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2014年11月28日

2014.11.28

日本的サービスとは?

東京オリンピック決定時にでた「おもてなし」、即ち、日本的サービス。
また、数年前から、サービス工学などとして、定量化、理論化などが
実施されてきている。これらは、ビジネス的にも、会社の業績に直接
関わっているので、現場での実施と活用がドンドン進んでいる。
例えば、3,4年前に持てはやされた回転すしのサービスの素晴らしさなどは
既に、当たり前になったのか?先進サービスとしての紹介は多くない。
そんな中、NHKにて、日本サービスの特番をやっていた。
しかし、紹介の中では、NHKも日本的サービスを深く理解しているのか?
疑問の点もあった。しかし、この課題、中々に難しい。

1)日本的なサービス事例
①算数教室のアジア展開で、日本では、14名しか居ない生徒が
例えば、ジャカルタでは、7000名以上の生徒数を開拓したとのこと。
その特徴は、独特の算数の解き方と1教室5,6名の生徒でしか
やらないという2つが大きいようである。当然、出来ない人には、
先生がその問題を理解するまで付き合う。家にまで行くこと
があるとのこと。

②松山にあるお茶の老舗が、シンガポールに出店し、「お茶に
ついての薀蓄」を語ることが評判となり、売り上げを伸ばしている。

③コンビ二の何時でも、何でもあるという便利さに惚れ込み、UAEの
皇太子がセブンイレブンの出店をさせた。現在、セブンの場合は、グローバル
な展開で53000店舗があるが、これを「単品管理と現場力」で、
「顧客が満足をするには、どうすればよいのか?」を基本テーマとして
展開している。
「単品管理も現場力の改善」も、全ては、顧客満足度を徹底的に高めるために
開発されたのである。

④QBと言う1000円のヘアカットでは、自社のビジネスモデルを
徹底的に検証し、「カットのみ」が自社のビジネスとの結論を得る。
全てがこのビジネスを上手くまわすために実施されている。
例えば、「洗う」と言うプロセスはない。
そして、この想いをキチンと実践できるのは、人である。
間違ったスタッフをダメと怒鳴るのではなく、「何故、そこを自身が悩んで
いるのか?出来ないのか?間違ったのか」を徹底的に考えさせることが
自社の思いや使命をキチンと理解してもらえるからだ、と言っている。
人材の育成としての「身体で自社の使命」を深く理解させることでもある。

⑤旅館とホテルはどのように違うのか?
これは、星野リゾートの社長が長年悩んできたテーマであるが、1つの
回答らしきものを掴んだとのこと。
欧米系の有名ホテルは、徹底的なマニュアル中心の顧客サービスで、
グローバル的な一律サービスを進めており、それが、顧客サービスの
基本としてきた。しかし、顧客もその好みや嗜好が多様化してきた。
その国独自のサービスやその地域でしか味わえないサービスを
望み始めている。この顧客ニーズの多様化をどのように埋めていくのか?
いま、多くのホテルが直面している課題でもある。

そして、そのキーワードは、「人」かもしれない。ある旅館では、顧客
への対応は、全てその担当となった客室係に任せている。
例えば、顧客の宿泊状態をその係が見て、必要であるならば、食事
の内容から部屋の変更前行う。マニュアルが存在しない。更に、顧客
の状態をより深く知るために、全員での情報共有も行い、夫々の係から
顧客対応のためのアイデアややり方について出してもらう。

星野リゾートの社長がホテルと旅館の大きな違いを
「ホテルの場合は、顧客とスタッフは絶対的な主従関係」が基本であるが、
「旅館の場合は、その関係が対等である」と言っている。
要は、「言われたからやる」のではなく、「この人が満足してもらう」には
どうすればよいのか?を考えるのである。

サービスの基本が「人ありきの現場力」と考えるか、「マニュアルありきの
統一力」の違いとのこと。
更に、「サービスに終わりがない」と言うのも、日本でのサービスの基本と
想われる。先ほどの算数教室、セブンの単品管理などに如実に出ていたが、
「サービスは決められた時間が来たからこれで終わり」と言うものではない。
顧客がサービスを納得し、また次にそのサービスを受けたいと思う様に
なるまで、サービスは続くのである。

