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2014年4月12日

2014.04.12

中小製造業でも3Dプリンターを意識する時期かも?

3Dプリンターは、個人的なレベルでの拡大がメディアで
喧伝されており、一部の人からは、異常と言われているようである。
1990年代のインターネットの黎明期には、同様の現象があったのも、
既に、過去の話になっているようではあるが、事実である。「インターネットは
空っぽの洞窟」など、セセコマシイ指摘はあったものの、今の現状はどうで
あろうか?既に生活の一部に成りつつあるのも事実である。
3Dプリンターも同じ流れの中にあるのでは?と個人的には、勝手に思っている。
そして、コレは中小企業としても、意識する時期に来ているのでは、ないだろうか。

1.全体状況を概観する。
2014年度から5年間計画で始まる国家プロジェクトでは、産業用3Dプリンターの開発
プロジェクトに、40億円が予算計上され、装置開発から、公設試験場や教育機関への
設備導入支援も進められている。人材育成や企業のあり方など、国による施策
も具体化してきた。
レーザービームまたは電子ビームの金属3Dプリンターと、鋳造用型を作製する
3Dプリンターについて、世界最高レベルをめざすのも、その一つである。
また、企業レベルでも、3Dプリンティング技術の活用新規事業・商品を素早く
生み出すための試作工房を立ち上げたり、金属積層造形による高付加価値部品
の実現を目指した入りしている。
具体的な動きとしても、金属部品や組立品の製造を手掛ける中国企業が、
日本企業の「レーザーによる金属粉を溶融しながらの積層造形と切削加工に
よる仕上げを組み合わせた工作機械を導入し、複雑な形状の金型を高速に
製作することにより、優位化を図ろうとしている。
産業レベルでも、大きく深化しつつある様である。

1)3Dプリンター概況
専門レベルでは、AddictiveManufacturing技術として7つに分類される、とのこと。
詳細は、専門家に任せるが、低価格向けとしては、「材料押出システム」が一般的。
金属部品、樹脂部品のいずれにも対応できる「粉末床溶融結合システム」と
金属部品が中心で今後の直接ものづくりに有効な「指向エネルギー堆積システム」
がある。

2)3Dデータ作成とデータ共有化
ものづくりが一般消費者まで含め、拡大するためには、3Dデータの積極的な
活用が必要である。
そのため、3Dプリンティングの実力を引き出す、新データフォーマット
Amf(Additive Manufacturing Format)の標準化が米国を中心に進んでいる。
また、関係する動きも出てきている。
・シェアードメッシュの様に3Dデータ販売サイトもある。
  http://sharedmesh.com/
・3Dプリンターのオープンソースを創るコミュニティが出来ている。
RepRap   https://www.facebook.com/ReprapCommunityJapan
RepRapは要請されて開発者が集まったわけではなくて、3Dプリンタが面白いから、
これをやってみたいという人たちが集まったコミュニティー。自分が作りたいから
みんなコミットメントしているし、作ったものはみんなに見せたいからコミュニティー
に見せてフィードバックを受ける。そうした本能的なものがベースにあるので、
その流れで起業する人もいれば、趣味でやっている人もいる。

3)マーケットプレイスの拡大
ShapeWays、Thingiverse、Rinkak、テックシェアなど国内サービスも含め
更なる拡大をしている。
①ShapeWays http://www.shapeways.com/
3Dプリントサービスが主である。
ユーザーはウェブサイトを通じて3Dプリントを1個から依頼することができる。
製造されたオブジェクトは約2週間ほどで発送され、世界中どこからでも製造
を依頼することができ、格安で利用することができる。3Dプリンターを
持たなくても高品質の3Dプリントが行える。
3Dプリントができることはわかったけど、3Dテクノロジーでデータを作ること
ができない。そんな人のために3Dデータを作るためのアプリが用意されている。
CADの知識がない人でも簡単にデータを作成することが出来るようになっている。
シェイプウェイズには約1万のショップがあり、毎月約6万点の新しい3Dデータ
が投稿されていえう。
https://www.youtube.com/user/Shapeways
②Rinkak
https://www.rinkak.com/
国内でもシェイプウェイズのようなマーケットプレイスを開発する動きが起こって
いる。
デジタルモノづくりマーケットのrinkakは3Dデータの作り手と、ユーザーがつながる
マーケットプレイス。デザイナーは制作した3Dデータをアップロードし、
ページを訪れたユーザーがその商品を気に入れば、購入ボタンをクリック。
データは提携工場へとと送られ、製造が始まる。デザイナーはデータが購入される
ごとに報酬を受け取る。

rinkakやシェイプウェイズなどのデータを販売できるマーケットプレイスが
充実することで、データをユーザーに販売することがもっとカンタンになる。
モノはデジタルになり、アプリを作るように、モノを作れるようになった。

