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2015年4月3日

2015.04.03

シェアサービスの進化

三年前に「シェア(共有からビジネスを生み出す新戦略)」の本が出たときに数回
のセミナーがあったが、的外れな質問、回答もあり、シェアの理解がいま一つ
であると感じた。また、大津の「結」にも見られるように地域での相互扶助の
仕組みは、多くの地方で存在していたが、70年代、80年代と物質的な豊富さ
とともに、リアルの世界では一層薄れてきたようである。
「シェア」の中でインターネットを活用した様々なビジネスモデルの紹介をしている。
そのほとんどがまだ、日本では、十分な形となっていない点は、先ほどの参加メンバー
のレベルでも分かる。リアルで存在した昔の常識的な共有的行動が、インターネットの
圧倒的な広がりの中で日本では、ビジネス、地域社会の中で、馴染んでいく
のだろうか、当時はそう思った。
そして現在、リアルでの衰退は加速しつつあり、WEBの世界では、いま1つその拡大
に弾みはついていないように見える。
ここでは、「シェア」での指摘事項と現在のシェアサービスの動きを概観してみたい。

1.「シェア」から考える。
シェアには3つのパターンがあるとのこと。
①プロダクトサービスシステム
所有よりも利用の考え方で、その製品から受けたサービスを利用した分にだけ支払う
コインランドリー、車、あまり使われていない私有物をシェアにより最大限に活用出
来る。
②再配分市場
中古品、私有物を必要とされていない人から必要な人へ配り直す、または交換する。
 服、本、などリユース、リサイクル、リペア
③コラボ的ライフスタイル
同じような目的を人のための時間、空間、技術など眼に見えにくい資産を共有する。
いずれも、参加メンバー、扱う量などを問わなければ、我々の身近にはある
サービスである。
また、これをビジネス化、社会適用するためには、幾つかの条件が必要とも言う。
①クリティカルマスの存在
 十分な消費活動を実現するためのある程度以上の数が必要であり、
 社会承認を得るためのイノベータ的な消費者を確保する必要がある。
②余剰キャパシティの活用
 車、自転車のような眼に見えるものに限らず、時間、スキル、空間なども
 その対象となる。
③共有資源(コモンズ)の尊重
 共通の興味を持つ人が価値を生み出しコミュ二ティを作るための新しい
 コンセプトが必要となる。公共サービスの再定義が必要でもある。
④他者との信頼
 程度の差はあるものの、見知らぬ誰かを信用しなければ成り立たない。
 参加者が同列で、共有資源を自己管理できることが必要要件でもある。

以前には、③、④がその条件を満たしていたが、最近は、①、②となり、今後は、
③、④を如何に「人に当然の意識化させる」のか?様々な事例として上がっている
サービスが日本の中で実現できる要件となるのでは。
紹介されているサービスには、NPO、民間企業でも、あまり人、モノ、金を
掛けずに出来るものもある。
・ご近所とのモノの貸し借りをするサイト
   http://new.neighborgoods.net/
・自分の部屋、家を貸してあげるサイト
   http://www.airbnb.com/
・物ぶつ交換(日本でも小さいサイトは結構あるようです)
   http://www.livlis.com/(これもTwitterで交換する日本でのサービス)
・自転車の共有サービス(日本では有効と思うのですが)
   http://www.velib.paris.fr/
・スキル交換などを主としたコミュニティサイト
   http://ourgoods.org/
最近ではメジャーになった車シェアのzipcar、旅行者のためのカウチサーフィン、など
多数存在する。
日本では、先ほどの①から④の条件は満足している、と思う。戦後、やや希薄となった
③、④も基礎的な意識の中では、十分、存在する。そして、更に進む生産と消費をする
人口の圧倒的な減少は、シェア(共有)化を推し進める原動力でもある。情報流通の
速さと合わせ、実現のための外部環境は整っている。一歩の踏み出しだけである。
個人としても、スキルのシェア化、ご近所との貸し借り、または物々交換は、地域活性
化と合わせ、是非実現したいサービスでもある。

2.現在の「シェアサービス」は?
最近頑張っている幾つかのシェアのサービスがある。規模的には、3年前にサービス
していたものよりも大きくなっている。しかも、旧来の「ものや活動」をベースとする
サービスから「人」をベースとするサービスにそのビジネス主体が変わってきている。
以下の最近のそのようなサービスを紹介する。

1)Airbnb (エアビーアンドビー、エアビーエンビー)
宿泊施設を貸し出す人向けのウェブサイトである。192カ国の33000の都市で
80万以上の宿を提供している。
このサイトの利用者は利用に際して登録して、本人のオンラインプロファイルを作成す
る必要がある。すべての物件はホストと関連付けられており、ホストのプロファイルに
は他利用者からのお勧め、泊まったことのあるゲストからのレビュー、また、
レスポンス・レーティングやプライベートなメッセージングシステムも含んでいる。

