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2014年1月11日

2014.01.11

ソーシャルメディアの深化

世界中のモノがインターネットにつながり、有機的な連携が進めば、ネットワークによ
る新しい未来像が見えてくると言われる。
地域社会、政府、医療、教育、働き方のみならず、生活様式の質も変化している。BY
ODの動き、スマートフォン、タブレットなどの進化でパソコンから脱却した仕事の形が
できてきた。いわゆる9時から5時まで、かつ監督者が目の前にいて仕事をするというや
り方ではなく、地球時間に合わせた働き方が、そこにある。
ビデオの技術が大きく進展したことで、コミュニケーションの可視化が進んだ。ワーク
スタイルの革新は、ビデオ技術が1つの推進力になっている。在宅勤務、テレワークな
どは、企業のパソコンを従業員の自宅、あるいは遠隔地に置いて、電話、メール、音声
中心だったものが、ビデオで実際に対面している状態を疑似的に作り出せるようになっ
た。人とのつながりは、格段の深化を魅せている。
地域社会では、防災、絆の再生、観光振興など、さまざまな目的でツイッターやフェイ
スブック等のソーシャルメディアの積極的な活用に乗り出すケースがさらに
増加している。中には各ソーシャルメディアの特徴を見極めて目的や対象ごとに
使い分ける事例も登場するなど、活用法は日々深化を続けている。しかし、情報の整理
や信頼性の確保、単なるツールとしての使用など、ソーシャルメディアが持つ課題
も明らかになってきている。

1.地域活性化への活用
困難な経済社会状況が続く中、行政、非営利団体、社会的企業などの垣根を超えた連携
を生み出し機能させることで、地域活性化を実現するにはどのような工夫が必要なので
あろうか、最近、特に、考えさせられる。
しかし、全国各地で取組まれている地域ツイッターや地域SNS、地域フェイスブックの
活動事例やさらに震災時におけるソーシャルメディア活用についての情報も考えると
ソーシャルメディアの活用方法の多様性は広がっており、その活用から相互の気付き
が出て来ると思われる。

・キーワードは、地域コミュニティ創り
今後は、地域コミュニティが人と人とをつなぐ「ハブ」になる。
さらに、人々が価値観でつながり合う関係のハブとなるのは企業も含めた更なる広がり
を見せている。
また、逆説的なことに、地域コミュニティ、地方公共団体もハブになるとも考えられ、
今、各地で進められている協働事業は、その基盤創りとして、ソフトとハードの
キッカケ創りとなるはずである。
物理的移動が困難だった近代以前は、地域コミュニティは、地域特性を共有した人々
の間で、成立する局部的な脆いつながりであった。
しかし現在、人々がどこに住むかを積極的に選べるようになったことで、どの地域
コミュニティに愛着を持つかは人々の価値観の反映になり、それを反映した地域の
ブランドアイデンティティが生まれてくるようになっている。
今後、団塊の世代が引退して、都市圏から地方に移住したり、逆に都市圏に流入する
ことを通じて、各地域のブランドアイデンティティが形づくられるようになり、そこに
できたつながりを強化するための、オンライン地域コミュニティが地方公共団体をハブ
に立ち上がっていくかもしれない。
また、他にも、大学などの教育団体、NPO、政党、宗教団体もそうしたハブの中心と
しての役割を果たすようになり、それぞれのコミュニティが立ち上がっていくと
思われる。

2.企業とのつながり
企業と消費者とがつながりは、益々、深化し、こうしたつながりの普遍化によって、
ハブとなる企業の組織のあり方も徐々に変わっていく。
企業といっても、実際には個人の集合体であり、企業に属する個人が企業という
ハブを通じて、企業やブランドに関心を持つ個人とどうつながっていくかという
問題意識が最近とても強くなっている。
既に、IBM等のグローバル展開する企業では、明確なコンセプトを打ち出し、この
環境変化に組織、社内ルール、社員の意識などの改革を進めることで対応しようと
している。
つまり、企業と消費者個人のつながりだけではなく、企業内の個人が会社やブランド
というハブを通じて、どのように消費者とつながりを持ったらよいのかという考え方
が基本にある。まだまだ、一部先進企業での取り組みにすぎないが、この流れは
今後強まっていくと考えられる。

・ベースとなるのは、ICTの進化
最近の流れから、ICT進化には、3つの潮流がある。
まず「ITのコンシューマライゼーション」。BYOD、スマートフォン、タブレットなど
の発展により、企業の生産性が向上する。2つ目は、クラウドにより企業が無限の
柔軟性、データ容量を持ったこと。これは、資金的に劣る地域の活動団体にも、
大きな力となる。3つ目が「あらゆるモノとのつながり」化である。
コンシューマー化で生産性が向上し、クラウドは経営効率を改善したが、これは、
人、ビジネスプロセス、データまでを組み合わせて利用できるのだから、接続される
のがThingではなくてEverythingとなる。まったく新しい価値を創造でき、新しい
ビジネスモデルが可能となるはずである。

