« 2013年11月23日 | トップページ | 2013年12月7日 »

2013年11月30日

2013.11.30

再度、6次産業、ビジネス化を想う

4年ほど前に従来の製造業とは、違う視点も必要であろうと、農業ビジネス
へ少し絡み出し、研修を経て、農商工連携コーディネータの登録をした。
結果的には、1案件に絡んだけで、本業?の製造業関連の支援が多くなり、
そのまま、過ぎている。
しかしながら、社会、経済環境は大きく変わろうとしているものの、農業
ビジネスの変革は一部にとどまり、大きな変化は出てきていない。
確かに、農業法人の連携拡大や放棄された農地をNPOや企業が借り入れて
再構築などを図る動きはあるもの、大きな潮流になっているか?不明である。
既に7、8年前から言われている「農業ビジネスとしての転換、農業分野
でのキーワードは、6次産業への進化」であり、「作ったものを売る」
から「売れるものを作る」が現場で浸透しているとは思えない。

農業もここ数10年で、大きく変化した。チョット数字は旧くなっているかも
しれないが、
・GDPに占める農業生産は9%⇒1%以下へ
・農業就業人口は約1400万人⇒約340万人以下へ
・農家戸数は約606万戸⇒290万戸以下へ
・農地面積は約610万ha⇒約460万haへ
・農業総産出額はピーク時11.7兆円⇒直近では8.5兆円へ
・人口構成では70歳以上が約45%を占める、完全な高齢者産業?
食料自給率が大幅に下がるのもやむを得ない状況⇒生産基盤がガタガタなのである。

農業への他業種からの参入はどうであろうか?
2000年代になると、様々な業種からの参入が増加しているが、参入に興味
を持っている企業も含めると約4割ほどとの事。
採算性、収益性、事業地の確保などから大手企業の撤退の話も少なくない。
それでも、農地制度、利用規制の緩和により、一般企業からの農業ビジネスへの
参入は、
・新たな収入源としての確保
・雇用の維持、拡大
・本業とのシナジー効果
・既存技術の活用
等から更に増加するのでは、と言われているが?

農業ビジネスとしてのビジネスモデルの確立と事業計画の作成が他の事業
と同じように出来る事が、まずは、必要と言われるが、どんな顧客に、
何を売りたいのか、タマタマ自分の土地で米が作れるからそれを売る発想
はそのままである。
ここ5,6年売れない農作物を如何に売っていくか、などの相談と支援を
してきたメンバーから聞いても、農協、仲買人など従来の関連メンバー以外
の新しいつながりを見つけ、他所ではない成果物に仕上げて売るか?原材料
として付加価値のある商品にまで仕上げて売るか?等ビジネスの基本を実施
しているのは、まだ多くはないとのこと。
何人かの農業従事、仲買、加工に関わっている若者の話を聞いた。
危機感は強く、農業をきちんとしたビジネスモデルとして、捉え、それを実現
しようとしている若者も多くなっている。

この動きを更に、加速するには、以下にあるような考慮点を関係するメンバーが
夫々の立場で認識し、実現方策を考えていくのが必要となる。

1.頑張っている幾つかの事例
地域の個々で見ると与えられた資源を上手く活用して、農業ビジネスとして
頑張っている団体、法人も増えつつある。

①健康果実アドベリーの産地化と地域ぐるみのブランド化(農業者-加工業者
-流通業者が連携)
・地域が一体となって、「アドベリー生産協議会」を設立し、稀少果実である
ニュージーランド産のボイズンベリーを地域名(安曇川:アドガワ)を冠した
「アドベリー」として産地化している。
・協議会の下の「農産部会」では、栽培指導と果実の一元管理を実施している。
「流通加工部会」では、新商品開発と専門家による認定を実施。
・百貨店、道の駅、地元スーパーなどで好評であり、新しい販路も開拓。
②IT化した直売所を核とした地産地消の取組(農業者-加工業者-IT業者等)
・農産物加工施設、レストランを併設した大規模な直売所と地域の400戸以上
の農家からなる協議会と連携し、地場農産物を販売するとともに、レストランでも
提供している。
・直売所では、IT業者のノウハウを活かし、生産農家が出荷する農産物を管理
するPOSシステムを構築。販売状況は随時、携帯電話等により出荷農家に伝達。
これにより、農家は出荷計画等に反映している。
③植物工場による野菜の生産・販売(農業者-プラント製造業者-流通・販売業者)
・食品製造業者の開発した完全制御型の植物工場を導入し、無農薬で清浄なサラダ
菜、リーフレタス、フリルアイスレタスを通年生産。
・食品製造業者の販売のノウハウを用いて、スーパー等との契約取引を拡大。
・農産物のトレーサビリティ対応が可能であり、販売店からの信頼も厚い。
④農村女性の手作りケチャップから地域おこし(農業者-加工業者-観光業者等)
・農村女性が中心となって、地域特産の夏秋トマト(桃太郎8)の規格外品を
使った手作りトマトケチャップを製造・販売・道の駅やスキー場、温泉施設において、
直売施設を設置し、消費者との対面販売を通じて売れ筋の商品開発を実施した。
・大手百貨店などでもギフト商品として好評。

