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2014年6月7日

2014.06.07

顧客理解とビジネスモデルゼネレーション的センスのアップ

2年以上前から中小企業の新規ビジネスやWebサイト構築に、ビジネス
モデルゼネレーションキャンパスを使ったり、使うように支援して来た。
この手法は、9つのビジネス要素を参加者で討議しながら、全体を把握し、
各要素のシナジー的な動きを感じるのがポイントかもしれない。
この種の一覧性のマップ作りの重要な点は、メンバー間の意識化と共有化
にあるはずであり、その基本を認識するならば、様々な形に応用できる。
そのため、全社のビジネスモデルを再構築する、と言うような大きな行動
とは別に、自社のWebサイトをSEO的な手法ばかりではなく、
このマップ作りにより、サイトの見直し、再構築が結構有効でもあることは、
幾つかの中小企業のWebサイト構築からも分かった。
すべての組織はビジネスモデルを持っているはずであり、組織がどうやって
動いているかを書いたロジックでもある。しかし、中小企業では中々、
コレに答えられない場合が少なくない。自社の現在の事業をもう一度、
ビジネスモデルとして再認識するコトと自社の想定している顧客なるもの
を理解するセンスが必要ではないだろうか。

1.ビジネスモデルゼネレーションキャンパス
以下の9つの要素をベースとして、ビジュアルで絵みたいに書いて行く。
営業、総務、技術などの各部門のメンバーが参加し、ポストイットなどで、
話をしながら、ブレーンストーミング的な形で進めていくのが、良い
マップとなる。

①顧客セグメント
企業が関わろうとする顧客グループについて書き出す。
②与える価値
特定の顧客セグメントに向けて、顧客の望む価値を生み出す製品とサービス
について記述して行く。
③チャネル
顧客セグメントとどのようにコミュニケーションし、その価値を伝えていくのか
を記述する。
④顧客との関係
企業が特定の顧客セグメントに対してどのような種類の関係を結んでいるのかを記述。
⑤収入
企業が顧客セグメントから生み出す現金の流れを表現する。
⑥リソース
ビジネスモデルの実行に必要な資源、資産を記述する。
人材、モノ、お金、知的資産(IP、ブランド、技術)など必要なモノを書く。
⑦主要活動
企業がビジネスモデルを実行する上で必ず行わなければならない必要で重要な活動
を記述する。
⑧キーパートナー
ビジネスモデルを効果的に実現するためのサプライヤーとパートナーのネットワーク
について記述する。
⑨コスト構造
ビジネスモデルを運営するにあたって発生するすべてのコストを記述する。

以下の動画で見ると、もう少し理解が深まるかも。
https://www.youtube.com/watch?v=06kKApxIsPA&list=PLymIFHb5jZpXs-bHnYe9i50nTePU

AiUUW&index=1以上のようなワークの効果として、
・各要素のつながりから特に、将来の組織モデルの見える化が可能となる。
・活動を全体的に考え、細部へのこだわりが無意味であることを気付かせて
くれる(一覧性による全体把握センスの向上)
・支援者、仲間との共通言語とフレームワークを共有化出来る。
・ビジネスを必要プロセス毎に把握できるため、各部門の相互理解、支援が高まる。

2.「顧客を知る」ことのセンスアップ
ビジネスモデルゼネレーションキャンパスの作成時に、よく分からない?と言われる
のが、上記①の顧客セグメントの具体的な洗い出しである。「自社の顧客?」が
分かっている様で、実際は、良く理解しているとは言えない場合が結構多い様である。

1)顧客セグメント?
まずは、ブレーンストーミングなどを行い、想定している顧客セグメント(年齢、
性別、など)をすべて書き出す。更に、その中から幾つかの候補を選び、そのうちの
一つを使って顧客の具体的なイメージをまとめていく。
顧客にまず名前を付けて、性別、年齢、既婚かどうか、収入などの特徴を与える。
(他でもよく言われているペルソナ的なアプローチ)
まず、基本的な属性を定めることで、作業を進めていくうちでブレのないようにする。
それぞれの顧客イメージがずれないように、このような基本属性を定めることが重要と
なる。

2)何を見ているのか
顧客が日常生活をしている中で何を見ているのかを記述する。顧客が、どのような
環境に囲まれているのかを定め、職場、家庭、趣味仲間など、どのような提案
をしているのかをイメージする。
どのような友人がいて、どのような会話をしているのかを考え、どのようなタイプの
商品、サービスに日頃、触れているのかを考え、そこで、どのような問題に遭遇する
のかをイメージし、生活する中で自然に影響を受けそうなものを列挙していく。

3)何を聞き、感じているのか
「何を見ているのか」で書かれた環境の中にいる人たち、友人、配偶者、上司、
影響力あるメンバーが何を言っているのかを書き出す。誰がどのような発言を
して影響を与え、感じているのかを知るためのカテゴリーになる。
例えば、顧客属性を固めていくときに便利なのが雑誌であり、雑誌が細かく分けた
属性に対して記事を作成していることから、顧客の愛読誌を特定し、その雑誌の特集
をチェックしていくのは一つの手法でもある。
顧客の心の中で起こっていることを書きだし、感情を想像してみて、重要なことが
上手くいったとき、どんな感情を持つのか、その人の夢や願望を書き出せる。

