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2015.07.03

郷土食で地域のつながりを深める

「郷土職をどう伝えるか」を長らく進めている人の想いが以下のような記事で
綴られていた。
郷土食には先人の知恵と技が詰まっている。日本家政学会の食文化研究部会では
日本各地の食文化に触れる機会が多いが、どこでもその土地の気候風土を生かした
食がある。いっとき、何でも冷凍、冷蔵すればいいと言う事で乾燥の技が遠ざけられた
時期もあったが、昔の業を大事にしていまの人の嗜好にあう食材や料理を工夫
することで新しい形になれる。手間ばかりかかって美味しくない郷土色は淘汰
されていく。
郷土食は地域の人の濃密なコミュニケーションが磨き上げて来た側面もある。
昔は行事や農作業などで寄り集まる機会が多く、そこで作り方や食べ方の情報交換が
行われた。地域の年寄りが作る惣菜やおやつはその食経験の深さが違い、大家族の
職の世話をしてきた経験が健康的で美味しいものを作る努力がそこにある。
例えば、長野で見られる寒の利用だ。寒さと風を利用した、凍み大根、切った餅を
ワラで結んだ凍り餅、凍り豆腐、などがある。
そしてこのような想いで活動しているグループが日本各地かなりあるという。

私の周辺でも、志賀の郷土料理を作り、若い人たちに広めている活動グループがある。
活動を続けて14年ほど経つが、会はまだまだ熱く続いている。
その経過や現在の状況から、地域での活性化の一つとして頑張って欲しい、と思った。
1.活動を開始した動機
郷土料理研究会は平成13年に町の社会福祉協議会のボランティアサークル
の一つとして発足した。その後、郷土料理研究会が設立母体となって、
平成16年には、郷土料理の会が組織され、これまで一体となって活動してきた。
その動機は、
・昔から食べつないできた地域の郷土食が若い世代に受け継がれていないことに
危機感を抱いたこと
・地域の郷土食のなかに培われてきた長年の知恵とわざをお年寄りから学びたい
・郷土食を通して地域のつながりを深め、支え合う社会をつくりたい
があった。
参加されていた方々からのお話でも「地域のお年寄りから郷土食を学びたかった」、
「子供の頃の味を再び味わいたかった」など14年間経てもその動機と想いは
そのまま生きている。

2.その活動について
具体的には次のような活動してきた。
・この地域に受け継がれてきた郷土食をお年寄りから学ぶこと
・郷土食の魅力を地域の若い世代に伝えること
・郷土食を広めることによって食生活の改善を図ること
・郷土食の普及活動を通じて、地域のつながりを深めること
郷土食には手間のかかった深い味わいがあり、幾世代もの人々の知恵がつながって
作りあげてきたもの。郷土料理の会では、このような魅力ある伝統的な郷土食
を地域のお年寄りから直に学び、これをすべてレシピや写真として記録している。
郷土食は栄養的にもバランスがよく健康的な料理が多いので、郷土料理の会
では、郷土食を毎日の食生活に取り入れることを進める普及活動にも積極的に
取り組んでいる。このような活動を通じて、食生活の改善を図り、地域の
つながりを深めることに貢献することも会の大切な活動と思っている。
現在の参加者は地元以外からの人も多く、郷土食を通じた人のつながり、食文化の
継承など、都市化し人のつながりが弱くなる最近の傾向とは別に、地域の重要な
コミュニティとなっている。

3.何故、14年間も続いているのか、
会の発足当初は、80歳代のお年寄りから子供の頃から日常食べてきた料理を
丁寧に聞き取り、実際に作ってもらい食べる勉強を2年間続けてきた。
その間、調理法を記録し、レシピ作りも重ねて、出来上がったレシピをもとに、
当初は、地域で料理教室を何回も開き、その活動を広めてもきた。
郷土食は美味しいという50歳~80歳代がいる一方、若い世代、とくに子ども達
は食べたことがないために、「美味しくない」、「興味もない」という人が多いと
いう現実にもつきあたった。このような経験を重ねて、郷土食は食材の工夫と調理
次第で美味しく食べられることを知ってもらうことも会の大切な役目と分かってきた。
豊かな時代がいつまでも続くか不安がある中、地元で収穫される昔ながらの野菜
などを工夫して食べることを伝える必要があり、地元の野菜などを使うことに
よって、地域の農家も農作物を作ってくれるようにもなると思っている。
参加者のお話でも、若い人たちとの味の違いに悩んだり、地元の食材が手に入らなく
なる心配などが出ていた。特に、湖魚は捕れる量も減り、価格が高騰してきている
ことへの不安は大きい様だ。しかし、自分たちで作った野菜や港まで行って仕入れた魚
だけで料理をすることへのこだわりが14年間続いたのは凄い事であり、それが
会をここまで支えてきたのではないか、と思う。

