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2015年8月28日

2015.08.28

「未来のつくり方」から思う(次の社会のキーフレーズ)その二

さらに、幾つかのキーフレーズが、次への想いとなる。

4)インターネットの更なる拡大がもたらすもの
インターネットの拡大により個人、団体、企業との関わりは大きく変わってきた。
特に消費社会での様々な評価サイトや個人レベルでの評価の重み、など日本でも
5年ほど前から顕著になっている。facebookや幾つかのコミュニティサイトが
社会の基盤のかなりの部分を占め、個人と企業とのつながりもインターネット上での
膨大なデータから更に強まっている。2005年ぐらいから拡大始めた「人を中心
とするインターネット」は人がインターネット上で様々な活動を行う事が主であった。
人の表現力やコミュニケーション力を充実させる事は一定の収束に向い、今は
「データ」と「モノ」がソーシャルネットの上でつながり、IoT、さらに
現在の人が中心のネットと合わせて混在した世界となっている。

更に、その重要な動きの1つがマッシブと言う概念である。膨大な数の人々が同時に
リアルでコミュニケーションし、そのために最適なインターフェイスを提供する事が
今後の満足度をあげるポイントとなる。マッシブは、「膨大な数の個体が凝縮した
群体」であり、従来の均一的なマスとは大きく異なる。そのため、個体と群体
の間にも様々なつながりが出来る。
そして、とスマホの拡大普及によって従来の交換体形とは異なる経済の
体形が可能となってきた。
すでに社会にある資産、資源の中で稼働率が低いものを利用者間で融通させる
事が容易になってきた。8年ほど前からシェアという概念で認知され多くのサービス
が出て来たが、日本では意外とサービス利用は限定されているようである。
このサービス普及には、技術的な革新性よりも文化的な土壌が優先して
いるようである。

永年培われた生活文化は、新しいツールが出て来たといっても、それが使う側に
よほどの便益を与えないと難しい。携帯やスマホが多く受け入れられたのは、
使う人々が今までにない便利さを感じたからであろう。シェアサービスが
受け入れらるかは、習慣や使う側の文脈がないものに対しては、難しいのであろう。
ただ、この有限と見られ始めた様々な資源を効率よく、有益に使うための
インフラとしては広範なレベルでの活動として今後も進めることが求められる。

2010年に「シェア」という邦訳が出て、日本でもその動きが活発となったが、
現在のシェアサービス」は、国内で一部見られるものの、積極的な拡大や活用は
余り見られない。しかし、郊外を見れば、最近頑張っている幾つかのシェアの
サービスがある。
規模的には、5年前にサービスしていたものよりも大きくなっている。
しかも、旧来の「ものや活動」をベースとするサービスから「人」をベースとする
サービスにそのビジネス主体が変わってきている。
以下の最近のそのようなサービスを紹介する。
①Airbnb (エアビーアンドビー、エアビーエンビー)
宿泊施設を貸し出す人向けのウェブサイトである。192カ国の33000の都市で
一晩に100万人以上が利用している
日本での登録物件は8月時点で1.3万件と多いとはいえない。
このサイトの利用者は利用に際して登録して、本人のオンラインプロファイルを作成す
る必要がある。すべての物件はホストと関連付けられており、ホストのプロファイルに
は他利用者からのお勧め、泊まったことのあるゲストからのレビュー、また、
レスポンス・レーティングやプライベートなメッセージングシステムも含んでいる。