4)どんな事を言い、どんな行動をしているのか
「何を見ているのか」「何を聞いているのか」「何を感じ、考えているか」を受けて、
その人がどのような行動をしているのかを知ることである。

5)顧客の得られるものは何か
本当に欲しいもの、必要としているものは何か?成功の基準をどこにおいていて、
どのようにして成功にたどり着こうとしているのかを考えてみるコトが上記②の
「顧客へ与える価値」となる。最終的に、顧客が何に対して価値を感じ、お金を払う
のかを理解するために必要となる。

3.ビジネスモデルゼネレーションキャンパスへのセンスアップ
事業を多角的視点で捉える「キャンバス」(マップ)を使い、既存事業のビジネス
モデル分析やビジネスモデル転換、新規事業のビジネスモデルデザインを行う。

1)顧客関係を起点としたプラットフォーム化
顧客との関係を起点としたビジネスモデル化については、単発の取引から継続した
関係の構築、さらには共創関係への顧客関係の変化を描くことが出来る。
こうした顧客関係の変革は近年、事業を安定させるためのビジネスモデル上の課題
となっており、ビジネスのプラットフォーム化についても考える。
2)新規事業と既存事業のビジネスモデル上のシナジー化
既存の企業で新規事業を立ち上げる際には、現業との関係が重要になる。また、新規
事業へ一貫性をもたせるためのビジネスモデルを考える。
3)収益モデルの構築と事業構造
ビジネスモデルの妥当性を検討する最終的なポイントは、その収益モデルにある。
適切な収益モデルなしにどのような事業も成立しない。収益モデルを変更すること
によるビジネスモデル変革について検討する必要がある。
4)ビジネスモデル変革のアプローチ
既存のビジネスモデルにイノベーションを起こすためのアプローチについて検討する。
新しいビジネスモデルを作るためには、業界にとって「常識」とされていることを
覆し、未来志向で新しいビジネスモデルを構想する必要がある。

組織を上手くビジネス的に整合するために、ビジネスモデルゼネレーションキャンパス
を大きくは、2つの視点で考えて行くコトが重要かもしれない。

右側のエリアでは、
まず「価値(VP:Value Propositions)」の要素を考えることが肝要である。
「新奇性」や「パフォーマンス」、「カスタマイゼーション」などビジネスが提供する
価値を考える。たとえば「外からネットで依頼すれば、事務所に戻らなくても請求書を
作成し発送できる」というサービスなら「場所に制約されない」という価値(VP)。
その様な価値(VP)を、誰のために創造し、提供するのか。それが顧客「CS(Customer
Segments)」である。この点で、2項の「顧客を知る」ことは重要である。
さらに顧客(CS)と企業の関係「CR(Customer Relationships)」を考える。
企業は顧客を獲得し、維持し、販売を拡大するために、関係(CR)を構築することを
重視する。最近は、ユーザー同士が教え合ったり、情報を交換し合う場を提供する
「コミュニティ」がネットを活用して実現できるものとして、重視されている。
更に、価値(VP)を届けるために顧客(CS)とどのようにコミュニケーションするの
か、企業の顧客へのインタフェイスである「チャネル(CH:Channels)」が必要である

VPを中心にCS、CR、CHを考えてまとめていくと、自然に「収益の流れ(RS:Revenue
Streams)」が見えてくる。右側のエリアは、「顧客との関係性」といったように
「価値」を考えるエリアになるはずである。

左側のエリアでは、エリアは価値(VP)を作り出し、実際にどのように提供していく
かが一番の課題である。ここにはコストがかかってくるため、コストを抑えるために
「効率性」が重要な指標となる。
 
価値(VP)を実現するために、必ず行うべき「重要な活動(KA:Key Activities)」を
考える。例えば、モノを作る「製造モデル」、サービスで悩みや課題を解決する
「問題解決モデル」などがある。そのため、ビジネスモデルの実行に「必要なリソース
(KR:Key Resources)」を考え、「主要なパートナー(KP:Key Partners)」
と組むことや選定も必要になってくる。
こうしたKA、KR、KPを考えていくと、自然に「コスト構造(CS:Cost Structure)」
が見えてくるはずである。

以上のように、右と左側のエリアの性格を十分理解しておくコトが社会環境などの
変化に対して、組織をキチンと動かしていくためには、必要である。

この考えをベースにして、更なる組織強化が図れる。
①マネジメントのネットワーク化
 各グループの管理レベルのメンバーによるネットワーク化が有効となる。
②外部とのネットワーク化
 地域の企業、団体、等自組織の重点活動に関係する部門との連携が図れる。
③職能ネットワークの構築
 組織において対応出来る技術、技能を持った有機的なつながりを構築する。
④ローテーション化
 個人レベルでの幅広い総合的な視野の育成を考える。

ビジネスモデルゼネレーションキャンパスのポイントは、9つのビジネス要素
を一覧化したことにある。細かな手法ややり方よりも、この全体フレームを
意識することだけでも、事業構築のセンスアップにはなるはずである。

なお、中小企業で必要になりそうなスキルの簡単が概要を示す。
https://www.youtube.com/watch?v=C2qIkr_iJdg&feature=youtu.be

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