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2014年10月24日

2014.10.24

進む格差社会とフラット化する世界

「国民総中流時代」というのが、昔あったような気がする。
既に、死語になった。厚生労働省の賃金統計のデータでも、
明確に出ている。
格差は、確実に進んでいるが、それは日本だけに限った話ではない。

1)進む格差
最近の年収300万円以下サラリーマンの割合の推移では、年度を
経るごとにその割合はどんどん増加している。
2002年には年収300万円以下の割合は34%ほどだったが、最近
では40%を超えるところまで増加している。
多分に、多くの人が感じていることであろう。
約4割弱近くの人口が年収300万円以下となっている。

その最も大きな理由は、こういった下流の人たちには格差社会
を生き残る知恵というものが無いために、以前にも、書いた
「機械との競争」に追いつけない人であり、急激に変化する
社会を認識できていない人かもしれない。
更に、団塊の世代の人の所得分布でも、団塊の世代はすでに
高齢であり、年功序列によって比較的高い賃金を得ているはず
の世代のはずだが、実際は、20%以上の人が年収300万円以下
であり、中には年収150万円以下の ”高齢ワーキングプア”
の人も10%いる。日本の高度経済成長期を謳歌し富を蓄えて
きたはずの団塊の世代にも、これほどの貧困層が存在している。
しかし、年収300万円以下の人が20%もいる一方で、年収700~
1000万円の人たちも同じぐらいの割合が存在している。
特に年収1000万円以上の人も10%以上いる。
本来は年収が高くなるにつれてその割合も減っていくものだが、
この世代はどうやら違う様である。
年収が低いところと年収が高いところに偏っている。
つまり団塊の世代は他の世代よりも同年代の格差が非常に大きい。
これは平成不況によるリストラなどで一気に貧困層に落ちて
しまった人と、既得権益を守りきった人の差が大きいと
考えられている。

厚生労働省の平成19年度の 「賃金構造基本統計調査」 による
年収200万未満の労働者を年代別データでは、日本では
年収200万未満の労働者をワーキングプアとみなしているので、
ワーキングプアは全ての年代で30%以上を超えており、年収200万
未満の労働者が1,000万人以上いることが分かる。
そして特にワーキングプアが多い年代が、20~24歳の若年層と
50歳以上の中高年である。
特に40代からはどんどんワーキングプアが増加していき、60歳以上
では、グンと増えている。高齢になればなるほど所得格差が拡大
していることからも、高齢になるほど低所得である高齢ワーキングプア
が増えている。
これは、少し前に放送されたNHKの高齢者のワーキングプアの
放送からも、覗える。

2)世界的な所得格差への懸念増大
最近、ピケティの本が多くの人に読まれているとのこと。
ピケティの本は現代の多くの人が関心を寄せる所得分配の問題に正面
から取り組んでいる。この本は、多くのデータから次のように要約できる。
第1に、程度の差こそあれ、世界中で所得と富の分配の不平等化
が進んでいる。
第2は、その原因は経済成長率と資本の収益率を比較したときに、
後者が前者を上回るところにある。経済全体のパイの大きさが拡大
する分よりも、資本が拡大するので資本の取り分が増えている。
確かに、1914年から1945年にかけて一時的に大戦と大恐慌と税制の変化
で大幅に平等化が進行し、所得分配の不平等化の進展に歯止めがかかった
ことがあった。しかし、最近では資本の収益率が経済成長率を上回る
ことによる所得格差拡大の力、「資本主義の根本矛盾」とピケティ
は呼ぶ、が回復してきており、将来もこのままの事態が続く。
第3に、所得分配の不平等化を是正するために各国政府はグローバル
資産税を課すべきである。その資産税は累進税であり、たとえば
最低年0.1%から始まり、50万ユーロを超えると2%という税率
が考えられる。
マルクスの直面した状況は、産業革命後、まさに所得分配の不平等化
が進展した時代だった。激動のこの時代を要約するのは、
1832年の政治改革で財産のある人々まで参政権は拡大したものの、
社会の大多数を占める人々はまだ排除されていた。これは貧困と
格差による彼らの不満と不安を増徴する言葉であった。
同様のことが、現状、更に進みつつある。

2)グローバル化と格差
グローバル化が進むと、市場は不均衡になる。
そこには3つの理由がある。
まずは、グローバル市場では、利益は等しく分けられない。
結局、人的資源、資金、企業家精神が大きいほど優位である。
こういった市場で利益を得る人には教育が大切であることが
分かっており、特に90年代以降は、教育を受けた人の価値
は世界中で上がってきている。市場の拡大とネット技術の
発達などにより、人材を求めるときに、人数よりも能力の
高さ・スキルの必要が高まっている。
この結果、国内で格差が生まれており、中国とインドは
よい例であろう。能力のある人材の流出も始まり、国家間でも格差
が広がり始めます。国によってはグローバル化のために、良く
ない方向に向かっていることもある。マリ、ウガンダ、ベネズエラ
などの国では、石油、コーヒー豆、綿花など一次産品の輸出
に依存して、経済を貿易に頼っているが、輸出品の値段が
下がっているために、成長につなげられない。グローバル経済では、
教育が大切なので、しっかりとした施設が必要となる。

グローバル化が不公平をもたらす2つ目の理由は、世界市場が
完全市場から程遠いということ。たとえば、公害を引き起こした
国がその代償を支払わないのは市場の失敗であり、温室効果ガス
をたくさん排出するアメリカはその責任を貧しい国に課している。
タイ、韓国、ロシア、ブラジル、アルゼンチンでの90年代の
金融危機は、先進国が政策を間違ったのがそもそもの原因でもある。
例えば、先進国の公債費はGDP比2-3%ですが、後進国は
10-40%で、そして高金利により投資、雇用を縮小させ、
財政的に教育や健康に投ずる余裕を奪い、失業保険などの
セーフティネットも貧弱になって行く。

最後の理由として、世界市場では、貿易、移住、知的財産などは
自然と先進国の力を反映するので、経済格差が広がる。
裕福な国の農業補助金と途上国を差別する関税を減らす争いは、
良い例であるが、TPPなどで、どこまでお互いの利益が獲得
できるかが見えてこない。

しかし、トーマス・フリードマンが「フラット化する世界」でも、
指摘している様に、フラット化がいくら進んでも政府の役割は
残っていること、各国の事情によってグローバル化への独自の
活かし方があること(メキシコ、アイルランド、中国の例が
あがっている)、企業がフラット化によって変えるべきなのは
「自分たちよりも顧客のほうが知恵がある」と思うべきだ
ということ、結局はグローカリューションはグローカリゼーション
(グローバル=ローカル=個人レベル)でもあること、
それ故、最も発揮されるべきは、個人レベルでのイマジネーション
と言っている。
世界は、大きく変わりつつあるが、未だフラット化していない世界
もある。
自身の新しい世界への関わりの強さが強いほど、格差縮小には
必要である。

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