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2014年5月2日

2014.05.02

旅は人のつながりを創り、地域を創り、ビジネスを創る

最近は、インターネットの深化もあり、写真や動画、含め、世界のあちこちを
瞬時に回れる。しかし、自身の体験、体感は、単なるネットからの情報では
得られない何か?をもたらす。訪問先の持つ暗黙知、個人感覚による受け取る
情報の深さの違い。五感と単なる見るという一感覚の違いであろう。
私自身も、幾つかの旅仲間?とのつながりから年に10数回以上の旅をしている。
多いとはいえないが、この非日常性の中から、得られるものは、結構、大きい。

また、人的交流が図られ、個人レベルとは違い、地域を活性化することにも大きな
力となる。そのため各地域では独自の魅力を生かして、新たな旅行需要を喚起する
よう、地域密着型の旅行商品の開発に取り組んでいる。
特に、最近は、地元の頑張る人たちが、地域の資源を活用して、様々な形での
サービスを充実させている。
歴史的・文化的価値のある地域やその遺構、また最先端の技術を備えた工場などを
対象とした産業観光、観光資源と触れ合ったり、自然と密接にかかわり合うエコ
ツーリズムや農作業体験などを行ったりなどがある。
また、農山漁村地域において自然や文化、人々との交流を楽しむ滞在型のグリーンツ
ーリズムをはじめ、自然豊かな地域を訪れ、心身ともに癒され健康回復・増進が期待
できるヘルスツーリズムなどもある。個客向けサービスが必然の動きとなっている。

1.最近の旅の色々
個人嗜好の強くなった最近の動きとしても、海外、国内向けを含めて様々な形で、
手作り感のある新しい旅が企画され、提供されている。
①エコツーリズム
地域の自然環境に配慮しつつ地域の創意工夫を生かした自然保護をテーマにする
旅の開発。山林滞在、島周遊等もある。
②グリーンツーリズム
都市と地域資源を活かす農村の交流をテーマにする旅の開発。
農家漁業体験、農家での滞在等
③カルチャーツーリズム
世界遺産や文化財、祭りや伝統工芸、美術館・博物館やアートフェスティバル、食、
ファッションをテーマにする文化関係の旅の開発。遺跡周遊等
④産業ツーリズム
歴史的・文化的価値がある工場やその遺構、現代の最先端技術に触れる旅の開発。
工場見学等
⑤メディカルツーリズム
外国人向けの日本の最先端医療技術で治療・健診を受けられる医療の旅の開発。
海外入院、治療等
⑥ヘルスツーリズム
美容、自然、温泉、癒しがテーマの旅の開発。スパ、セラピー等
⑦スポーツツーリズム
観るスポーツ、するスポーツ、支えるスポーツをテーマにした旅の開発。
各種スポーツ観戦等

2.新しい動き
「地域資源を活かし、地域が企画し、地域が実施」に必要となるのが、旅行業の資格
と実際に地域観光素材の発掘やマーケティングリサーチ、旅行の企画、情報発信、
地域内の旅行手配を行う機能である。地域は自然、歴史文化などの優れた資源を有して
いるが、その活用は決して十分とはいえない。地域自らがこうしたマーケティング
や企画や手配、発信や営業をして客や市場の獲得というものを行ってこなかった
からでもあり、情報流通もそれほどの広がりがなかった。
しかし、最近のインターネットの拡大で、「あっても活かせない資源、どう活かす?
誰がやる?」を具体的に実現している事例が多くなってもいる。
自然(山林など)、河川湖沼(川下りなど)、海水浴、リゾート、名勝・景観(ジオパーク)
海洋資源、温泉地、温泉街・宿、まち歩き、城・城跡、歴史建造物、宿場町、坂道
観光施設、文化芸能(神楽など)、遺産・遺構(産業遺産)、伝統芸能、祭りなど
伝統工芸、水族館、動物園など、市場・食文化、駅商業施設、鉄道、遺産/船、アート
アニメ、キャラ、、、、、。

ココで、注目されるのが、「地旅」である。
地旅とは、「地域」を誇りに感じている人たちが、そこを楽しみに来てくれる人たち
のために、企画しておもてなしする旅のことで、(一社)全国旅行業協会が事務委託
した「(株) 全旅」が、地旅認定要件を満たす「着地型旅行」の中から、取扱旅行業者
の申請に応じて認定した企画旅行。
ーー地元に根付いた旅行会社だから実現できる、貴重な体験ができる地域密着の地旅を
楽しんでみませんか。旅行が好きで数多く旅行をされている方にも、なかなか旅行
に行くことができない方にも、全国各地多種多様なツアーが満載ですので満足して
いただけること間違いなし!
地元の人と交流したり、ガイドブックには決して載ることのない、地元の人もあまり
知らないとっておきの隠れスポットや、知る人ぞ知るグルメスポットなど、あなたの
旅行に今までにない感動を与えてくれます。ーーー

