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2014年2月1日

2014.02.01

オープンデータの活用、地域活性化にどう活かせるか?

最近、ビッグデータがビジネスとしての活用環境も整ってきたことからか、
様々な分野での注目されている。今回は、少し異なる視点での公共性の
高いデータ、オープンデータが国のICT活用の1つとして、かなりの
推進もしていること、データ活用の意識、環境が遅れていることへの今後の
取り組むべき課題であることなどから、考えて行きたい。

今までも、幾つかの行政の委員会などに出席をして感じるのは、行政の
保有しているデータ、情報の圧倒的な多さである。しかし、それをベースに
した事業モデル化、協働事業化、更には、データの持っている潜在力など
その活用は、ある閉鎖した世界では、使われているものの、オープンに
することにより活用の拡大を図っていく姿勢はほとんどない様である。

特に、協働などで市民、事業者と上手く課題を認識し、どのようなビジネス
モデル化を創っていく時、個人の感覚的な推進が主であり、正に「群盲、像
を、、、、、」の状態かも?しれない。

しかし、日本でも「オープンデータ」への取り組みがようやく本格化してきた。
オープンデータとは、各種組織が収集・保有・管理しているデータを一般に
公開すること、あるいは公開されたデータそのものを指す。公開対象として
最も代表的なのが、官公庁や地方自治体といった行政が保有するデータであり、
欧米でオープン化する動きが先行してきた。
2013年3月の高度情報通信ネットワーク社会推進戦略本部(IT戦略本部)
では、安倍首相からの指示として「IT政策の立て直し」が示された。目指す方向は、
各種データの収集(蓄積)、見える化、共有、連携、分析を可能にした「情報資源/
データ立国」となることである。

1.オープンデータへの高まり
インターネットの拡大やハード面での技術的にはデータの形式が整い、ビッグ
データを処理できるようになったなどの背景があるが、社会的・政策的に
2000年代前半から欧米を中心に、公共性の高い組織が持っているデータを
より使いやすい形で公開していこうという取り組みが始まった。
特に2009年、アメリカのオバマ大統領が就任したときに「オープンガバメント」
という概念(透明性、参加、協働)を強く打ち出したことが大きい。
公共機関のデータを活用する目的としては、三つに整理される。第一に、政治や
行政の透明性を高めて民主主義の質を向上させること。第二に、民間の参入や官民
の連携による行政サービス効率化や質の向上を図ること。第三に、新しいビジネス
を生み出して経済を活性化すること。公共機関は多種多様な価値あるデータを
持っており、「それが新ビジネスの源泉になるのではないか」という第三の目的
への期待は、日本でも非常に高い。
今までよくいわれていた情報開示は、政府の側が透明性を高めるまでの話だが
オープンデータはそこから先の参画・協働など、むしろ市民の側からアクション
を起こそう、ということ。
日本政府もデータを開示するところまではかなり努力してきたが、「もっと
使いやすくするためにはどうしたらいいか」まではあまり考えていなかったので、
そこを促そうということになる。まさに市民や企業がオープンになったデータを
どう活用するか、ということがポイントとなる。

しかし、個人情報の観点からは、様々なデータを掛け合わせることで知られたく
ないことが知られるようになってしまう可能性もあり、どのデータがそうした
問題を引き起こすのかはなかなかわからないので、市民と相談しながら活用法
を検討したり、苦情を受けつける窓口を設けたりする必要はある。
多くの行政がこの1歩を踏み出せないのも、現状ではあるが。

今、日本の行政のデータは、そもそも営利利用を禁じていたり、連絡をしてから
でないと使えなかったり、利用に対して細かい条件が設けられている場合が多い。
まずは、面倒を起こしたくないという行政側のマインドを変えていく必要がある。
安全装置をつくったうえで行政は誠実に情報を公開し、使う側は自己責任で情報
を扱う。そんな割り切りが日本でもできるようにならなければいけない。

オープンデータを活用した街づくりが広がるには、データを「出しているけれど
使いにくい」という問題を解消する必要がある。まずはどんなデータを持っているか
棚卸しして、どこに何があるか、カタログ化する。このへんは自治体によって
まだ差があるが、鯖江市、千葉市のように先進的な自治体も徐々に増えている。
あわせて、先程の様なマインドも変えなければならない。
オープンにするリスクを考えるのではなく、オープンにしないことのほうが、
この先まったく市民による参画も協働も得られなくなり、はるかにリスキーだと
考えるようになる必要がある。(多くは、厳しいが?)
また、市民や事業者からも積極的な関与をすべきでもある。

