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2014年7月5日

2014.07.05

自身の発想を高める

混沌とした時代である。
このような状況の中で、中小企業経営者であれ、社員であれ、個人であれ、
自身の持つべきセンスを磨くことと必要スキルの獲得は、重要な要件でもある。
昨年までの研究会でも、自社のビジネス支援の強化のために、このような基本的な
テーマでも、メンバーのビジネス力アップを図ってきた。
発想を高める手法は様々にあると思うが、ここでは、自身でも、活用している
マインドマップ、KJ法、NM法について概要をまとめた。
これらは、実践ありきであり、まずは、やってみることをお薦めする。

1.マインドマップについて
英国の思考学者であるトニー・ブザン氏が提唱したこの方法は、対象とする概念
(キーワードやイメージ)を図の中央に置き、そこから連想できるキーワードや
イメージを放射線状に繋いで記録していく手法である。
この方法によって、見落とされがちな人間の記憶の中にある複雑な概念やアイデア
を可視化することができる。

1)やり方の概要
具体的な手順は以下の通りである。
①準備フェーズ
A1程度の大きさの紙(紙の大きさが発想を制約するとも言われる)と色ペン
を数本用意する。
②発想フェーズ
検討テーマのイメージ化
紙の中心に検討テーマを書く。その際、発想が広がりやすくなるよう言葉だけでなく
イラストなどを書くことが望ましい。
③1次キーワードの記載
中心テーマから連想されるキーワードを中心テーマの周りに書き出す。キーワード
はできるだけ早く、たくさん書き出し、中心テーマとキーワードを線で結ぶ。
④2次キーワードの記載
1次キーワードからさらに連想されるキーワードを書き出し、1次キーワードと
2次キーワードを線で結ぶ。こちらもできるだけ早く、たくさん書き出すようにする。
以降、3次キーワード、4次キーワード、とこれ以上書き出せなくなるまで
キーワードを書き出していく。
⑤整理統合フェーズ
書き出したキーワードの中から類似しているものを近くに寄せ、異なるものを対比
できるように反対側に持ってくるなどして、書き出したマインドマップ全体を
整理する。整理されたマインドマップを眺めて検討テーマの本質を見極めていく。

なお、パソコンで使える無料や有料ツールが多く登場している。

2)もう少し具体的に
最初に思考を刺激するための中心イメージを描く。
たとえば、新たなある技術の適用について考える場合には、その技術の具体的な姿を
描いてみるとよい。
それから連想したアイデアをそこから放射状に書き入れる。
考える時間は短ければ短いほどよく、15分から20分以内が望ましい。
時間に制約があれば、習慣となっている思考パターンの枷がはずれ、普段はくだらない
ものと無視してしまうような、斬新なアイデアが浮かんでくるもの。
この「くだらない」アイデアには、凝り固まった古いパターンを打ち破るキーが
含まれているので、除外せずに必ず書き入れること。
マインドマップはスペースが広いほど大きく発展するので、紙はなるべく大きなもの
を使う。スペースが広ければ、脳は創造的アイデアを出しやすくなる。
まず、基本アイデアを決め、個々のアイデアの関連づけや分類や階層の設定を行う。
この時に新たに生まれた連想を加え、最初のステップで「くだらない」と思ったアイデ
アを、もう一度、マインドマップ全体を見ながら改めて考えてみる。

この段階では、ブランチの先のほうに、よく似た、あるいはまったく同じコンセプト
が繰り返し現れることがあるが、不要な重複として削除する必要はない。
繰り返し現れるということは、蓄積された知識の奥底に存在するアイデアということで
あり、考え方すべてに影響を及ぼしている重要なもの。
そうしたアイデアは、意識的にも視覚的にも強調する必要があるので、2度目に
出たときは下線を引き、3度目は丸や四角で囲み、4度目のときは立体的な箱型等
で囲むこと。

マインドマップ上の立体模様を線でつなぎ、さらに立体模様を作ると、文字どおり
新しい知的枠組みが出来てくる。上記で行った「関係があるかも、と思うところを
矢印で繋ぐ」は、実はマインドマップだからこそ出来る、重要なポイントであり、
コレにより、マインドマップを全体俯瞰して、関連付けを行っていける。
「全体俯瞰」で、やりたいことを全体的に眺めることが出来る。
「関連付け」で、やりたいことの関連性を見出して、整理ができる。
この2つの効果があることで、
「書き出しの段階で、やりたいことの上下関係や構造を考える必要がない」
というメリットも持ち合わせることになる。
書き出すときに上下関係や構造を同時に考えると、
やりたいことを思い出すのに、余計なブレーキが掛かりかねない。
書き上がった後に、全体俯瞰と関連付けで整理することが可能なので、
書くときには、構造を考える必要はない。