2.6次産業化に向けて考えるべきこと
1)立地について
農業者にとっての商品の魅力を最大限活かせる場所はどこだろうか。例えば、観光
農園の場合、「施設の存在する場所」は、広い意味で商品の魅力度に影響を
与えていると考えられる。素材収穫や加工の現場を見ることは、消費者の目に
生産者の顔、生活までが見えることになり、消費者にとって安心、安全の提供
となる。

2)連携の実現に向けて
優れた品質の商品に対し、商・工業者は仕入れ価格と言うバロメーターで価値
を提示するわけであるが、その価値評価にずれが生じ、取引が成立しない場合を
見受けることがある。

①まずは、商・工業者自らのこだわりがあること
こだわり商品を仕入れるには商業者自身がまず、自社や自店舗が何にこだわっているか
をあらためて明確にしておく必要がある。自社や自店で大切にしている点に仕入れる
商品がマッチする関係を消費者にもわかりやすく整理・確認しておくことが
重要である。

② 農・漁業者のこだわりをじっくり聞くこと、そして、現場に出向くこと
「農商工に係る連携」の要素として、
第1は、出来る範囲で「取組への少なくとも主要な参画者が共通の目標」を持つこと
である。その目標は、地域の活性化もあれば特産品づくりの場合もあろう。
第2は「農産物の栽培に関する大小の工夫や、商品開発や市場開拓などの面
で2つ以上の参画者が各々の役割を担って、お互いに相乗効果を発揮しつつ、補完しあ
いながら取り組むこと」であろう。そして第3は、「商品や提供方法に、取組の全体像
自体の魅力、或いは、取組の参画者に共通する目標自体が消費者をはじめとする
広義の関係先の共感を得られる要素を伴っていること」である。

3.具体的な6次ビジネス実現への考慮点
「2つの多様性、異質性」を理解すること

① まずは、産業としての「農・商・工各事業者の多様性」を理解する。
「農家にとってあたりまえのことが商・工業者には驚き」とか「農家に
とっては何でもないことが消費者には魅力」、或いは、「これらの逆」といった
ことが少なくない。
具体例としては、「稲作農家が米穀店に出荷する際の単位が“トン”で、消費者は
“キログラム”」といった相違にはじまり、「もし、今年の農作物の出来が芳しく
なければ、次の結果がでる1年後を待たねばならないが、商工業者は1日、1週間、
1ヶ月の期間で対応しようとするケースが少なくない」という経営に関する時間的
な尺度に関わるまで、実に多岐にわたる。

② 参画事業者や取扱商品はじめ想定される「多様な組み合わせの存在」を
把握・活用する。
農産物や農産物加工食品が家庭や飲食店などで消費される形態「流通の形態」は、
どのパターンが最も相応しいのか」といった点を順次、固めていくことが大切である。
当社にとっての最適組み合わせを追求していくこと」が、極めて重要となる。
・「流通の形態」
農家→消費者、農家→小売店や飲食店等→消費者、農家→取次店→消費者、
農家→卸→小売店→消費者 など
・「取り扱う商品や事業の範囲」
商品単位 単一商品 例:お米だけ
多品種商品 例:発芽玄米餅と和風ピザ、三彩米
一連のシステム 例:物販(店売と通販)、観光農園と農業体験
地域の小売店や飲食店と共に「地域名産品」展開
・「対象とする商圏の範囲」
地域内販売 例:市内に重点化した販売
地域外販売 例:インターネット販売、一大消費地の小売店への卸
・「消費者が価値を認める魅力の色々」
商品の魅力 安心安全、健康、美味、新鮮、地元産、ストーリーの魅力 地産地消
食品リサイクル、産地・生産・生産者情報、販路の魅力 地元の物産館
施設の魅力 観光農園、農業体験、グリーンツーリズム など等

« 2013年11月23日 | トップページ | 2013年12月7日 »

最近のトラックバック

2017年11月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30    
無料ブログはココログ