3Dプリントされた製品を販売するマーケットプレイスとしては、基本的に
二つのパターンに分かれる。
一つはShapewaysのように多数の3DCADデザイナーたちを集めたサイトで、
様々なデザインやいろいろな種類の製品が並んでいる。もう一つは、特定分野
の商品に特化して販売しているサイトである。
特定分野に特化している場合、1人ないしは数人のデザイナーが職人レベルに
仕上げて商品を提供しているのが特長となる。

3Dプリント販売に大手が続々と参入する傾向は今後もますます拡大する。
特に大型小売店や、大手メーカーの参入が加速すると思われる。こうした企業は
既に多くの顧客を抱えているだけではなく、製品開発に関わる体制や、販売
ネットワークを既にもっているためだ。
将来的に生き残る企業は、アマゾンのような多数の3DCADデザイナーとユーザー
を集めた巨大なマーケットプレイスか、製品ラインナップを多く持つ大手メーカ
ーか、リアルな世界で巨大な顧客層を持っている大手小売りチェーンの3つ
に集約される。
Amazonが個人向け低価格3Dプリンタを扱う「3Dプリンタストア」をオープン
したのもその流れの表れかもしれない。
従来からの3Dプリント製品の販売サイトは、特定分野に特化しない限り生き残り
は難しい。ここでも、インターネット拡大に伴う様々なビジネスの盛衰と同じ
ことが起きると思われる。
こうした個人レベルのものづくり、すなわちパーソナルファブリケーションが
進むと、多くのアイデアやデザインを表現することに能力を発揮するデザイナー
の登場をますます加速させる。すでに大手以外で3Dプリント技術を利用して
カスタムメイドの製品を作り始めているデザイナー集団も登場してきている。
これからの時代は超大手か、職人レベルに特化したデザイナーの二つに分かれる。

4)クラウドソーシング
データを創る人、具体的に形にする人のマッチングの仕組みであるが、3)項の様な
大手と特化型サービスの2極化が進むのであろう。

①3Dプリンター特化型クラウドソーシング「CowFab」
海外ではoDesk、国内ではランサーズやクラウドワークス等で活気づいているクラウド
ソーシングサービスだが、3Dプリンティングに特化したクラウドソーシングサービスが
登場している。3Dプリンターで出力したいデータをサイトにアップロードすると
複数の3Dプリント業者から出力するための費用見積もりが提示される。
取引額の5%がCowFabの手数料として発生するビジネスモデルだ。
この様に、国内で工業製品向けのハイスペックな3Dプリンターを保有している企業
でも、常にそのプリンターは稼働している訳ではなく、個別に出力を請け負った
りもしている場合がある。最先端の高額な3Dプリンターを保有していても、稼働
せずに休眠状態にあるのであれば、自社製品のプロトタイプ作成だけではなく、
このような外部からの受注を個別に受けて3Dプリンターを稼働させるのも有り
なのかもしれない。国内でも似たようなサービスが最近はじまっているので、
今後は3Dプリンターを持っていない人でも、データさえあれば3Dプリンティングを
気軽に試せるようになるかもしれない。

②クラウドソーシングでも、3D関連が増加
クラウドソーシング大手「freelancer」が、2013年第2四半期で、伸びている仕事
の受注件数トップ50について詳細データを発表した。
1位は、イラストレーターを使ったデザインの仕事が19,7%増、フォトショップデザイ
ンが僅差で続いて19.4%増。続いて、3Dレンダリングが17,3%増、3Dモデリングが12,5
%増、3Dアニメーション製作が11,7%と続いている。
③「地域のホームセンター」の可能性
カインズホームなどを含め、ホームセンターで「工具レンタル」を行っているところ
がある。
場所によっては工作室を完備しているところもあり、これまでの「消費拠点」が
これから「生産をする現場」へと進化して行く可能性もある。
地域のコワーキングスペースやコミュニティー、3Dプリンタを持っているような個人
が、地域のホームセンターと密接な連携すれば、可能かもしれない。