また、この会の活動を広く知ってもらうため、2006年に「食べつなぐ ふるさとの
食事」という本を出版した。その内容を少し紹介すると、
春は、「もろこ焼き」「なまり節と竹の子、ふき煮」「イタドリの煮付け」など。 
夏は、「ハス魚田」「小あゆの山椒煮」「にしんなす」「なかよし豆」など。
秋は、「あめのうおご飯」「干しズイキとえび煮」「山菜おこわ」など。
冬は、「氷魚のゆず酢」「鴨とクレソン鍋」「いさざ煮」など。
夫々の料理にはレシピがあり、写真とともに美味しさを目で味わえるようです。
さらに、「おせち料理」「きびがら染め赤飯」「はや寿司」ほか色鮮やかな歳時料理の
紹介もある。

4.現在の活動は、
今は、30人ほどの人が参加して、月1回の割合で、郷土料理を勉強している。
例えば、訪問したこの日の料理は、「野洲・守山の伝統料理のおあえ団子」、
「ごはんピザ」、「新たまねぎと鯖水煮煮」、「ふきご飯」をその日の担当メンバーが
中心となりそのレシピに沿って、作っていた。いずれも季節感があり、美味しかった。
会の参加者も地元生まれで育ちの方は7、8名であり、東京、京都や熊本、
奈良などから移り住んだ人、隣りの高島市からなど多方面の人で構成されており、
様々な味感覚で豊かな食作りをされているようである。
参加者の言葉から様々な思いを聞いたが、共通した点は、自然豊かな志賀の味
を家族に食べて欲しいと言う強い思いである。
「姑として、嫁にこの地域の味を伝えたかった」、
「母親として子供たちに地域で取れる食材で手造りの料理を食べさせたい」、
「琵琶湖の魚介類を食材にした料理をもっと知りたい」、
「地元のお年寄りからこの地域の食材を使った料理を教えてもらうのが楽しい」、
「季節に応じた食材を使って四季を感じるのが楽しみ」、
「外から来た人間にとって豊富な湖魚の料理は参考になる」、
「冷凍食品や食材になれた若い人に季節ごとの生の食材の良さを知って欲しい」、
「メニューを決める時、レシピもないのに幼い頃食べた記憶だけから
 料理を再現できた時、”化石を掘り起こした気分”になる」、
「昔、おばあさんが食べさせてくれた懐かしい味が今の若い世代に
 食べつながれることを信じて活動をしている」
など等。

さらに、会の代表のや他の中核の人たちが強調したのは、
「野菜類は自分で作ったものをその日に持ち寄り、魚介類はその日に捕れたものを
使う事が大事であり、これは会の発足当時から守るべきこととして大切にしている」
との言葉であった。また、今の子供たちや若い人に郷土の料理をそのままでは、
味わってくれないので、現代風にアレンジしていく事も大事とのこと。

5.これから更に活動を続けるためには、
今まで会を支えてきたメンバーも年齢が高くなり、これからも活力ある活動を維持して
ゆくためにも、若い人たちの参加を進めて行きたい。また、特に湖魚は捕れる量の減少
とともに価格も高くなって来ていて中々入手が難しくなっている。野菜類も含め、
食材の確保が重要になりつつある。会は、主婦たちを中心とするボランティア活動
であり、資金的な基盤も弱く、どのようにして活動を維持してゆくか資金面でも
課題があるようだ。
しかし、これらの課題に対応しながら、若い世代や子供たちが郷土食に親しみ、
食生活の質を向上させるための取り組みを更に広く知ってもらいたい。
そのためには、他の地域の同じ想いの活動グループとの連携や様々なメディアを活用
した情報発信を考えて行きたい、との熱い想いも語られた。
先ほどの本を出版した時は、新聞社や様々なメディアからの取材もあり、当初は
各地のイベントに参加したりして、郷土料理を広く認知してもらえたが、最近は、
その活動も少なくなり、毎月開催の料理教室が中心となっているようである。
ただ会員規模は今の30名ほどがよいが、自分たちの活動をもう少し広く認知して
もらいたいと言う思いもあり、その両立をどうとって行くのか悩んでいるようだった。
まだ、立ち上げたばかりのfacebook「志賀郷土料理の会」を一度アクセスしてもらうと
その熱気も感じられるのではないだろうか。
https://www.facebook.com/hurusatonoaji?ref=bookmarks

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