地旅認定の要件を見ると旅行会社が実施するとはいえ、手作り感がある。
①「テーマや目的」が明確に示されている旅行
②自然景観、生活文化、歴史遺産など、地域資源の保全に取り組んだ旅行
③地元の人たち、地域の各種団体(自治体・観光協会・NPO など)と協力して企画・
造成されている旅行
④地域の食材や伝統工芸品など、地域の物産を生かした広く地域振興に貢献できる旅行
⑤地域と密接に関係したテーマ(地元の人たちとの交流や体験機会)が設定され、
当該地域ならではの生活文化や産業などの魅力を楽しく伝えるための観光素材
(地域案内人の確保など)が含まれている旅行

地旅の事例
①ヴォーリズ建築を見学
琵琶湖汽船のmegumiでヴォーリズのガリラヤ丸に見立て琵琶湖を渡り、ヴォーリズ建築
を見学して巡る旅。
・ガリラヤ丸とは、ヴォーリズさんが県内一円を移動するため琵琶湖の湖上を渡って
移動するため につかった船です。
・このツアーは、ヴォーリズさんのやさしさ・ひととなりに触れる旅です。
心の遺産としてヴォーリズ建築を「語り部」の案内でゆっくりと見て回ります。
社会事業を行い地域の発展に貢献したW.M.ヴォーリズの作った建築物は、とくに、
ヴォーリズが住んだ滋賀県に多く残っています。そのヴォーリズ建築の保存活動にも、
ヴォーリズの精神が受け継がれています。
②西陣の職人たちと出会う旅
定番の観光ツアーでは味わえないほんまもんの技、人と人との出会いを楽しむ。
京都は西陣界隈を地元旅行会社のガイドと共に街歩き&西陣の様々な工程の工房
にも立寄ります。西陣織の完成までには20を越えるプロセスがあり、それぞれの工程
が分業化されています。各工程に高度な技術と豊富な知識が要求される西陣織。
その工程のいくつかを実際に見学させて頂きます。
また、職人さんのお話をゆっくり聞いたり、きっと今までの観光ツアーでは味わえ
なかった楽しみが見えてくるはずです。
③びわ湖・長浜 観音の里めぐり
千年もの昔から、観音様が村人によって大切に守られてきた地域「観音の里」を
巡ります。多くは、普段お会いできない観音様です。
昼食は湖国の食材を使った特別メニューです。全行程“語り部ガイド”がご案内
します。村人は代々、観音様を大切にお守りしています。
大勢の観光客も、大きくきらびやかなお堂も、にぎやかな門前町も、一切ありません。
ただ、小さな村堂の扉を、農作業の手を止めて村人があなたのために開いてくれます。
そこにおられる観音様を前に、何を思いますか?

3.ビジネスとしての旅企画とその課題
旅に行きたいと思うとき、人はどのような想いを持つのであろうか?
少し、前のような大手旅行会社が有名と思われている(ある意味、勝手に思っている)
場所に、大型バスで、多くの客を乗せて、適当な食事と現地案内で済ませたパッケージ
旅行は、まだまだ、多くあるようであるが、自分の行きたい場所に、同じ想いのある
仲間と供に、楽しむ、所謂、手作りの旅も多くなっている。ソーシャル旅行など
というフレーズが出来たのも、人と社会環境の変化が大きいからである。
定型的・大量集客的なものではなく、「多品種」「小ロット」「高付加価値」という
顧客ニーズに即したサービスが必要とされる。しかし、多くの旅行会社のビジネス
を支えている商品は、様々な観光商品のうち、定型造成・大量販売に適した「売れ筋」
商品(≒マス・ツーリズム商品)である。
顧客の多様なニーズに合わせ、小ロットでも多くの品種を販売するというビジネス
モデルは、今後、更に拡大していく。そして、この流れは、小規模事業者のメリット
が活かせ、地域全体の活力を上げることにつながる。

商品化に向けての課題を少し述べる。
1)企画フェーズ
観光商品は、観光資源、観光施設、観光サービスで構成される。商品化にあたり、
観光の対象となる資源を、いかに「見せる」(=魅せる)か、そのために必要な
ハード・ソフトの装置、および人的サービスを整備することがスタートとなる。
特に、これまで見過ごされがちであった地域の素材を活用し、新たな集客につなげ
ようという取組であることから、上記3要素の「組み合わせ」が肝心となる。
そのためには、実施主体の確保が必要となる。
観光地づくりの議論で必ず指摘されることが、実施主体の重要性である。素材
である観光資源を施設やサービスと結合させ、観光商品として流通させる担い
手がいなければ、観光資源は素材のままで終わってしまう。
成功している事例では、地域づくりの団体が地元観光協会と連携して取り組んで
いるもの、行政の支援により民間事業者が進めているもの、自治体の事業を地元
の団体に委託しているもの、などが挙げられる。
地域の様々なイベントを通じての交流、四季おりおりの自然景観、第2のふるさと
創出による精神的な充足感、など様々な顧客ニーズ対応したコーディネータ部門が
必要となる。

