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2013年12月21日

2013.12.21

2013年気になるキーワード5つを見る

2013年もあとわずかである。今年1年の投稿記事や様々な調査データを
ベースに私なりに今後の深化も含め、気になったキーワード5つを考えてみた。

・ビッグデータ
・ソーシャルチケッティング
・3Dプリンター
・クラウドソーシング
・クラウドファンディング

既に、投稿した記事の再掲、再編集も含め、各キーワードについて少しまとめてみる。
今回は、ビッグデータとソーシャルチケッティングについて考えてみる。

1.ビッグデータ
1)ビッグデータとは
1つの考え方としては、「ビッグデータとはインターネットの普及とIT技術の進化
によって生まれた、これまで企業が扱ってきた以上により大容量かつ多様なデータを
扱う新たな仕組みを表すもので、その特性は量、頻度(更新速度)、多様性(データ
の種類)によって表される」と考える。
「ビッグデータ」はこれまでの企業で扱ってきたシステムにくらべ、以下の3つの
部分に違いがある。1つめはデータ量が圧倒的に多いということ、2つめはデータ
の種類が多岐にわたり、多いということ、そして3つ目はデータの変化する頻度が
多いということ。そして、これらの条件が重なることで、従来のシステムでは
取り扱うことが困難であったデータとそれを扱うためのシステムのことを「ビ
ッグデータ」と呼ぶ。
特に、ビッグデータの特徴は、量だけでなく、扱うデータの種類が多いことにある。
扱うデータには、会計システムなどの基幹システムから発せられる数値や文字列
といったデータだけでなく、文章、音声、動画といったマルチメディア・データ
などのデータが含まれる。さらに、電子メールのデータやWeb上でのXML
データなどやさらに、各種センサーや機器から発せられるデータや通信ログように
頻度が非常に多いようなデータも含まれる。これらのデータには社内だけでなく、
インターネット上の社外にある場合も多くある。

さらに、これまで企業の多くはデータ活用をたとえ顧客データであっても活用
目的は、個々の顧客の属性ではなく、集計することによって得られる状況把握
が中心であった。しかし、先進的にビッグデータを活用している企業では、
顧客の個々の属性を捉え、Amazonのようなリコメンデーションのように細分化
された情報の活用を行っている。さらに、大きく異なるのは、データ処理に
対する精度よりもスピードが重要であること。
従来のシステムは、大容量であっても、構造化されたデータ中心でデータ更新
の頻度も月単位など変化頻度はそれほど高くなかったが、大容量+非構造化
データ+高頻度という新たな組み合わせに対応するシステムとして
「ビッグデータ」の活用が必要になって来た。

2)ビッグデータの活用企業
まず、「ビッグデータ」を利用している企業としてすぐに思いつくのは、Web
サービス事業者と思われる。例えば、Googleは検索と無料アプリケーションに
よって蓄積した膨大なデータを基に広告ビジネスを行っている。Amazonや
楽天などのECショップでは会員データ、購買履歴、クリックストリーム
(サイト内での顧客の動き)などのデータを使って、過去の履歴や「おすすめ
(リコメンデーション)」を提示し、会員個々に購買意欲を高める情報提供
を行っている。

ビッグデータの利活用は、Web事業者やECだけではない。例えば、通信
事業者が携帯電話などの通信ログを分析することで、ある顧客の通話先や
メール送信先がどこの通信事業者が多いのかを知ることで、他の通信事業者へ
乗り換える危険度を事前に察知して、個別に値引きキャンペーンを実施したり、
逆に友達紹介キャンペーンをするような施策はすでに実施されている。
損害保険会社が、カーナビのGPSから契約者の運転状況を詳細に把握する
ことで、年齢、走行距離、免許の種類といった情報だけでなく、契約者ごとに
実際の走行や運転の状況を知り、契約者個々をリスク分析することでマージン
の確保と契約者の価格満足度を両立するといった事も可能となる。
または、クレジットカード会社がカードの利用された場所と利用者のスマート
フォンのGPSデータを照合することで、不正利用を検知することも考えられる。

