« 旅は人のつながりを創り、地域を創り、ビジネスを創る | トップページ | 中小企業でも統計センスを磨こう »

2014.05.10

スマートフォン、中小企業でも活用の時代

2014年、日本でのスマートフォン(スマホ)普及率は50%を突破した。
それに伴い、スマホ上でも様々なプロモーション施策が実施されつつある。
スマホ含めたモバイル系への広告も拡大しつつある。Google、Facebookも
モバイル広告施策を更に高度化しようとしている。
しかし、幾つかの調査では、「スマホの業務での用途は、メールが最も多く、
電話、スケジュール管理、Webの閲覧がほぼ同列。少数意見には、地図検索での
利用というのもあった」様に、個人レベル、企業レベルでも、その活用については、
スマホの持つ特性を理解し、従来のパソコンでの手法や携帯電話での手法から
一歩進んだ手法を実施しているのは、まだまだ、少ない。

1.スマホの現況は
小さい画面で操作するスマホ上に表示される広告を「不要な情報」と感じるユーザー
は多い。不要情報扱いされた広告は「絶対この商品買わない!」「このバナー
しつこいから嫌」など、その意図と逆効果になってしまう可能性もある。
アプリでニュースを見ている時に画面下部にバナーが出ていて読みづらい、
アプリを操作している際、意図しないクリックでアプリDL画面に遷移してしまった
等、小さい画面で操作するスマホ上に表示される広告に違和感を持つユーザは多いよう
様である。ユーザーは有用な情報に接触すると、プロモーションを「自分事」
として捉えるようになり有効なプロモーションが実施できるようになる。
絶えず顧客の一部にあるスマホを認知施策のリーチメディアとして、
スマホユーザー利用者へのコンセプトを変える事が重要となる。
パソコンなどでは有効なバナー、リスティング広告、アフィリエイト広告、
リワード広告なども、スマホとしての特性を理解することで、その効果
が活かされる。

何時でも、何処でも、自身の一部として存在するキーボード操作のない
しかも、個人属性が極めて高いパソコンであることをキチンと認識すべきである。
まずは、スマホでは、「ユーザーに自分事」としてとらえてもらうことで、
Push通知からアプリ起動→アンケート回答に繋がり、スマホユーザーへの
アプローチが可能となる。

また、ユーザサイドでは、この高機能化した小型パソコンを使いこなせるか、
が重要となる。オリコンが今年2月に実施した「モバイル端末に関する意識・
実態調査」によると、スマホユーザーのうち、使いこなしている実感があり、
満足感を持っているユーザーは47・6%にとどまる。
SNS(交流サイト)やゲームのアプリをよく使うユーザーが4割を超える
一方で、仕事効率化アプリは2割弱にすぎない。

コレに対しては、ノートPCにはない「電話機能」の活用を図るのも1つである。
スマホの電話としての機能を有効活用したソリューションは案外少ないのが実情
であり、社内の内線番号に掛かってきた電話を社外にいながら受けられるように
なるとかで、外出中でも顧客からの問い合わせに即座に対応できるような仕組み
作りを更に進める必要がある。
単に数値や文字ベースで情報を共有できるだけでなく、音声ベースのコミュニ
ケーションもフル活用できる点が、スマホの大きな利点の1つであり、内線電話
の転送や電話会議といったユニファイド・コミュニケーションのソリューション
を活用することでよりスマホのの可能性を引き出し、ビジネスに有効利用できる
ようになる。

2.スマホサイトの構築に向けて
スマホECサイトからの購買は、特に、20代から30代の女性では、当たり前に
なっており、更なるスマホ活用を高める必要もある。このため、スマホサイトの
設計時に考えておくべきことがある。
1)ファーストビューが最重要
スマホは、パソコンほどの情報を詰め込むことができない。徹底的に情報を厳選す
ることが必要となる。移動中、家の中に居る時、仕事や学校の休憩時間などでスマホ
を操作することを考えると、特にファーストビュー(最初に見えている情報)で
「何ができるサイトなのか?」をユーザーに伝える必要がある。
ひと目で分からないと意味がないし、少しでも興味を持ってもらい、スクロール(
トップページに下に進む)かタップ(次の階層に進む)されなければ終わり。
最初の勝負はここで決まりであり、アイコンやタブを適切に配置して、スマホらしく
情報を凝縮することを考える。

2)大きなボタンと文字で誤操作を防止
スマホは指でタッチして操作するため、サイト側が思っている以上に「押し間違い」
が発生することを理解する必要がある。誤操作=ストレスであり、ストレスを感じた
ユーザーはサイトから離脱してしまう可能性が高まる。
大きな文字とボタンを使い、かつ、ボタンとボタンの間隔を空けて誤操作を防止
することが重要である。
①スマホサイトの文字サイズと行間
文字のサイズは視認性を高めるために14ポイント以上で作成し、行間は150%~190%
が好ましい。
②スマホサイトのボタンサイズ
ボタンの縦幅、横幅は人差し指、または親指で押しやすい大きさ(44ピクセル以上)
で作成する。