⑥国内での様々な「おらが流おもてなし」の例。
別な日に、NHKで、おもてなしの特集をしていた。
各地における様々なおもてなしの表現について、記録したものであり、
そこから、「日本のおもてなし」がどういうものか?を見てもらうという
趣旨なのであろう。そこからは、個々に考えないとダメな様である。
・唐津くんち
祭りに参加する人は、どこの家にでも、出入り自由。その家の女性たちは、
誰彼構わず、料理を出していく。これも「おもてなしの心」具現化。
・四国遍路
遍路する人へ飲み物や食べ物を出して、一時の休息をしてもらう。場合により、
無料で宿泊もさせるとのこと。
また、大師堂と呼ばれる道端のお堂も宿泊のために建てたりしている。
・京都対龍山荘では、東山を借景とするおもてなし。
・桂離宮も、同様の借景によるおもてなしがあるが、これは、待月亭からの
月を借景として見ることでのおもてなし。
・高知県加美市物部の自給自足生活での工夫した食材によるおもてなし。
・白川村の村人を集めた祭りとしてのおもてなし。

形態は、食や景色、など、様々であるが、幾つかのおもてなしの事例からは、
それだけ、そのためと言うことよりも、「日常の流れの中で、少しそれに時間と
手間をかける」のが、日本流のおもてなしかもしれないのでは?と想った。

2)ハイサービス化に向けて
「ハイサービス300選」が各業界で、その仕組み、人材育成などを総合的
に評価している。
http://www.service-js.jp/modules/contents/?ACTION=content&content_id=322

ハイサービス300選の選定ポイント
①イノベーション
これまで人により実施されていたサービスについて、技術を導入することで
イノベーションにつなげているか(例:ロボットスーツの活用、サービス
設計CAD)。
・ 人の行動を科学的・工学的に分析し、質の高いサービスの提供につなげているか。
(例:消費者の視点分析)
・「経験と勘」に頼っていた従来のサービスを モデル化し、最適化しているか
(例:エアライン の搭乗時間の最適化)。
・市場化された技術や他分野では既に普及している技術を活用してサービス
提供を行っているか(例:GPSを活用したタクシー乗務員の行動分析)。
・その他、サービス分野において「科学的・工学的」な観点からアプローチ
を行い、生産性の向上につなげているか。等

②サービスプロセスの改善
サービスの提供プロセスにおいて、IE(インダストリアル・エンジニアリング)
手法、カンバン方式、ロボット、QCなど、効率化のための工夫を行っているか
(例:作業動作の分析による作業動線の短縮・重複作業の削減)。 等
③サービスの高付加価値化
・ 提供するサービスについて、お客様の満足度や品質の測定、ニーズの掘り
起こしなどを行うことで、満足度の高いサービスの提供を行っているか。
・ホームページなどを効果的に活用して、自社サービスの情報提供や積極的な
コミュニケーションの実施など、ニーズに的確に対応した取組を行っているか。
・お客様からの苦情・問い合わせに対して、専門窓口・担当者を設けるなど、
積極的に対応しているか。 等
④人材育成
・採用・配置・育成・処遇に関して、従業員のモチベーションを向上させ、
ひいてはお客様の満足度や生産性の向上につながるようなユニークな
人事制度を構築しているか。 等
⑤国際展開
・ユニークな強みを有し、積極的な国際展開を行っているか。 等


3)外国人の視点の違い
外国人観光客が日本で最も感動した点として、京都などの神社仏閣以上に、
「新幹線ホームに整然と体育座りしている修学旅行生(小学生)たちの姿」
を挙げるなど、我々日本人とは異なる視点からの日本評価に驚くことはとても多い。

「ジョハリの窓」を持ち出すまでもなく、「他国民は知っていても自国民は知らない自
国の姿」というものが産業・観光分野においても多々存在する。

また、バブル崩壊以降の長期低迷を通じて日本人がすっかり自信を失ってしまった
のに反し、諸外国においては今や“空前の日本ブーム”であり、その温度差
が著しく拡大しているという現実もある。

もちろん、日本を訪問した外国人と言っても、その質において多様である。
ここでは、一過性の旅行者ではなく、明確な問題意識を持って日本を訪れ、
長期滞在した人物に限定したい。それによって、表層的な“異国趣味”で
日本を礼賛するような向きを排除し、専門性をベースにした忌憚のない
評価・意見を抽出する。
こうした観点から今回調査した結果浮かび上がってきた彼ら共通の関心事・
評価ポイントは4つ、すなわち「建築」、「工芸」、「子ども」、「女性」
である。ある著名な建築家によれば、日本文化の本質は、
“簡潔”、“明確”、“清純”にある。
その典型例が伊勢神宮(外宮)や桂離宮であり、そこに見出される本質は、
日本各地に根づく伝統的な日本家屋や工芸品、さらには一般庶民の生活
様式の中に生き続けていると言う。
そして、日本文化のこうした特質は時代を超えて“現代的”であり続け、
それを追求することこそが、日本が世界に貢献できる一番の道であると、
彼は喝破しているのである。

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