5)クラウドファンディング
3Dプリンターを皆で開発する、そのための資金集めには有効である。
kickstaterで様々なプリンター開発が盛んである。
https://www.kickstarter.com/projects/
3DベースのロボットRAPIROの製作者の弁。
「一番のポイントは、Kickstarter上に新しいことに挑戦する人たちを応援し、それを
見守ってくれる 文化があることです。RAPIROも、配送が当初の予定よりも遅れるなど
のトラブルが発生しましたが、トラブルが発生したことやそれに対してどのように対処
しているのかをきちんと説明すると、ほとんどの人が理解を示し、温かい応援のメッセ
ージやコメントを送ってくれました。開発者が最善の努力を尽くし、支援者もプロダク
トを期待しながら待ちわびている様子は、作り手にとってとても嬉しい開発環境だと言
えます。また、ユーザー同士のコミュニケーションも活発で、ユーザー同士で質問
しあったり議論したりするのも、この文化があるからこそだ。」

6)3Dプリントサービス
3Dデータをもらったら、それを作り出す、または、具体化するための
支援をする。
3D出力サービスの発注手順は、おおむね下記の通り。選べる素材が異なる他、サービス
にもそれぞれ特徴がある。キンコーズは写真から立体的なレリーフを作製する「3Dフォ
トレリーフ」も提供。オフィス24はパ ーソナル3Dプリンターのセルフ化にも乗り出し
た。DMM. comは、米シェイプウェイズなど、海外のサービスと同等の安い価格を打ち出
す。3Dデータの出力環境は、2013年春以降急速に向上している。
見積もり・発注から受け取りまで
・素材やサイズでサービスを選ぶ
・3Dデータをネットで送信、あるいは店頭持ち込み
・見積もりを確認してから発注
・納期日に造形物を郵送あるいは店頭で受け取る

①東京リスマチック:先行してビジネス化した 豊富な経験が強み
http://www.lithmatic.net/
納期/5営業日以内  3Dデータのオンライン入稿に対応するとともに、東京駅に程近い
千代田区内神田で「立体造形工房 神田」を運営する。3D出力の相談やデータの持ち込
みにも対応するカウンターを備えた工房で、間近に稼働中の業務用3Dプリンターを見る
ことができることから、東京への出張の際に、見学も兼ねて訪れるビジネスマンもいる
という。サービスはアクリル樹脂で出力する「ハイエンド立体造形出力」と
石膏フルカラーで出力する「フルカラー立体造形出力」の2系統。業務用3D
プリンターは、アクリル対応4台と石膏対応1台を備えているが、近く新型機の導入
も計画している。

他にも、
②DMM.com:海外サービスと同等の安さ、3Dデータの造形販売も行う
③オフィス24:3D出力の総合サービス CubeXをセルフで利用可能
④ソライズプロダクツ:3Dプリンターの可能性が よくわかる必見サイト
⑤ラズクリエイティブ:出力素材を開発協力 3D出力サービスの草分け

7)ものづくりの拠点作り
ファブラボ、など町の中に、自分で製作出来る拠点作りが、3Dプリンター
スキルのアップに向けて必要となる。
http://fablabjapan.org/
FabLab Japanは、私たちが住む日本にもファブラボを設立し、「つくる文化」
や「つくる技術」を広めていくことを目標に、2010年春に活動を始めた。
ファブラボとパーソナルファブリケーションの可能性を広く伝えながら、
日本におけるファブラボのあり方についての検討を行っている。
現在は、国内外のファブラボで行われる活動をつなぐ枠組みとして、
以下の3つを軸にした活動を行っている。
①国内のファブラボや関連施設の連携:共同プロジェクトの推進
②世界のファブラボとの交流:人の派遣や受け入れ
③ものづくり知識の共有と情報発信:ウェブサイトの開発/運営

8)ものづくりのプラットホーム化
日本版Quirky「Wemake」β版がオープンし、21世紀のものづくりのインフラ
を目指している。
https://www.wemake.jp/users/sign_up
その概要
①開発したい商品アイデアの実現をサポートしてくれる商品開発プラットフォーム
②2013年11月にサービスをオープン、1年後までに累計15個の商品を目指している
③個人でも企業でも参加可能
④現在投稿されているアイデアの閲覧や参加には、アカウントの作成(無料)が必要
⑤アイデアの審査・開発・試作・生産には、ものづくり等に関わる専門企業と提携
⑥Caro Designの山口英文さんや、発明主婦の松下夕夏さんなどがサポートメンバーに
含まれている