3)「タップ数」「ページ数」徹底的に短くする。
スマホサイトは表示できる領域が狭いので、「タップ数」と「ページ数」を徹底的に
短くしないと離脱につながる。
徹底的に短くするためには、以下の点をチェックする。
・2ページを1ページにできないのか?
・ページを戻らせず、その同じページ(場所)で、再行動できないのか?
特に、パソコンサイトを自動変換してスマホサイトを作っているサイトでは、
パソコンサイトのページ構成のままスマホへ表示しているサイトがあるが、そこでは、
入力フォームをパソコンサイトと同じように何ページにも分けて作っているサイトも
あり、スマホユーザーの操作感を考えるとそれが正しいとは思えない。

4)トップページは長いほうがよい
スマホはフリック(指で画面をスクロール)操作をする。そのため、長いページを
見るのはさほど苦にならない。ページを分割するよりは、長いページでまとめた
ほうがボタンを押したときの誤操作やサイトの離脱を防げる。次のページへ
進むよりも、1ページですべての情報を読めたほうがユーザーにとっては便利。

5)表示スピードを意識した情報量で考える
一般的にサイト利用者は3G回線であり、パソコンの情報や画像をそのままスマホサイト
へ入れると、回線スピードが追いつかず、さくさく感がなくなる。
単純に長いページにするだけではなく、その表示状況も考える。

6)O2Oに「電話」をフル活用する
スマホは電話機であり、電話ができるパソコンだと考えることが重要である。
自社の店舗があれば、1タップで電話がかけられるようにすることも含め、
スマホサイトはスマホ独自の工夫が必要であり、お客様の利用シーンを想像して
設計することが必要となる。

3.位置情報サービスについて
ビジネスシーンにおけるスマホのメリットは、その携帯性、即応性、コスト面
などのほか、社内メールとの連携やセキュリティなど、パソコンに近い点があるが、
ビジネスモデルとしての最大のポイントは、位置情報を活用した様々なサービスが
あることと思っている。
ココでは、スマホ活用のポイントとして、位置情報を活用したO2Oの事例に
ついて、「O2O型サービス・プロモーション・キャンペーン事例まとめ」から
抜粋してみた。
これらの応用として、自社のスマホビジネス展開を考えてもらいたい。

①日本交通株式会社/日本交通タクシー配車
http://www.nihon-kotsu.co.jp/taxi/use/iphone/
スマホO2Oアプリ「日本交通タクシー配車」。GPSによる位置情報により、細かな
配車希望場所を指定し、タクシーを呼ぶことができる。アプリで行先を指定すると、
乗務員に行き先を伝えることなく目的地まで行くことが可能。普段タクシーを使わない
世代でも、スマホから気軽に配車を希望することができる。
②KDDI、両備ホールディングス/まゆせチャンネル
https://www.mayuse.ch/
岡山県岡山市内においてトライアルで行われている、国内で初となるバスロケーション
システムおよびデジタルサイネージとスマートフォンを連動させたO2Oサービス。専用
アプリをダウンロードすることで、バスの運行情報をリアルタイムで表示したり、バス
沿線のお得情報・クーポンを配信することができる。
③コカ・コーラ/Enjoy Coca-Cola with
http://adgang.jp/2013/08/36803.html
イスラエルで実施された道路広告を活用したO2Oキャンペーン。専用アプリをダウン
ロードし名前を登録すると、位置情報をアプリが把握し、道路上に設置してある看板
に近づくと、そのタイミングで登録された名前を表示するという内容。
店舗への誘導を目的としたものではないが、キャンペーン期間中のコカ・コーラ
の売上は7%アップしたとのこと。
④popinfo
http://popinfo.iridge.jp/
スマホの待受画面にプッシュ通知でメッセージを配信できるASPサービス。
指定した場所、人、時間帯での配信が可能で、実店舗への高い誘導効果が期待できる。
2013年2月、EC研究会主宰“第三回O2Oグランプリ”大賞を受賞。
⑤オプト、スポーツオーソリティ
http://www.opt.ne.jp/files/topics/1020.pdf
商品の在庫情報と店舗情報を、対象店舗の商圏内にいる生活者のスマホへWeb
広告やアプリ内広告で配信し、効率的な来店を促進させるO2O施策。リアルタイムな
在庫情報を商圏内にいるユーザーにのみ配信するという点がポイント。