また、業種には関係なく企業は、販売という行為と顧客は存在しているで、
製品に対する顧客のフィードバックや顧客ニーズが知りたいはずであり、小売業
を中心に実施されている、ソーシャルメディアのコメント情報から、自社や
自社の商品に関しての発言を捉えて、マーケティング施策に利用する、さらに
商品企画や開発に活用するという利用方法は、どの業種でもあてはまる
「ビッグデータ」の活用方法の1つである。
さらに「ビッグデータ」は、社会インフラや1次産業などでの活用も考えらる。

3)ビッグデータの実現要素
「ビッグデータ」活用の本質は、データ分析をビジネス貢献につなげ、競争
優位を獲得することであり、基本的に「ビッグデータ」には3つの要素が
必要になる。
①データ環境
「ビッグデータ」の特徴はデータの種類が様々であるということだが、
その様々なデータに対して、あらゆる角度から分析できるデータを備えている
ことが必要である。さらに、データがきちんと管理されているということも
重要となる。どこに、どんなデータがあり、それは誰のものか、どの程度
正しいデータなのか、いつのデータなのかが分からないと、「ビッグデータ」
は宝の山でなくごみの山になってしまう。
②ツール環境
最近は、様々なデータを分析するために適切なツールが開発されつつあるが、
どんなに高度なツールでも、それを使いこなせる人がいなければ無用の長物
になる。このため、操作に関するトレーニングやヘルプデスクの配置も重要
になって来る。
③情報リテラシ
ここでの情報リテラシとは、統計に関する知識やツールの使い方を知っている
というだけでなく、データ活用に関するアイデアやデータを見る目といった
能力が含まれる。更に、重要と思われるのは、「データを重視する」という
企業風土である。経営者、ビジネス部門のユーザー、IT部門のすべてが分析
の重要性を理解した上で、それぞれの立場から3つの要素の整備や能力向上
を推進する風土が必要である。
例えば、データを分析して行動しようとしても、上司から「データより現場
だよ、データ分析をする暇があったら客先に出ろ」、「それはこれまでのうち
の常識とちがうな、このやり方でずっとやって来たんだ」等など。
それは過去のもので、現在の状況にあっているのか?データで確かめてみよう
という企業風土でなければ、「ビッグデータ」を十分に活用することは難しい
と思われる。

中小企業のビジネスにも、この波は来る。自社にとって、どのような形で
来るのか?そして、それをどのようなビジネスモデルとして、活かせるのか?
来年以降も含め、考えて欲しいものである。

2.ソーシャルチケッティング
一般的に、コンサートや演劇などのチケットの国内市場規模は約数千億円といわれて
おり、その中でも最大手の「ぴあ」のシェアが約50%、「ローソンチケット」が
約30%と大手2社だけで市場の約80%を占める寡占状態。しかし、米国に始まった
新らしい波が小規模事業者や中小企業のビジネスを活性化していくかもしれない。
個人や小さな団体、企業のイベントオーガナイザーにとって、大手チケット販売会社が
提供している従来のチケット発行の仕組みを活用することは、採算的に不可能に近かっ
た。
しかし、ソーシャルチケッティングサービスが本格化すれば、これまでチケット
ビジネスのマーケットとして未開拓だったコンサートや小劇団の公演、ビジネス
セミナーや勉強会、人数の多い「飲み会」などでの、新たなチケット販売ニーズ
が見えてくる。
商店街や個人事業でも、従来のチラシなどの拡販手法に加え、特に、若い世代への
販促や知名度アップに有効となる。

