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2015年4月24日

2015.04.24

IOT化の更なる進化

身の回りの顕著さもあるが、個人では感知できない様々なところで、様々な変化が
起きている。
変化のきっかけはスマートフォンの普及だ。どこにでも持ち歩け、インターネット
にいつでもつながるコンピュータであるスマホはITと人との関係を根本的に変えた。
FacebookやTwitter、LINEといったソーシャルメディアの広がりはスマホの広がりに
同期して拡大しているようでもある。ソーシャルメディアにあふれる情報、さらには
GPSを使い、ほぼリアルタイムで個人の居場所を把握できるようになったことで、
情報分析の精度は格段に向上し、同時に多くのビジネスが生まれた。
2015年には世界で19億1460万人が、日本では5740万人がスマホユーザーに達する
という調査結果がある(関連記事:世界のスマホ人口、2015年は19.1億人に、世界人口
の4分の1以上)。この調査によれば、2016年には日本の人口の過半数がスマホ
ユーザーになる。
スマホによってネットを通じて人と人、人と企業がつながる時代が到来しただけでは
ない。さらに機械に搭載したセンサーの情報をインターネットを使って発信する、
いわゆるIoT(Internet of Things:モノのインターネット)が次の時代を
拓いていく。
モノのインターネットは、人が利用するスマホよりも勤勉で過酷な状況に耐え得る。
仕組みさえ整えれば、24時間365日休むことなく情報を送り続ける。
この変化は、すでに我々の生活を変えつつあるし、社会も変わっていく。

日立製作所は2014年6月、植物工場の生産を支援するクラウドサービスを開始し、
日本酒「獺祭」の増産を富士通が支援、日立・トヨタも農業ITに本格参入してきた。
さらに、ITを結び付けて農業の力を高めようという動きは、IT企業だけが進めている
のではない。長年、農業に連れ添ってきた国内農業機械大手のクボタもこの分野に
目を付けている。
2014年8月、山口県の旭酒造と富士通という普段はあまり見ない組み合わせ
の2社が参加するという発表があった。旭酒造は、人気で生産が追い付かず、
「幻の酒」になりつつあると言われる日本酒「獺祭」の製造元であり、発表の骨子は、
ITを活用して、酒造りに適した米である「山田錦」の生産拡大を図ることにある。
人気の高まりに応じて生産を増やしてきた獺祭だが、材料となる酒造り用の米「山田
錦」の収穫量が制約要因になってきた。富士通は農業クラウド「Akisai」から、上手に
山田錦を育てるための栽培手順書、生産管理、作業管理の情報を提供する。
そのため、栽培手順書を作成するために富士通が収集するのが1時間ごとにセンサー
から収集する気温や土壌の水温といった米作りの現場である水田からの情報だ。
ITと米作りというだけではどこが関連しているのかわかりづらいが、センサーから
収集する情報の内容を知ると、その意味が伝わってくる。
あまり結び付くことがなかったITと米作りだが、センサーからの情報収集と分析が
可能になったことで、「山田錦を作るのは難しい」という農家の常識を変える
可能性が出てきた。農業とITの距離はどんどん近づく。IOTの具体的な取り組み
でもある。
また、クボタは、2014年以降に発売するトラクターや田植え機、コンバインなどに
無線LANを標準搭載すると発表した。農機に設置したセンサーから、コメの味や水田
ごとの単位面積当たりの収穫量などを分析し、米作りの改善につなげる。

農業とITの取り組み、連想しにくい両者の関係が緊密になっている、が進みつつある。
生産現場、あるいは利用現場からの情報を収集することで、モノづくりを更に高度化
しようとする考えは大分前からある。しかし、日本の製造業、特に中小製造業では、
Tに対する考えがまだまだツールとしての活用から脱皮していない。
例えば、多くの関連調査でも、日本企業のITに対する意識が欧米に比べて低いと
言われて来た。「日本はコスト削減のツールとしてしかみていないが、欧米では
新たなビジネスを創造するために不可欠なもの」といったことが様々な調査では
言われ続けている。
製造業の姿勢、意識が大きいようである。ITの中核だったソフトは目に見えない。
手で触れる製品を作る製造業にとっては、現場の知恵や匠の技の方が頼りになる
存在だろう。そのような意識と行動が中小企業では少なくない。
だが、リアルタイムでさまざまな情報を収集できるセンサーを取り付け、すべての
製品から、製造時点、あるいは利用時点の状況を分析できるなら次のステップへ
進めるはずである。製品を見る目や触る手の力がITによって一気に拡張し、新しい
行動やアイデアが出てくる可能性が高まる。
センサー情報の力については国内に先例がある。リモートで建設機械の稼働状況を
確認するコマツの「COMTRAX」がそうだ。内蔵するセンサーから各種の情報を収集
することで、保守作業の効率を高めるだけでなく、需要予測などにも有効に使う。
使いこなせさえすれば、収集する情報が増えればできることは確実に増える。
トヨタ自動車、日産自動車、ホンダといった大手自動車会社は自動運転への
関心は高い。しかも、googleと言う全くの異業種の企業が先行しているのだ。
実現のカギはセンサーからの情報とソフトによる情報制御であり、IOTによる
一大変革が起きる可能性は高まっている。

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