更に、個性的なマインドマップのスタイルをとるためには、「+1(プラスワン)」
の思考をすることが大事となる。
「+1(プラスワン)」とは、マインドマップを作成する際に、その前に作った
ものより、ほんの少し多くの色を使って、ほんの少し立体的要素や空想的要素
を多くし、ほんの少し連想を論理的にしようということ。
コレにより、常にすべての知的技術を発展させ、向上させていくことができる。

また、マインドマップをわかりやすく書くことを実践するために、
まず、1本の線にキーワードをひとつだけ配置するよう注意してみる。
1本の線に配置するキーワードをひとつだけにするのは、連想が自由に起こる
ようにするためであり、これによって、重要な句のつながりを失わず、
無数の選択肢を作り出すことが可能になる。
このワンブランチ・ワンワードのルールによって、内的、もしくは外的環境
をより明確に写実的に見ることができる。
すべての事象の「もうひとつの面」を見ることで、知性の偏りがなくなり、
知性にあらゆる選択肢が与えられれば、問題解決や創造的思考の助け発展
にもなる。

文字をきれいに、はっきりと書くことにも気をつけること。
きれいな文字は形が明瞭であるため、脳に焼き付けやすい。
文字をきれいに書くことによって、創造的な連想がすばやくできるようになり、
記憶が再生しやすくなる。

3)その有効性
①あらゆる創造的思考のスキルが活用できるようになる。
②ひと目で膨大な量の要素を見ることができるので、創造的な関連づけと統合の能力
を高めることができる。
③頭の片隅で、形にならずに眠っていたアイデアを掘り起こす力が磨かれる。
④熟成のプロセスを強化し、新たなアイデアを生みだす力が増大する。
⑤ありきたりな思考パターンに陥ることなく、真に創造的なアイデアを生み出す
能力を増大させることができる。

2.KJ法について
KJ法は、膨大な定性的データ(情報)が関係する複雑な問題の解決に役立つ
「情報整理と創造的発想の技術」であり、KJ法のプロセスは「情報の収集→情報
の分類整理→新しい有効な発想・アイデア・方法・技術の思いつき」という流れで
表現することができる。
KJ法は、「雑多な情報が溢れている頭の中をすっきりと整理して、固定観念に
囚われずに問題解決に臨む技法」ということが出来る。ブレインストーミングで
提出された数多くの情報を的確に取りまとめていく方法としては有効である。

1)やり方の概要
その基本的な流れは以下のようなものだ。
①キーワード収集
情報やデータを要約したキーワードを書き出すためのカードを用意する。カードは
紙切れや付箋紙など何でも良いが全て同じサイズであることが望ましい。カード1枚
にキーワード1つを書き出していく。その際、第3者に誤解を与えないよう具体的、
かつ簡潔な表現で書き出すよう注意する。
②グルーピング
書き出したカードを机やホワイトボード上に無造作に並べる。カードを1枚ずつ
読み上げ、印象が似ているもの同士を近くに寄せ、小グループに分類していく。
その際、自分の知識や経験で分類するのではなく、直感で分類するよう注意する。
分類された小グループには、できるだけ具体的な表現で見出しを付ける。その後、
中グループ、大グループとグループ化を繰り返し、最終的に大グループが5,6個
くらいになるようにする。
③図解化
大グループ間の関係を図解化する。グループ間の関係(相互・対立・原因と結果など)
が分かるように線でつないだり、丸で囲んだりする。このような図解化を中グループ、
小グループの順に繰り返していく。こうすることでグループ間同士の関係を可視化して
いく。
④文章化
図解化したものを文章で表現する。それによって図解化の矛盾や誤りを発見できる
ことがある。あらたな発想がひらめくこともある。最終的には図解化、文章化され
たものをにらみながら討論を行い、検討テーマの本質を見極めていく。

KJ法の骨格は、一つの情報を一つのパーツとして扱い、ボトムアップ式で全体像を
構築していく方法論であり、手法的にはマインドマップと似通ってもいる。
また、カードを1枚1枚書いていって、それをいちいち自分で並べ替えるので、あまり
スマートな方法論には見えない。
このため、別な言い方をすれば凡人のための発想の補助装置がKJ法でであり、
そういう補助装置的側面から見れば、
・一つ一つの要素を記憶するのではなく、カードに記録し
・空間配置で意味的関係を表現し
・それらを机上に並べることで全体像を示す
というのがKJ法の肝になる。