国内で頑張っているPeaTiXの事例から
1)概要
このサイトでは、無料のイベントなら費用ゼロ、有料イベントでもチケット代金
の6%+チケットオーダー毎に70円という低価格で利用できる。そして、
クレジット決済からコンビニ決済が使え、デジタルQRコードチケットとiPhone
アプリでペーパーレスの受付まで可能という高いユーザビリティが売りだ。
利用方法もシンプルで、Twitter、Facebook または PeaTiX アカウントを持っていれば
誰にでもすぐに使え、3分でイベントチケットの発行が可能だという。有料イベントの
場合は、銀行または、ゆうちょ銀行の口座が必要だが、Webサイトからの申し込みだけ
で面倒な手続きは不要。そして、イベント終了後5営業日以内に、販売手数料と銀行
振込手数料を差し引いた金額がユーザーの指定口座に振り込まれる。
プレミアムサービスとして 、好きな背景色・背景画像・ロゴ画像のイベントページが
作成できる「カスタムデザイン機能」やイベントページを独自のURL
(例:yourevent.peatix.com)で公開できる「カスタムURL機能」もある。
チケット毎に購入先着順の通し番号が自動的に付与される「整理券番号機能」といった
便利なオプションも用意されている。

2)ユーザの使い勝手を意識したサービス
わかりやすいインターフェースと使い勝手のよさが、スタート直後からネット上での
口コミで広がり、ITエンジニアの間で評判となった。そして、エンジニア同士の
勉強会やIT系イベントの集客などでの利用が始まり、さらに、そのユーザビリティの
高さが個々のブログ上でどんどん取りざたされるように。そんなプロセスを経て、
IT系以外のユーザーへの認知が広がり、例えば、「横浜FC」の観戦チケット販売、
タレントのダニエル・カール氏のイベント、様々な小劇団の観戦チケット販売に
採用されるなど、利用者のすそ野は現在も急拡大している。

PeaTiXの利用が増える仕掛けとして、ソーシャルネットワークサービスとの親和
性の高さがある。設計時からTwitterやFacebook、ブログでイベント情報を告知
してもらうことを前提に設計されたため、「SNSで告知するにはPeaTiXが良い」
という評判が立ち、次々とイベント情報が登録されるようになっている。

3)サービス開発に向けて
通常のシステム開発では、まず要件定義と呼ばれるサービス設計やシステムの
ロジックを構築する手法が一般的だが、PeaTiXでは最初にサービスのユーザー
インターフェイス、いわゆるユーザーが触れる部分からつくり始めている。
「最初にシステム仕様を決めてしまうとシステムありきになってしまい失敗す
る。スタート時からユーザーに受け入れられるサービスを構築するには、見た目
から考えていくべき」と開発者は考えた。
デザインやシステム開発はすべて自社内で行ったが、ユーザーエクスペリエンス
に重点を置きつつ、システム開発をスピーディーに進めるため、審査の厳しい
日本のクレジットカードの決済処理は使わず、外資系のサービスを利用。サーバ
もホスティング型ではなく、すぐに使えるクラウド型を採用した。
スタートアップから強力なチームで開発を始めたことが、スムーズなサービスイン
を成功させた要因だ。
一般的に新しいネットサービスは、システム自体が不完全でも、スピード最優先で
リリースされるケースが多い。しかし、PeaTiXの開発チームは「ベータ版でも
よいから、とにかく早く世に出そう」という気持ちを押さえた。
「ユーザーインターフェイスへの徹底したこだわりと、リリース当初から高品質
のサービスを提供する」という理念を徹底的に共有し、細部まで納得するまで
つくり込んだ。

ソーシャルチケッティングは、ここ数年のデバイスとソーシャルネットの基盤拡大
に伴い、ビジネスとしての有効性が高まったものと思う。この種のビジネスモデルは
我々の周辺に多くあるものの、それを具体化するまでに至っていないものも
少なくない。その意味で、「温故知新の新しいビジネスモデル化」の先例として、
考えてもらえれば、と思う。
また、PeaTiXの事例は、その販促の手法、開発の手法は、従来の考え方を改め、
今後の同様のサービス開発の手法として、深く認識すべきことが少なくない。

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