2.オープンデータ化の現状
国と先進自治体からのコメントを記載する。
①電子行政オープンデータ戦略(平成24年07月04日)<概要 参照>
http://www.kantei.go.jp/jp/singi/it2/pdf/120704_siryou2.pdf
・オープンガバメントの推進に当たっては、公共データは国民共有の
財産であるという認識の下、公共データの活用を促進するための取組に
速やかに着手し、それを広く展開することにより、国民生活の向上、
企業活動の活性化等を図り、我が国の社会経済全体の発展に寄与する
ことが重要であるため、公共データの活用促進のための基本戦略とし
て、「電子行政オープンデータ戦略」が策定された。
・意義・目的
1.透明性・信頼性の向上
公共データが二次利用可能な形で提供されることにより、国民が自ら又は
民間のサービスを通じて、政府の政策等に関して十分な分析、判断を行う
ことが可能になる。それにより、行政の透明性が高まり、行政への国民
からの信頼を高めることができる。
2.国民参加・官民共同の推進
広範な主体による公共データの活用が進展し、官民の情報共有が図られる
ことにより、官民の協働による公共サービスの提供、さらには行政が提供
した情報による民間サービスの創出が促進される。これにより、創意工夫を
活かした多様な公共サービスが迅速かつ効率的に提供され、厳しい財政状況、
諸活動におけるニーズや価値観の多様化、情報通信技術の高度化等我が国を
取り巻く諸状況にも適切に対応することができる。
3.経済の活性化・行政の効率化
公共データを2次利用可能な形で提供することにより、市場における編集、
加工、分析等の各段階を通じて、様々な新ビジネスの創出や企業活動の効率化等
が促され、我が国全体の経済活性化が図られる。
また、国や地方公共団体においても、政策決定等において公共データを用いて
分析等を行うことで、業務の効率化、高度化が図られる。
・基本原則
我が国において公共データの活用の取組を進めるに当たり、次の1.から4.までを
基本原則とする。
1.政府自ら積極的に公共データを公開すること・・ 本質的には原則公開!
2.機械判読可能な形式で公開すること ・・・ 2次利用が安易!
3.営利目的、非営利目的を問わず活用を促進すること・・ 利用制限をつけず!
4.取組可能な公共データから速やかに公開等の具体的な取組に着手し、成果を
確実に蓄積していくこと ・・・ まず実施!
(以上)
・「オープンデータ流通推進コンソーシアム」の設立(総務省、平成24年7月27日)
http://www.soumu.go.jp/menu_news/s-news/01ryutsu02_02000047.html
総務省は、関係府省等とも連携しつつ、各分野内で閉じた形でのみ利活用されて
いるデータを社会で効果的に利活用することのできる環境の整備に向け、
「オープンデータ戦略」を推進しています。本日(7月27日)、オープンデータの
流通を促進する環境を整備するため、産官学が共同で取り組む活動母体として
「オープンデータ流通推進コンソーシアム」が設立されましたので、お知らせします。

・白書や統計などの公表データがより一層活用しやすくなります~オープンデータ
実証用サイト「Open DATA METI」(β版)の公開~(経産省 13/01/28)
http://www.meti.go.jp/press/2012/01/20130128006/20120128006.html
以下に、地方自治体におけるオープンデータ活用事例がまとめられています。
・自治体におけるオープンデータ活用事例(itmedia 13/01/10)
http://blogs.itmedia.co.jp/business20/2013/01/post-97ab.html
 この中で先駆的な地方自治体の一つが鯖江市の「データシティ鯖江」です。
・データシティ鯖江(XML,RDFによるオープンデータ化の推進)
http://www.city.sabae.fukui.jp/pageview.html?id=11552
鯖江市では、ホームページで公開する情報を多方面で利用できるXML,RDFで積極的に
公開する”データシティ鯖江”を目指しています。 近年、欧米各国を中心として、
電子行政の新たな手法として、行政機関がウェブを活用して積極的にデータの提供
や収集を行うことを通じて、行政への国民参加や官民協働の公共サービスの提供を
可能とし、促進して行こうとする「オープンガバメント」の運動が起こって
きています。
日本でも経済産業省が、「オープンガバメントラボ」というサイトを設け、開かれた
政府(オープンガバメント)の実現を目指し、実証を行っています。
鯖江市でもこの方向性を受け、できるところから、取り組んでいきます。
また、01月25日には、千葉市、福岡市、奈良市、武雄市の4市長がオープンデータ活
用推進協議会を立ち上げたところです。
・武雄・千葉・奈良・福岡の4市がオープンデータ活用推進協議会
(日経BP 13/01/28)
http://itpro.nikkeibp.co.jp/article/NEWS/20130128/452381/?mln
等がある。

②日本においても、オープンガバメントの運動が起こりつつある。
・『ガバメント2.0 市民の英知が社会を変える』
  NHKテレビ「クローズアップ現代」2013年4月1日放送
 http://www.nhk.or.jp/gendai/yotei/index_yotei_3326.html
 米国フィラデルフィア市や千葉市の事例が放送されました。
・千葉市版
 http://www.city.chiba.jp/somu/joho/kaikaku/bigdata_opendata_tv20130401.html<
/a>
・FixMyStreetとは
 http://okfn.jp/2013/04/01/fixmystreetjapan/
英国のmySocietyが開発したアプリケーションで、道路施設の破損や
不法投棄などに気づいた市民が報告し、行政はそれを見て必要に応じた
対応を行う仕組みです。ガバメント2.0あるいはオープンガバメントを
実現するツールのひとつに位置付けられます。
日本でもmySociety 版に触発されたFixMyStreet Japan がWeb版、
Android版、iOS版ともに札幌のダッピスタジオによってフルスクラッチで
開発され、現在無料で誰でも使えるようになっています。
ただし利用を開始するにあたっては、予め市民と行政の双方でその目的や
趣旨を共有しておく必要があります。