その仕組みは3つのステージに分かれている。
①Thinking stage
アイデアを投稿。ユーザーから一定の投票数を得ると、WEMAKEによる審査が行われる。
審査を通過すると、次のステージに進む事ができる。
②Making stage
ユーザーの協力(開発の協力、コメント、投票など)を得ながら、アイデアからプロト
タイプを作製していく。WEMAKEによる試作、量産設計、販路開拓が行われた後に、予約
ページにプロダクトが掲載される。
③Marketing stage
完成したプロダクトが、WEMAKEのショップをはじめとする全国の小売店で販売される。
また、アイデアがプロダクトになる過程で関わってきたユーザーには収益が
分配される。

2.将来の姿は?
3Dプリンターに関する講演の記事の抜粋から、今後の自社への取り組みを少し
考えてもらいたい。

ーー3Dプリンターの可能性にいち早く注目し、日本での普及に貢献する田中氏は、
「“つくる人”と“つかう人”との極端な分断によって大量生産・大量消費・大量
破棄が進んだ20世紀のものづくりの課題の反省から、21世紀のものづくりは変化
する」と語る。
3Dプリンターによってアイデアの“触れる化”が実現 田中氏は、企業による
大量生産⇒個人による適量生産、消費の楽しさ⇒創ることの楽しさの発見、
特定企業による排他的なプロジェクト⇒異なるバックグラウンドを持った全員
参加型のプロジェクトといった、社会や心の変化を若者が集う大学で
感じられるという。
3Dプリンターで何ができるのだろうか。その方向性として2つの説を紹介している。
1つ目は、製造業に新しい産業革命が起こるという説(メイカームーブメント)。
大規模な生産設備や作業人員は不要になり、1人で製造業に参加できるようになる。
2つ目は新しい情報文化が始まるという説(FabLab:ファブラボ)。情報の中にモノの
データが流通するネットワーク端末のひとつとして捉えることで社会構造が変化する。

3Dプリンターはアイデアや発想を獲得するためのツール さらに田中氏は、これまで試
作ツールでしかなかった3Dプリンターが2つの方向に進化しているという。その第1がAd
ditive Manufacturing(最終製品が製造できるツール)。金型が不要になるほどの品質
の高度化だ。第2がCreative Machine(家庭や学校などでアイデアを具現化する発想・
創造ツール)。これらは3Dデータでスケーラブルにつながり、ネット上でさまざまな情
報交換や共有が始まることで、ITと製造技術の融合、デザインと製造技術の融合(Soci
al fabric)が起こるという。また、ワープロソフトを介して文章を生み出すのと同様
に、ディスプレイを介して3Dプリンターと対話しアイデアや発想を獲得するためのツー
ルとして考えるべきだという。
例えばFabLabは、世界60カ国250箇所でネットワーク化された地域の市民実験工房と
して利用されている。そこでは、3Dプリンター以外にも大小のミリングマシンやレーザ
ーカッター、デジタル刺繍ミシン、3Dスキャナーなど、さまざまなデジタル工作機械が
設置され、小学生から大学の研究者まで多様な人々が出会い、新たに生まれたニーズの
可能性を形にしているという。
3Dプリンターのメリットは、1つからでも作ることができること、複雑な3次元形状を
つくることができること、データで遠隔地に送ることができることであり、コストが劇
的に下がるパーソナルファブリケーションが実現する。しかしそれには想像力を広げて
いくことが重要だ。」と言っている。ーー

田中氏の指摘は、3Dプリンターの製造メーカーや開発者からの話でも、徐々に実現
しつつある様であり、ファブラボ的な広がりも大学や企業の中で、進んでいる。
ただし、3Dプリンターが企画や設計、試作品開発等の各フェーズにおける作業の効率化
や品質向上に貢献することは間違いないが、3Dプリンターが企業のものづくりを変革
するという意味では「オープンイノベーションの中で有効に機能するテクノロジーの
ひとつ」である、と言う指摘もある。

3.関連情報サイト
3Dプリンターについて更に、興味を持っている方は、以下のサイトも参考になる。
・ファブクロス  https://fabcross.jp/
・3Dプリンター比較 http://3dprint90.com/
・3Dクラフト http://3-d-craft.com/
・MakersLove   http://makerslove.com/
・キーエンス  http://www.agilista.jp/
・プロトラブズ 射出成形サービス http://www.protolabs.co.jp/

いずれにしろ、1章の1)から8)の各活動が並行して深化していくことが、社会
全体にとっても必要なことかもしれない。

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