②Uber (ウーバー)。
スマートフォンを活用したハイヤー・タクシーの即時手配サービスを提供する。
すでに世界42カ国、150ほどの都市で即時手配サービスを実施している。
すでに日本に進出済み。本格運用は2014年3月から台数限定、東京都山手線内側
の南半分限定でハイヤーの手配サービスを行っている。
ウーバーが新たに始めるのは、タクシーを手配する「uberTAXI」、ハイグレードタクシ
ーを手配する「uberTAXILUX」の2種類。ウーバーと契約したタクシーにはウーバーから
支給されるiPad miniと携帯電話が常備され、ウーバーユーザーからの呼び出しに対応
する。タクシー側のメリットも明快だ。空車で「流し」をしている際に顧客を獲得でき
るチャンスとなるため、稼働率を引き上げる効果を期待できる。
ウーバーは効率的なタクシーの運用に寄与するので、二酸化炭素の排出量を減らすこ
とにつながる。ウーバーはクルマだけのサービスではない。すでに米国の一部都市では
自転車で小さな荷物をデリバリーするサービスをやっている。
東京であれば、日本交通をはじめ、大手タクシー会社はスマホアプリを運用しているた
め、すでにスマホで迎車サービスを使っている人にとっては、あまり便利さを感じない
かもしれない。むしろ埼玉、千葉などの郊外や地方都市に出張した際に、ウーバーで
簡単にタクシーを呼ぶことができれば、かなり便利だろう。

③Meetrip
Meetripは地元ユーザ(またはガイド)と旅行者をつなげるスマートフォンアプリ
である。
Facebook認証をしてサインアップしたら、地元ガイドは簡単にツアー計画を作
成できる。例えば、旅行者には知られていない古い街並みを探索する3時間のツアー、
地元で最も人気な麺を楽しむランチなどだ。旅行者はおもしろそうなツアーを見つけて
申し込むことができる。ガイドと連絡を取り合うことで、自分だけの完璧なツアーを練
り上げることができるし、値段を含むツアーの詳細は後から変更できるので調整の
余地もある。
Meetripは、アクティビティより「人」に焦点を当てている。
地元の人たちがMeetripを使う動機はいろいろ考えられる。遠くから来た旅行者との
交流や外国語の会話や練習、または地元の特別な場所を旅行者に紹介することなど。
これらはどれも、地元の人たちがアプリを最初に使い始める理由だ。
しかし時間が経つにつれ、Meetripが彼らの大きな収入源になる可能性がある。

④trippiece
テレビで見かけたあの絶景、いつかはこの目で見てみたい!そんな気持ちを持ったこと
はありませんか?
トリッピースは「みんなで旅をつくる」がコンセプトのソーシャル旅行サービス。
ユーザーの「旅に行きたい」想いが投稿され、それに共感した仲間が集まり、みんなで
旅をつくる。
トリッピースの旅の良いところは、あなたが行きたい場所に行けることとなによりも
日常生活では出会うことのなかった、同じ興味・価値観を持った人達と出会えること。
トリッピースの旅とは?
トリッピースではユーザー自らが行きたい旅の企画ページを作って共有することが
でき、その旅の企画に共感したユーザーが集まり、みんなで旅のプランを作っていく。
旅のプランが具体化されたら、トリッピースと提携している旅行会社がその企画をツア
ー化してご提供する。

⑤KitchHike
ごはんを作る人(COOK・クック)とそれを食べたい人(HIKER・ハイカー)をつなぐ
日本発のウェブサービス。例を挙げると、COOKは「トルコに住むGulsahです。
地中海風のフルコースを用意しますよ」と登録。サイトを見て「Gulsahさんの
ごはんを食べたい!」と思ったHIKERが、日付などを指定して連絡を取る。
HIKERはごちそうになったあと、写真付きのレビューも投稿できる。
COOKは提供する料理に自ら値段をつけ(最低価格10ドルより)、HIKERはお代
を支払う。お金のやりとりはPaypalもしくはクレジットカードで行われ、
KitchHikeはその間から手数料をもらう仕組み。現在は英語版のみ提供で、
日本、タイ、カナダなど、13カ国からの登録があり、今後も世界中でサービス
を展開していく予定。
Airbnbでは「家」という元手が必要だが、KitchHIkeで必要なのは料理をつくる「人」
そのものであり、宿泊するのはためらわれる家でも、食卓を囲むことならずっとハード
ルは低くなると言う発想がある。