発想の途中経過をカードと空間を使って記録することで、脳のリソースを別の作業に振
り分けられる、というのがポイントとなる。
更に、④の文章化はないものの、①~③は、基本的にマインドマップの手法にも、使え
る。
KJ法とマインドマップを組み合わせながら、自身の発想に活用することも面白い
かもしれない。

3.NM法について
工学者・中山正和が提唱したNM法では、考えるヒントを得る『着想』と有効なアイデア
を思いつく『発想』を分けて考え、一定の技法的手続きに従うことで具体的なテーマ(
問題)を解決するためのアイデアを得ようとするものである。
NM法の具体的な技法には、雑多な情報からテーマに関係するヒント(類似性のある
情報)を着想するための「T型展開」、カードに書き出したアイデアを何段階かの過程
を経てグルーピングしアイデアを得る「A型展開」、過去・現在・未来の時系列の中
でアイデアを実用化していく「S型展開」等がある。

1)やり方概要
ある製品の売り上げを伸ばすアイデアを見い出すために、「自然界でうまくお客を集め
ているものはないか」と考える。そして、「れんげ草には、蜂や蝶がたくさん集まる」
→「れんげ草は一面に咲く」→「広域広告を出せば製品が売れるのではないか」→「全
国紙にカラーで広告を出したらどうか」というように発想を展開するわけである。世の
中で一般的に出回っている缶ビールのふたや灰が飛ばない灰皿などは、NM法によって発
明されたと言われている。NM法の基本的な手順は以下の通りである。
①KW(KeyWord)フェーズ
テーマに関連したキーワードを書き出す。「何を解決すれば良いのか」「何が求められ
ているのか」といったことに着目し、なるべく動詞や形容詞で連想しやすいキーワード
を書き出すのがポイントである。
②QA(QuestionAnalogy)フェーズ
キーワードに類似性のあるものや類推できるもの(アナロジー)を書き出していく。
アナロジーの手掛りは、日常生活で目に触れる道具や社会現象、人体や動植物の仕組み
や動き、自然現象や自然界にあると言われる。テーマから離れ、直感的に思いついた
ことを数多く書き出すことがポイントとなる。
③QB(QuestionBackground)フェーズ
アナロジーに対して「何故そうなるのか」「どういう仕組なのか」という観点から背景
を考え、それを書き出していく。1つのアナロジーに対して10個程度の背景を書き出す
ことが望ましい。
④QC(QuestionConcept)フェーズ
背景の中から、今回のテーマに役立ちそうなアイデアはないか考えていく。1つの背景
から3個程度のアイデアを出すことが望ましい。全く関係なさそうな2つの背景を、
無理やり関連付けて1つのアイデアを出すことも良い方法とされる。
⑤整理統合フェーズ
QCの段階を経てもまだ漠然としたものが残るので、ここで一旦整理しながらアイデアを
煮詰めていく。必要であればキーワードを追加したり、複数のアイデアを組み合わせし
たりして、他にアイデアがないかどうか検討していく。

2)NM法の活用例
現在、缶ビールなどのふたを開ける時は、指でひっかけて引っ張れば簡単に開
けることが出来るが、これはNM法によって開発されたもの。
①NM法の手順・・・・問題を解決するための手順。 
・缶のふたをパクリと開けるにはどうすればよいか?
(要はどうすればよいのか)→パクリと開けばよい 
・自然界でパクリとうまく開いているものはないか?
(はまぐりは貝柱でしまっているがゆるむと開く)(火山はマグマが集まって、
 ある時爆発して開く)   
・問題を解決するにはどうすればよいか?
 火山の爆発やはまぐりを参考にするとどうなるか?
 (缶のふたにあらかじめ丸い切り目を入れておいて、必要なときに力を加えれば、
 パクリと開けられる)
②NM法のポイント
この方法は類比発想といわれ、うまくいっている成功例(できれば自然界が望
ましい)を参考にすることと、要はどうすればよいのか、という簡単な動詞にして
考える(なぞらえる)ことがポイント。
具体的な活用法として、例えば、新幹線の中で外の景色を見ながら、きれいだな、
と思ったら、それを今抱えている問題になぞらえると、どうなるのかな?、と
見ている景色をヒントにしながら、問題解決の方法を考えると、グッドアイデア
が浮かぶかもしれない。世の多くの人は、他ごとを考えている時にふっと
ひらめいて、良いアイデアが浮かんでいる。

このようなやり方は、日常的にも、結構無意識でやっていることも多いもの。
類比技法の代表的なものであり、ステップが単純で分かりやすく、類比技法と
しては日本で一番普及している。技法として使わなくても、NM法のような
類比を使っての発想法はアイディア開発に大変有効といえるかもしれない。

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