3.これから考えるべきこと
ソーシャルメディアの深化に伴い、更に、深く関わり、企業も地域も考えなくては、
ならないのが、「人とのつながり方の深化」である。
地域活性化でも、一時流行った地域SNSも、まだ、十分なハブとしての役割を
果たしていない。これは、多くの企業でも言える事で、ソーシャルメディアも
ツールとしての機能と役割しか果たしていない。
いずれにしても、ソーシャルメディアを活かす手法が、まだまだ、不十分なのである。

・「ソーシャルメディア進化論から」思うこと。
以前に、このブログでも、取り上げたが、それを再掲する。20年近い研究から、
「ソーシャルメディアの活かし方」の気付きがあるのではと思う。

例えば、関連俯瞰図化、活性メンバーの存在、20名の法則 等
ーー本書では、ソーシャルメディアの地図として、縦軸にネットワークの
「拠りどころ」を、横軸に「求めるもの」を置くことで4つのエリアで
捉えていく。 単純な図だが、これによって4つの象限エリアを見える
ようにして、どこにどのようなはたらきかけをすれば、重複と過疎化を
排除する「集合知」が活性していくかを定められるようになった。
ネットユーザーが匿名性がいいのか実名性がいいのか、関係構築を図りたい
のか、情報交換だけをしたいのか、この4象限がその濃淡をあらわした。
全体を俯瞰するだけでは、見えてこないユーザの想いを絞り込むことは
マーケティングとしては、重要である。これは、地域活性化でも、同じ。

Webの進化により、社会や市場の環境が急激に変わる中、企業サイトも
「よいコンテンツ」があれば、成果の出る状況から変化している。
こうして2007年、花王は第3世代の「場の時代」に移行することを
決める。それがエイベック研究所が開発した、企業と顧客が双方向で対話
する企業コミュニティだったのである。
企業コミュニティの基本戦略は、企業の公式サークルとはべつにユーザー
サークルを次々につくりあげていくというものだ。
企業コミュニティのモデルを作り上げるまでにも、龍安寺の石庭や茶道からの
アイデアが活かされている。

コミュニティがうまく活性化するには、「役割の設定」と「報酬の設定」
が必要と考えている。ブラクティスとインセンティブである。しばしば報酬
(インセンティブ)ばかりが重視されるけれど、実はコミュニティにおいては
参加者に役割(プラクティス)を与え、それにやりがいを感じてもらうこと
がもっと効果的なのである。
また、参加者のなかに“活性メンバー”を発見することも欠かせない。
ふつう、どんなコミュニティでも活発な発言者はせいぜい5パーセントくらい
なものなのだが、この5パーセントこそがその場の命運を握るのだ。
かれらは他者のために「もてなし」をしたい“活性メンバー”なのである。
つまりこの利他的な連中こそがネットワークの“ハブ”なのだ。
エイベック研究所ではこれを「サポーター」と名付け、その正体をつきとめる
ことに全力を上げた。ドクターシーラボが化粧品の通信販売を14億円に
延ばしたときは、「ミッピイ」さんというサポーターが大きな“ハブ”の
役割を果たした。
これを社会学やマーケティングでは「関与モデル」の活性化という。
自分が関わっている出来事や変化が「わが事化」すること、それが
「関与モデル」の一騎当千の作用力なのである。

また、このモデルをビジネスモデル化するために、顧客が企業にもたらす
継続的な価値を、マーケティングの用語ではLTV(ライフタイムバリュー)
という。文字どおりは顧客生涯価値だが、その顧客がブランドにもたらした
利益を累計したものをさす。そこにブランドに対するロイヤルティ(帰属意識)
が見える。だからLTVを高めることは企業の市場命令だ。
そのために、顧客が何をもってブランドに満足しているかのかを、詳しく
知る必要がある。顧客満足度の特性をつかむ必要があるからだ。
そこに企業コミュニティが機能した。
そして、企業コミュニティが機能しただけでは、そこでLTVに見合うことが
どのようにおこっているのかは、まだわからない。そのためエイベックでは
コミュニティ活動におけるKPI(Key Performace Indicator)を測ること
にした。交流量と感謝量の両方のインディケータで満足感や帰属感を推計
するものだ。
これにより、企業コミュニティのマネタイズ・モデルが可能となる。

企業コミュニティを成功させ、マーケティング効果を収めた秘訣のひとつに
「20名の法則」の発見があった。ユーザーとユーザー、企業とユーザーと
事務局の関係構築には、その場がどのように活性化するのか、その具合を適確
につかむ必要があるのだが、エイベックはおよそ参加ユーザー20名前後の
ところで、その場が急に不活性になることをつきとめ、これを超えると
「思いやり」がゆきとどかなくなるだけではなく、かえってマイナス効果も
生じることに気がついた。ーー

本書は、ビジネスの視点で、書かれているが、地域活性化でのコミュニティ
創りでも、考え方は、同じである。
ソーシャルメディアは、機能的に深化し続けるであろうが、人の行動と想いを
更に、深く考え、その資質を如何に上手く活かすことが、今後重要な視点となる。
企業も地域もまだまだ、その深さに達していない。

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