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2014年10月18日

2014.10.18

自分の住んでいる処を知る

志賀に住んで16年、ここの自然と地域の人々との関係を
深める度に、和辻哲郎の「風土」を思い起こす。

日本が、明治時代を経て、西洋化、文明化したとは、言え、
その本質は変わっていない。様々な人々が、其々の視点で
述べているが、和辻哲郎は、モンスーン地域、沙漠地域、
そして、地中海を中心とする牧場地域などを自身の観た感触
と全体感覚で、まとめている。
それから、既に、80年以上、社会の変化は激しく、インターネット
による電脳世界となった今でも、人間が、その生活空間
から脱し得ない限り、この風土との関係は切れないはずである。
特に、我が住む周辺では、まだその原風景、人々の意識が残っている。
私は、これを旧いとは、思ってはいない。
むしろ、これからの大切で有益な地域資産、資源である。

和辻は言う「我々は、風土において我々自身を見、その自己
了解において我々自身の自由なる形成に向かったのである。
我々はさらに風土の現象を文芸、美術、宗教、風習等あらゆる
人間生活の表現のうちに見出す事が出来る。
以下に、
1)風土を人間存在の1つとして規定する
人間を根本的に把握する為には、個であるとともにまた全である
如き人間存在の根本構造を押さえるべきである。
2)人間存在の二重性格がまず、人間の本質として把握される
ならば、時間性と同時に空間性が見出されねばならない。
3)人間の創る様々な共同態、結合態は、一定の秩序において
内的に展開するところの体系である。
4)人間存在の空間的、時間的構造は風土性、歴史性として
己を現して来る。

以上から、
主体的な人間存在が己を客体化する契機は、ちょうどこれらの
風土に在するのである。
、、、、、、
従って、主体的なる人間存在の型としての風土の型は、風土的、
歴史的現象の解釈のみ得られる。人間の存在認識と構造の把握は、
風土の型を捉える必要がある。

和辻は、類型を3つに分類している。
・モンスーン地域
一般的にモンスーン地域の人間の構造は、その風土の激しさから
受容的忍従的と考える。その構造は湿潤。特にインドの人間において
文化的に、歴史的感覚の欠如、感情の檄性、意力の弛緩として現れている。
様式的には、全体として明白さを欠き、非構造的である。
これは、西洋の人間中心主義的な芸術的統一とは全く異なる。
・沙漠地域
沙漠を人間のあり方として考えると、人間が個人にして同時に社会的で
あり、その具体性においてはただ人間の歴史的社会にのみ現出する。
沙漠の本質は、乾燥、と考える。従って、渇きであり、水を求める生活
となる。これにより、対抗的戦闘的な関係が在する。
特にそれは、その共同体において明白である。
沙漠の民の特性は、思惟の乾燥性、意力の強固さ、道徳性傾向の強烈さ、
感情生活の空疎(心情優しさや暖かさの欠如)と言われている。
・牧場地域
これは、ヨーロッパを中心とした風土であるが、湿潤と乾燥との総合と
考えられる。ただ、乾燥期の特徴は、地中海、特に、イタリアによく
現れているが、フランスやドイツではまた異なる風土が存在する。
そのため、その地域の文化形成は、歴史的、風土的な制約をうけるものの、
その風土的な限界を超えて形成できる事を、ギリシャやイタリアの文化
から、知り得るものでもある。
・日本の場合
日本でもモンスーン的な風土類型を逃れる事はできない。
受容的、忍従的である。ただ、その受容的性格は、少し違う。
まずは、熱帯的、寒帯的であり、しかも、季節的、突発的でもある。
所謂、台風的なのである。
しめやかな激情、戦闘的な快活なのである。
更に、家は家族の全体性を意味する。
家族の全体性が個々の成員よりも先に位置付けられるのである。
家こそが、先ほどのしめやかな激情、戦闘的な快活と言う間柄
を顕著に発達させたのである。
そのため、日本におけるうちとそとは、重要な意味を持つ。
それは、個人の心の内と外であり、家屋の内外であり、
国あるいは町の内外である。
家に規定されている個人主義的、社交的なる公共生活は、全く
取り入れていないと言える。
これは、宗教的な信念や人間としての隔てなき結合の尊重となている。
すなわち、日本の人間がその全体性を自覚する道も、実は、
家の全体性を通じてなされる。
すなわち、日本の国民は皇室を宗家とする一大家族なのである。

主体的なる人間存在の型としての風土の型は、風土的、
歴史的現象から捉えられる必要がある。
との言葉には、大いに共感する。この考え方は、これからも、
私自身が地域の中で、何かをやる場合でも、まずは、意識
すべきことである。

中小企業も世界で頑張る!