更に、FacebookやTwitter、LINEなどのソーシャルネットワークを活用したO2O施策
もある。
最近のスマホの急激な普及によりSNSで常にだれかとつながっていることから、人
とのつながりを重視する消費行動がみられ、小売業・サービス業でも積極的に
SNSを販促に活用するようになって来た。
⑥Ben & Jerry’s Japan
https://ja-jp.facebook.com/BenJerrysJapan
アイスクリーム屋が実施するSNSから店舗へ誘導するO2O施策。Facebookに週に1回謎解
きクイズコンテンツを投稿、ユーザーが店舗で店員に答えを伝えると、おまけでアイス
クリームを1つ追加してもらえる。シンプルだがファンとのつながりが強くなるキャン
ペーン。
⑦Toolpool
http://adgang.jp/2013/02/22621.html
スウェーデンの工具店がホームセンターとの差別化をはかるために考えた企画。ユーザ
ーはFacebookで会員登録をすると、専門工具を“無料”で貸りることができ、店舗にい
って工具を受け取る。その際、ペンキなどの消耗品をついで買いしてもらえるという
O2O施策。実名利用者の多いFacebookだから盗難の恐れもない。
⑧BANANA REPUBLIC/FASHION TAGGING
https://www.facebook.com/BRJapan
アメリカのファッションブランドがFacebookで展開したO2Oキャンペーン。有名スタイ
リストがコーディネートした同ブランドの秋コーデにFacebookに登録されている友達の
顔を合わせて「似合うね!」のボタンと押すとタイムラインに通知が届けられる、とい
う仕掛け。「似合うね!」を押したユーザ、押されたユーザにアイテムやクーポンが当
たるチャンスが。ブランドの認知率向上が期待できる。
⑨ニフティ/@nifty温泉Plus
http://onsen.nifty.com/magazine/
ニフティが温泉施設向けに提供するO2O型集客サービス。温浴施設が独自に発信したい
情報を@nifty温泉の施設紹介ページに投稿できる機能や、FacebookページやTwitterに
も同時に投稿できる連携機能を提供することで、温泉施設と利用者をつなぐ。
⑩株式会社フォワードネットワーク/Twicat
http://twicat.jp/
Twitterを利用して商品の写真と一緒につぶやくと商品の写真がきれいなカタログのよ
うに見えるO2Oサービス。つぶやくだけで簡単に商品登録ができ、Twitterから店舗への
送客が期待できる。

O2Oサービスを具体的に進めるためには、以下の手順を考える必要がある。
①スマホ向けサイトの構築
お得な情報、割引情報、店舗へのアクセス情報などをスマホで閲覧できるサイトを
構築する。
②メルマガ配信はターゲットの属性毎に行う
③適切なタイミングでクーポンやポイントを配信
ターゲット属性にあわした情報をすばやく配信できる環境を作る。
④SNS活用による顧客アプローチ
自社サイトにソーシャルボタンを設置する。コレにより、fbやtwによる情報の
拡散を図る。クチコミによる効果を促進する方法(グループ来店の割引など)
を実施して、ファン化の促進も図る。

4.スマホを企業内で使うことで、一言
スマホは、ノートPC、携帯電話と比べて情報へアクセスする際のスピードや手軽さ
で非常にメリットがあるが、コスト面でもメリットがある。
スマホ費用は、単純に月額回線費用を比較すると、携帯電話より月額約3,000円の
コスト増になるが、スマホはどこからでもWebサイトの閲覧ができるため、外出時
のノートPCの役割も担える。このため、スマホ導入では、携帯電話だけでなくノート
PCも含めたトータルでコストを捉えることが肝要である。
例えば、外出先から社内情報にアクセスするためにノートPCとデータ通信カードを使
用している場合や持ち出すことを想定して従業員に高スペックで高価であるノートPC
を支給していた場合、外出時はスマホで事が足りれば、社内用としては
ノートPCより安価なデスクトップPCの選択が可能になる。
一見するとコスト増に見えるスマホの企業導入だが、トータルコストの視点
で捉えればコストダウンが期待できる。社内メールと簡単に設定でき、しかも
セキュアな環境を実現できることもあげられる。

スマホのビジネスへの有効性は、益々、広がる。先行する大手企業では、更に、進化
したビジネスモデルへの展開を進めるが、中小企業でも自社内でのスマホの活用を
進めたり、既にあるスマホを活かしたサービスを自社ビジネスへ転用することで、
新しい顧客ニーズに応えることも考えてもらいたい。

« 旅は人のつながりを創り、地域を創り、ビジネスを創る | トップページ | 中小企業でも統計センスを磨こう »

「ビジネス」カテゴリの記事

コメント

コメントを書く

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック

この記事のトラックバックURL:
http://app.cocolog-nifty.com/t/trackback/79186/59616585

この記事へのトラックバック一覧です: スマートフォン、中小企業でも活用の時代:

« 旅は人のつながりを創り、地域を創り、ビジネスを創る | トップページ | 中小企業でも統計センスを磨こう »

最近のトラックバック

2017年11月
      1 2 3 4
5 6 7 8 9 10 11
12 13 14 15 16 17 18
19 20 21 22 23 24 25
26 27 28 29 30    
無料ブログはココログ