いずれにしろ、これらのシェアサービスがシェアリング・エコノミーとして社会の
基盤となっていくには、それらを受け入れる生活文化の存在と特に日本で見られる
何事にも、規制をかけるやり方の変更、新たな法整備や大胆な規制緩和、
が必要となる。

5)社会基盤への影響
ローレンス・レッシングは「CODE]の中で、ITを政治の中に組み込み、IT
の下で自由、平等を考えITを社会の運営モデルと提唱した。インターネットは
社会的な統治基盤の一部として考え、特に公共的な価値としての「公開性」を
重視している。このように、ITをベースとして、法と統治、技術が三位一体
となった新しい社会を提唱している。子の中では、「四つの社会的力」を
言っている。それは、「市場、規範、法、そしてアーキテクチャ」である。
レッシグによれば、われわれの社会において、人のふるまいに影響を及ぼすものには、
(1)法、(2)規範、(3)市場、(4)アーキテクチャ(またはコード)という4種類あるが、
サイバー空間においては、とくに4番目の「アーキテクチャ」が重要な
規制手段だという。

実空間での事例として、「公共空間における携帯電話の利用」を取り上げる。
車内、病院、劇場など公共的な空間において、携帯電話の利用はさまざまな方法
で規制されている。
①法律による規制
自動車運転中の携帯電話利用は、「道路交通法」によって禁止されており、違反者に
はきびしい罰則が科せられる。これによって、運転中のドライバーのふるまいは規制さ
れている。
②規範による規制
電車やバスなどの車内での携帯利用に関しては、車内のアナウンスや、乗客の冷たい
視線などの「規範」によって、とくに音声通話利用というふるまいは規制されている。
③市場による規制
喫茶店、レストランなどでは、携帯電話が利用できるスペースを設け、それ以外の場
所では携帯電話はできないようにしているところもある。これは、市場の中で、携帯電
話をできる空間を制限しているという意味では、市場による規制といえるだろう。
④アーキテクチャによる規制
劇場、病院などの一部では、建物内に携帯電波をシャットアウトする装置が設置され
ている場所がある。これは、アーキテクチャによる規制といえる。

サイバー空間においても、これと同じような4種類の規制が加えられている。
①法律による規制
著作権法、名誉毀損法、わいせつ物規制法などは、サイバー空間にも適用され、違反
者には罰則を課することができる。
②規範による規制
アニメに関するコミュニティサイトで、だれかが民主政治のあり方に関する議論を始
めたら、たちまちフレーミングの嵐(炎上)にあうだろう。
③市場による規制
インターネットの料金体系はアクセスを制約する。商用サイトにおいて、人の集まら
ない電子会議室は閉鎖されてしまうだろう。
④アーキテクチャによる規制
サイバー空間の現状を決めるソフトウェアとハードウェアは、利用者のふるまいを規
制する。たとえば、一部のサイトでは、アクセスするのに、IDとパスワードを
要求される。

レッシグの独創性は、この4番目のアーキテクチャが、利用者にも知られることなく、
利用者のふるまいを規制していること、また、実空間以上に、インターネット上で
アーキテクチャによる規制力が無際限に大きくなり得ることを発見した点にある。
それが行き過ぎると、インターネットから自由が奪われてしまう恐れがあるのだ。
そうした事態を防ぐためには、アーキテクチャの規制を管理できるような対策を講じる
必要がある。それは、私見によれば、①から④までのそれぞれにおける対応が必要
ではないかと思われる。

更には、理念を実現するための起業と社会変革を実現するためのインターネットという
ツールの活用。社会を変革するなどと口先だけの政治屋が多い中、特に日本では政治屋
はいるが政治家がいない中、自身の持つ社会的理念を社会基盤となるインターネット
を活用して企業を育て、それによって社会そのものを変えていこうというアプローチ
は素晴らしいと思う。残念ながら、このようなアプローチは今の日本ではほとんど無い
様に思える。
(次へ)

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