価値連鎖(かちれんさ)は、マイケル・ポーターが定義した言葉ではあるが、
価値連鎖という言葉が示すとおり、購買した原材料等に対して、各プロセス
にて価値(バリュー)を付加していくことが企業の主活動であるという
コンセプトに基づいたものである。
(売上)-(主活動および支援活動のコスト)=利益(マージン)
であるため、価値連鎖の最下流にマージンが記載される。
そこでは、主活動の構成要素の効率を上げるか競合他社との差別化を図る
ことで企業の競争優位が確立するとした。
また、価値連鎖が企業の競争優位性をもたらす理由は、企業内部の様々な
活動を相互に結びつけることで、市場ニーズに柔軟に対応することが可能
になり、結果として顧客に価値がもたらされることに求められる。
つまり、コストリーダーシップ戦略をとるにせよ、差別化戦略をとるにせよ
単にそれを引き出す為の個々のシステムを独立して構築するのではなく、
それらを上手く連結させ「果たして企業全体としてこれらの戦略が実際に
達成できるのか?」を考える必要がある。
そして、その価値連鎖も、そのモデルを大きく変え始めている。

1)複雑化するモノ作りのプロセス
最新のデータ(2013年5月に公開された2009年のデータ)では、電子
・光学機器においては、中国の総輸出高のうち、43%は他国から輸入
された部品・部材の再輸出であり、同様に韓国の輸出の47%、タイ
の輸出の55%、ベトナムの輸出の64%が再輸出である。
また、シンガポールは、フォックスコンなどの電子機器製造受託
サービスの一大拠点であり、「シンガポール製」として輸出される
商品の付加価値の61%が、日本製やドイツ製、韓国製など他国で
生産された部材によって構成されていることが分かる。
もはや最終生産地がどこかという単純な情報だけでは、どの国が一番その
製品の創造に貢献しているかを読み取るのは難しい時代となった。

例えば、iPhoneの最終組立は、フォックスコン(Foxconn)をはじめとする
電子機器受託生産の企業が担っていますが、この最終組み立てという作業
自体の付加価値は、iPhone5s(16GB)の製造原価である198米ドルのうち、
8米ドルに過ぎないとのこと。残りの190米ドルの部品は、世界中の企業が
分担して設計・製造している。そうした精密部品は、日経新聞の推定では、
iPhone6においても、カメラ部品はソニー、液晶パネルはジャパンディス
プレイやシャープ、高周波部品は村田製作所やTDK、そして太陽誘電、
またLEDのバックライトモジュールはミネベアといった日本企業が部材を
提供していると言われている。
実際、OECDとWTOのデータから、1995年から2009年の14年間の推移を分析
すると、全産業平均で見ても、ある国の総輸出高に占める他国で生産
された付加価値の割合は着実に上昇している。

2)頑張る中小企業
経済産業省では、革新的な製品開発、サービスの創造や地域貢献・地域
経済の活性化等、様々な分野で活躍している中小企業・小規模事業者の
取組事例を「がんばる中小企業・小規模事業者300社」として選定している。

例えば、A社は、精密金属加工(腕時計ケース、完成時計、精密部品加工)、
めっき表面処理(プラスチックめっき、基板めっき、イオンプレ-ティング、
特殊陽極酸化処理)、各種機器装置の OEM 生産、省力化装置、産業用ロボット
システムなどの設計藻含め、腕時計ケースには精度のみならず高い質感と
仕上げの美しさが求められている。国内唯一の専業メーカーとして高精度な
冷間鍛造技術及び究極の鏡面研磨技術を保有している。
新要素技術として、特殊陽極酸化処理(ALアドバンス)は厚膜高硬度の
アルマイト処理、窒素吸収処理(ピュアブライト)はニッケルフリ-フェライト
系ステンレス材にオーステナイト系と同等以上の耐食性とマルテンサイト系
以上の硬度を付与する画期的技術の開発に力を入れている。
独自技術である『ザラツ研磨』などの技能伝承に力を入れている。