2)Uber (ウーバー)。
スマートフォンを活用したハイヤー・タクシーの即時手配サービスを提供する。
すでに世界42カ国、150ほどの都市で即時手配サービスを実施している。
すでに日本に進出済み。本格運用は2014年3月から台数限定、東京都山手線内側
の南半分限定でハイヤーの手配サービスを行っている。
ウーバーが新たに始めるのは、タクシーを手配する「uberTAXI」、ハイグレードタクシ
ーを手配する「uberTAXILUX」の2種類。ウーバーと契約したタクシーにはウーバーから
支給されるiPad miniと携帯電話が常備され、ウーバーユーザーからの呼び出しに対応
する。タクシー側のメリットも明快だ。空車で「流し」をしている際に顧客を獲得でき
るチャンスとなるため、稼働率を引き上げる効果を期待できる。
ウーバーは効率的なタクシーの運用に寄与するので、二酸化炭素の排出量を減らすこ
とにつながる。ウーバーはクルマだけのサービスではない。すでに米国の一部都市では
自転車で小さな荷物をデリバリーするサービスをやっている。
東京であれば、日本交通をはじめ、大手タクシー会社はスマホアプリを運用しているた
め、すでにスマホで迎車サービスを使っている人にとっては、あまり便利さを感じない
かもしれない。むしろ埼玉、千葉などの郊外や地方都市に出張した際に、ウーバーで
簡単にタクシーを呼ぶことができれば、かなり便利だろう。

3)Meetrip
Meetripは地元ユーザ(またはガイド)と旅行者をつなげるスマートフォンアプリ
である。
Facebook認証をしてサインアップしたら、地元ガイドは簡単にツアー計画を作
成できる。例えば、旅行者には知られていない古い街並みを探索する3時間のツアー、
地元で最も人気な麺を楽しむランチなどだ。旅行者はおもしろそうなツアーを見つけて
申し込むことができる。ガイドと連絡を取り合うことで、自分だけの完璧なツアーを練
り上げることができるし、値段を含むツアーの詳細は後から変更できるので調整の
余地もある。
Meetripは、アクティビティより「人」に焦点を当てている。
地元の人たちがMeetripを使う動機はいろいろ考えられる。遠くから来た旅行者との
交流や外国語の会話や練習、または地元の特別な場所を旅行者に紹介することなど。
これらはどれも、地元の人たちがアプリを最初に使い始める理由だ。
しかし時間が経つにつれ、Meetripが彼らの大きな収入源になる可能性がある。

4)trippiece
テレビで見かけたあの絶景、いつかはこの目で見てみたい!そんな気持ちを持ったこと
はありませんか?
トリッピースは「みんなで旅をつくる」がコンセプトのソーシャル旅行サービス。
ユーザーの「旅に行きたい」想いが投稿され、それに共感した仲間が集まり、みんなで
旅をつくる。
トリッピースの旅の良いところは、あなたが行きたい場所に行けることとなによりも
日常生活では出会うことのなかった、同じ興味・価値観を持った人達と出会えること。
トリッピースの旅とは?
トリッピースではユーザー自らが行きたい旅の企画ページを作って共有することが
でき、その旅の企画に共感したユーザーが集まり、みんなで旅のプランを作っていく。
旅のプランが具体化されたら、トリッピースと提携している旅行会社がその企画をツア
ー化してご提供する。

5)KitchHike
ごはんを作る人(COOK・クック)とそれを食べたい人(HIKER・ハイカー)をつなぐ
日本発のウェブサービス。例を挙げると、COOKは「トルコに住むGulsahです。
地中海風のフルコースを用意しますよ」と登録。サイトを見て「Gulsahさんの
ごはんを食べたい!」と思ったHIKERが、日付などを指定して連絡を取る。
HIKERはごちそうになったあと、写真付きのレビューも投稿できる。
COOKは提供する料理に自ら値段をつけ(最低価格10ドルより)、HIKERはお代
を支払う。お金のやりとりはPaypalもしくはクレジットカードで行われ、
KitchHikeはその間から手数料をもらう仕組み。現在は英語版のみ提供で、
日本、タイ、カナダなど、13カ国からの登録があり、今後も世界中でサービス
を展開していく予定。
Airbnbでは「家」という元手が必要だが、KitchHIkeで必要なのは料理をつくる「人」
そのものであり、宿泊するのはためらわれる家でも、食卓を囲むことならずっとハード
ルは低くなると言う発想がある。

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