③地方自治体で先行している福井県鯖江市モデル
鯖江市モデル
 http://www.city.sabae.fukui.jp/
牧野市長、牧田課長そして地元のICT人材福野氏という関係が「鯖江モデル」
を創り出した。
・「データシティ鯖江」
 http://www.city.sabae.fukui.jp/pageview.html?id=11552
福井県鯖江市が比較的早くから、市内のトイレ、各種施設の場所などの
データ公開を進めてきた。同市は「市民主役条例」(注1)を施行するなど、
市民・行政一体での街づくりを志向している。市民と一体となった街づくりを
進めるうえでは、市民と行政の情報共有が欠かせない。また、行政課題を
ITを使って解決するなどIT活用を進め、「ITを、メガネ、繊維、漆器に
次ぐ鯖江第4の産業にしたいとの思いもある」(鯖江市政策経営部情報統計課
の牧田 泰一氏より)。
・以下鯖江市ホームページより
鯖江市では、ホームページで公開する情報を多方面で利用できるXML,RDFで積極的に
公開する”データシティ鯖江”を目指しています。
近年、欧米各国を中心として、電子行政の新たな手法として、行政機関がウェブを
活用して積極的にデータの提供や収集を行うことを通じて、行政への国民参加や
官民協働の公共サービスの提供を可能とし、促進して行こうとする「オープン
ガバメント」の運動が起こってきています。日本でも経済産業省が、「オープン
ガバメントラボ」というサイトを設け、開かれた政府(オープンガバメント)
の実現を目指し、実証を行っています。
鯖江市でもこの方向性を受け、できるところから、取り組んでいきます。

3.オープンデータ、その事例と今後の進め方
1)千葉市での事例と今後の想い
市長を中心に、身近なことから始めるスタンスで推進している。
1)「ちばレポ」、「ちば市民協働レポート実証実験」
スマートフォンなどを利用した「ちばレポ(ちば市民協働レポート実証実験)」が
始まっている。「行政が保有するデータを二次利用が可能な形で公開し、社会が
効果的に利活用できるようにすれば、新たな価値が創造できる」という基本がある。
本実証実験は、市民と行政がともに取り組むことで、スピーディーで低コストの
課題解決を目指している。従来は緑地帯へのゴミの不法投棄とか、公園の遊具の
破損などがあった場合、自治体がパトロールなどをして発見し、撤去や修理等の
対応をしてきた。「ちばレポ」では、そうした問題を発見した市民には直ちに
スマートフォンなどを使って写真付きで投稿してもらう。その内容を市が分析し、
検討したうえで速やかに対応しますので、将来的にはパトロールの人件費も削減
出来る。投稿されたレポートは、「受け付けました」「対応しています」「処理
しました」と進捗状況がオープンになっており、投稿して下さった方はもちろんの
こと、一般の方誰もが市の処理状況を確認してもらう仕組みになっている。

また、千葉市内で飲食店が開業や廃業をする際には、管轄する保健所に届出等の
義務があるが、この情報を、ネット上にある数多くの飲食店情報サイトと共有
できれば、最新かつオフィシャルな情報が即時にアップされ、利用者にとっても
非常に便利ですが、現状ではまだ計画中とのこと。また、市は土地のボーリング・
データを持っており、市内の地質データをオープンにできれば、隣接する土地の
開発を手掛ける企業にとって、基礎を造るときにどの程度費用がかかるかな
ど参考にでき有益となる。
さらに、浸水・土砂災害などのハザードマップ情報やAEDの設置場所も考えられる。
既に各自治体がネットで公開していますが、情報の出し方がまちまちです。これらを
統一して、何らかの有効なアプリを開発すれば、全自治体の情報が一目瞭然になり
使いやすくなる。
市としては、1つひとつ事例を作っていく必要があると思っている。

2)今後の進め方
オープンデータの活用は、まだ始まったばかりである。
このため、一番重要なのは、千葉市長も述べているように、「1つひとつ事例を作って
いく」ことにある。これには、行政側の意識改革が必要であるが、それを
後押しする市民側の積極的な提案もまた重要なポイントとなる。
その実施のためには、以下の2点への考慮をしてもらう必要がある。
①データを使いやすくするしくみ
アイデアを絞り出す「アイデアソン」のような、街づくりに関心のある多様な人
たちが集まってコラボするしかけは有効であり、新たな発見や出会いがあり、気分が
高揚して、満足感は高い。その際、アプリを開発するエンジニアも最初からメンバー
に入れるなど、次の行動につなげる継続的な組織運営が必要。
②ICT活用
オープンデータの利活用にICTは欠かせない。しかし、行政メンバーや市民も含め、
ICTを効率化のためのツールとだけ捉えるのではなく、ICTによって新しい価値を
創造できる、と考えてもらう必要がある。「ICTエンジニアに、もっと街づくりで
力を発揮してもらったら、すごいことができるかもしれない」という期待を持って
もらえる様な環境作りが必要でもある。

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