2)集客フェーズ
ほとんどの観光事業において、募集集客が最大の課題と言ってよい。潜在的な参加者
に対して、いかに情報を伝え、参加を促すかに、関係者は常に知恵を絞っている。
商品の存在を限られたターゲット層にいかに伝えるかが難しく、この点に苦労する
場合が多い。WEB、口コミ、友の会・ファンクラブ等の会員組織、などの方法が
よく活用されている。
しかし、採算性と催行人員との兼ね合いは難しく、手作り感を出し、限定された旅
のテーマに応じた参加者を如何に確保して行くのか?継続的に催行し、年間ベースで、
採算を採れるビジネスモデルを感がるのも1つの戦略かもしれない。
毎日、毎週、毎月など、定期的に開催されていることにより、口コミ等を通じて
広まっていく機会も多くなると考えられる。

いずれにしろ、これらフェーズを総合的にコントロールしながら、顧客の想いを
キチンと企画化していく人材の確保が最大の課題でもある。

4.参考
以下のサイトは、日本観光協会がニューツーリズム支援事業の一環として取り組んで
いる「産業観光」「ヘルスツーリズム」「フラワーツーリズム」「優秀観光地づくり
賞事業」を紹介したものだ。自分だけの観光を楽しみたいという人はもちろん、
新たな観光の魅力づくりに努力する地域の人々にとって、参考になる情報が数多く
提供されている。

http://www.nihon-kankou.or.jp/jirei/
1)地域活性化関連リンクお薦めのコンテンツ1
・優秀観光地づくり
優秀観光地づくり賞とは、各地におけるより良き観光地づくりがさらに推進されるこ
とを目的に、観光による地域振興を積極的活効果的に推進し、他の地域の参考になるよ
うな観光地域づくりの成果を生み出している団体に贈られる日本観光協会主催の賞
である。
「1.地域密着性」「2.発展性」「3.継続性」「4.独創性」「5.先駆性」「6.国際性」
「7.景観製」という7つの視点で評価される。
 同サイトでは同賞を受賞した地域を「太鼓判の観光地」として紹介している。それら
の観光地は、「どんな旅をしたいか」というテーマ別に加え、エリア別にも検索できる
ようになっている。
例えば「自然に触れて癒されたいという人が訪れる観光地づくりに取り組みたい」と
いうのであれば、「癒される環境づくり」とテーマをクリックすればよい。するとこの
テーマに合った受賞団体の一覧が表示される。団体名をクリックすると、その団体がど
ういう取り組みをしてきたか、簡単な概要が分かる仕組みとなっている。
「癒される環境づくり」に取り組んだ岩手県遠野市を例に見てみると、地域に残る資
源を見直すため、独自に「遠野遺産」制度を設置。認定を受けた資源を行政と地域住民
の協働で保存・活用する活動を行っているという。

2)地域活性化関連リンクお薦めのコンテンツ2
・ヘルスツーリズム
ヘルスツーリズムとは冒頭でも簡単に説明したが、旅行という非日常的な「楽しみの
要素」と健康を維持・回復・増進するための「医療的な要素」を掛け合わせた、新しい
タイプの旅行形態である。
昨今、様々な地域・自治体がヘルスツーリズムに取り組んでいる。同コンテンツでは
その取り組み事例を紹介しており、ヘルスツーリズムとはどのようなものか、その具体
をつかむことができる。
例えば北海道夕張市の事例を取り上げてみよう。夕張市では2007年10月8日から、2泊
3日の日程でメタボリックシンドローム(いわゆる「メタボ」)を改善するための「メ
タボビートキャンプin夕張」を実施した。
どのようなツアー内容だったのか、その詳細もきちんと掲載されている。1日目はオ
リエンテーションから始まり、免疫学で著名な北海道大学西村孝司教授による基調講演
、血液検査を含む個人別メタボ状況確認診断、正しい入浴法やメタボ対策の食事法など
の講義など、石炭の歴史村見学以外は、メタボ改善のための医療色の濃い予定が組まれ
た。2日目は早朝ウォーキングとヨガ体操以外は、夕張石炭発掘ツアー、人気ローカル
線「石勝線」乗車など、観光色の強い予定が組まれている。
そのほかにも秋田県平鹿地域、福島県岳温泉、栃木県塩原温泉、山梨県石和温泉、長
野県信濃町、三重県伊勢鳥羽志摩、鹿児島県奄美大島の事例を掲載している。それぞれ
ツアー内容も夕張の事例同様、明らかになっているので、ヘルスツーリズムの創出を考
えている地域にとっては、見て損のないコンテンツである。

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