そもそも、クラウドは、業界の“手工業的(土建的)な在り方”
に限界がきているという問題認識からスタートしたのではないか、と思うが
エンドユーザにとっては、ある意味、どうでも良い話であり、それが、停滞の
一因とも思われる。

2.中小企業でのクラウドの現況
4年ほど前、J-Saasという形で中小企業50万社にクラウド
活用を推進するための国レベルでプロジェクトがあった。私も、その
事業推進員として、2年ほどセミナーや個別支援をしたが、1割ほどの
企業参加で終わり、今は、民間企業がその事業を継続している。
最近の中小企業のクラウド含めたIT活用の調査報告でも、企業の課題、
悩み、要望などはほとんど変わっていない様である。

1)IT利活用の現状
①受注管理、販売管理に関しては、IT化を積極的に活用している企業
が見られた。
②業務ではクラウドをほとんど利用していない。
③生産技術情報をデータ化している企業は少ない。
④システムはITベンダに開発委託している企業が多い。
⑤必要なシステムを構築する場合、自社でExcel等を用いて試行的に
組んでみて、使えそうであればITベンダにシステム構築を依頼する
企業もある。

2)クラウドの利活用の現状
①クラウド利活用への関心を持っている企業が多いものの、個人的
な利用にとどまり、業務で利用している企業はほとんどない。
②営業活動に関する情報を社員で共有している企業がある。
③生産管理でクラウドを利用している企業はほとんどない。

3)IT化及びクラウドの利活用促進のための課題
①セキュリティ面で、不安を感じている。
②図面等生産技術情報は、自社内で保管しておきたい。
③IT人材が不足している。

4)IT利活用促進についての要望等
①生産管理、受発注業務でクラウドサービスの利用を要望している。
②IT専門の人材を雇用することができないため、専門家派遣の充実を
要望している。
③表彰制度等の賞賛は企業の宣伝効果があり知名度向上につながる
ので実施して欲しい。

3.深化するクラウド
上記の話を聞くと、まだまだ、と言う方も多いが、そうでもない。
クラウドの深化については、業界間、企業間で、大きな差を感じる。
上記まで述べたのが、多くの企業でのクラウド活用状況ではあるもの
の、先進的企業は、より深く、より徹底的に活用を始めている。
業務活用ニーズを積極的に取り込み多様化するクラウドサービスの
事例が増えている。

①大量データ処理への対応
従来はオンプレミス環境にあった大量のデータを処理することを目的と
したクラウドが、最近になって増えつつある。
例えば、AmazonRedshiftのようなクラウドデータウェアハウスは、膨大
な量のデータ分析がもたらす価値を、さらに幅広いシーンで享受できる
ようにする。ビッグデータ活用という点から、最近のクラウドの動向を
見ただけでもデータウェアハウス、特定用途特化型と多様化が進んでいる。
このような多様化という動きは、ビッグデータ活用に限った話ではなく、
最近のクラウドサービス全般で見られる顕著な傾向である。
特に、一般の企業が業務にクラウドを適用しやすくするために、クラウド
プロバイダー側ではユーザーのさまざまなニーズに応え、多様なクラウド
サービスや付加機能を提供するようになってきている。

②仮想プライベートクラウドの実現
社外のクラウド基盤上に仮想的なプライベートクラウド環境を実現する
というものだ。パブリッククラウドに対してユーザー企業が抱く懸念の
1つが、セキュリティや信頼性の問題だが、それらを解決し、基幹系など
の重要な業務にも適用可能なクラウド環境を実現することが、仮想
プライベートクラウドの狙いだ。
「Amazon Virtual Private Cloud(Amazon VPC)」がその事例である。

クラウドの適用範囲が広がると、メニューにあるサービス以外の
対応が必要になるケースが増えてくると予想される。特に業務が自社
のコアコンピタンスに近いものになるほど、独自のビジネスフローが
多く存在する可能性が高まるため、それをクラウド上で実行しよう
としたら、既存のサービスメニューだけではまかないきれない可能性
も高まる。そうなると、柔軟に利用できるという点が、クラウドの選定
に際して重要になる。実際に、クラウドという枠組みを超えた柔軟な
対応を売りにするクラウドプロバイダーも出てきている。

ネットワークインフラ、ハード技術、ソフト技術の格段の進歩は、
現時点で、クラウド活用に躊躇している経営者にそれなりの解を与えると思う。
4年前と多くの企業の意識や想いは変わっていない様であるが、そろそろ、
変わるべき時期かもしれない。最近の先進事例を聞くとそう強く思う昨今
である。

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