また、B社では、自動車ブレーキ用精密ばねの製造だが、金型設計
製作、成形、熱処理、研磨、表面処理までの一貫生産体制を整え、
四輪・二輪車向けブレーキ用精密ばねでは国内トップクラスのシェア
を誇る。特にマルチフォーミングマシン技術については国際的にも
認められ、世界のメガサプライヤーとも取引を行っている。
自動車メーカーの中国への海外展開に着目して、いち早く戦略的に
中国への進出を展開(2004年)、同国での圧倒的なシェアを確保している。

この他にも、オンリーワンの技術を培っている中小企業は多い。
また、これら企業は、自社の技術の優位性をキチンと認識し、様々な
ネットワークを活用し、グローバルなプロセスの1つに加わり、
それにより、更に自社技術を高度化するという好循環を実践している。

3)グローバリゼーション化の進化、深化。
グローバリゼーションの深化は、一特殊、他社不在の技術企業として、
表に出ることはなくとも、付加価値創造の最も重要な部分を担う。
たとえ規模が小さくとも、たとえ一般への知名度がなくとも、その希少性
を背景として世界的な価値連鎖全体に対して、非常に強い影響力を行使する
ことが可能となる。
今や3Dプリンターにより、個人がモノづくりができる。
3Dプリンターで部品を作ることで、その部品を制作するための金型を
作る必要がないというメリットはあるが、これは、特に進化の著しい
製品や小ロットの量産製品においては有効となる。こういった製品は
性能を向上させるために、頻繁に設計変更がかかり、金型を作って
しまうと、設計変更のたびに金型を補修しなくてはならない。
このコストはバカにならない。
また、頻繁に交換が生じるような消耗部品にも有効。部品の3Dデータは
自社のWebサイトなどを通じてユーザーに提供してしまう。そうすることで、
その消耗部品に交換が生じた場合には、ユーザー自身が3Dプリンターで
制作できるようになる。メーカーとしては、金型を保有する必要がない
ばかりか、部品を在庫として持つ必要もなくなる。
このため、製造業においては、特にその企業の持つ技術とグローバル化
への戦略が強く求められる。

4)自社の立ち位置を明確にする。
グローバル化の主役は、もはや大規模な多国籍企業だけではない。
中小企業でも、そのチャンスはあり、その挑戦と恩恵を受け入れられる
時代になって来た。
世界的な価値連鎖は、より複雑なネットワーク構造に現代の国際経営は、
より複雑化している。例えば、ロシアの企業が掘り出したインゴットが、
韓国の企業に精錬され、日本の企業によってスライスされます。ウエハー
となったシリコンは、アメリカで回路を焼きこまれ、マレーシアで部品
として完成し、中国の工場でパソコンに組み立てられる。さらにその
パソコンは、英国で販売され、東欧諸国がカスタマーサポートを担い、
アフリカの企業によって中古品として流通することになる。

このような複雑な付加価値創造の連鎖を捉えることができなければ、
企業経営、その戦略は上手く行かない。
また、その完成品メーカーの裏側で、市場を独占し有意な立場を継続
している企業は数多く存在する。先述のLEDバックライトモジュールの
ミネベア、高周波部品の村田製作所などは有名な事例であり、京都には、
村田製作所以外にも多くの企業がある。また、中小企業でも、重要な
部品の精密加工技術やコア部品の中の内部部品の提供など頑張っている
企業も少なくはない。
自社の持つ技術が、どのようなプロセスの中で、どのような優位性を持ち、
世界に通用するのか、考える時代である。
同時に、トーマス・フリードマンがその著「フラット化する世界」でも
指摘している様に、旧来の産業のグローバル化が個人レベルのグローバル化
に移りつつある時代には、他者との共同作業やまとめ役、全体のつなぎ役
となる人が必須となる。中小企業でも、そのような人やチームの育成を
必要としている。
以下のフリードマンのフレーズを心に留めてもらいたい。
「小は大を演じるべし。大物ぶるのが、更にグローバル化(フラット化)
する世界で小企業が繁栄する1つの方法だ。イマジネーションは必要だが、
それだけでは足りない。想像したものを工夫できなければならない。
小が大を演じる秘訣は、より遠く、より速く、より深い所を目指し、
共同作業の新しいやり方(ツール)を利用することだ。」

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