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2015年9月18日

2015.09.18

「2040年の新世界」より思う。3Dプリンタが拓く世界その一

これからの3Dプリンタの発展とそれによる社会の変革の可能性について
描かれている。ある意味、1990年代終りにインターネットが
「空っぽの洞窟」と呼ばれた時代と同じフェーズなのかもしれない。
確かにここでも言われているように、3Dプリンタはまだまだ幼児期の
レベルなのであろう。しかし、それでも手作り行為をビジネスとして進化
させているのも事実である。

1.3Dプリンタが持つ「10の特質」
3Dプリンタが革命を起こし得る「10の特質」を紹介している。これは複数メーカー
への調査やインタビューからまとめられた。
①無限に複雑なものが作れる
②無限のバラエティ
③組み立てがいらない
④リードタイムが0
⑤デザインの幅が無限
⑥技能がなくても製造できる
⑦コンパクトでポータブルな製造設備
⑧ゴミになる副産物が少ない
⑨素材を無限に混ぜられる
⑩物理的な複製が正確

・複雑なパーツを容易に作ることができる
3Dプリンタは、素材を付加しながらモノを製造できる「Additive Manufacturing
(付加製造)」を生み出した。切削が主流だった製造業界において、これは大きな革命
である。この製造法の誕生により「単純なパーツを作る時間と同じ時間でより複雑な
パーツの製造が可能になった」と説明している。
・バラエティ豊かなパーツを量産でき、組み立てが不要
バラエティ豊かな形状を一度に作ることができ、組み立てにまつわる多くのコストも
不要になると説明している。
・異なる形状も一度に製造できる。
このため、リードタイムが劇的に削減、形状の制約もゼロになる。
さらに、デザイン終了から生産開始までの時間が“ほぼゼロ”になったことを
挙げ、今まででは困難だった空間的なデザインが可能になったと説明している。
その他にも、製造のスキルが不要になったこと、装置が小型であること、材料のムダが
減ったこと、材料のブレンドができること、再現性があることなどを原則として紹介。
まだまだ扱える素材や造形可能な大きさに限度はあるものの、この3Dプリンティ
ングがもたらす波及度はかなり大きい。
しかし、この特質を活かし、本格的な拡大には、キラーアプリの必要性も
重要である。
「キラーアプリがないせいで、一般消費者や中小企業は、3Dプリンタを家庭や
オフィスで使うために購入する必要性をまだ感じていない。3Dプリンティング
の市場は、いまだ製造業とデザイン業界にとどまっている。3Dプリンタとそれによる
サービスの世界市場の総額をピンポン玉の大きさとすれば、家庭用3Dプリンタ
とそれによるサービスの世界市場の総額はさらに小さく、米粒ぐらいのサイズ
にすぎない」と言う。
さらには、3Dプリンティングの発展についての課題も述べている。
・顧客の問題を解決するには、用途のニーズに注目する必要がある。「より速く、
より性能の高いマシン作ろう」でいう話ではなく、「今存在するこの問題を真の意味で
解決するマシンを作ろう」という意識。
・消費者は3Dプリンタで作ったすてきな商品に高い金を払いたがるものの、多くの
消費者は、自分でマシンを所有したり動かしたりしてそうした製品を作ろうとはしない
だろう。アマゾンやシェイプウェイは残っていく。
・テクノロジーの革新は、一般の人々が新しいツールを手に入れ、それを日常生活に利
用するときに起きる。
・経験経済では、採算性の高い、成功を収める企業は、顧客に経験や変身をもたらす製
品や商品を売る企業となる。経験も、変身した感覚も、どうしても記憶に残る。消費者
はそういうものにふつうより高い金を払い、リピーターになる。

3Dプリンティングは、工業部品や玩具、雑貨といったものを造形するイメージが強
いかもしれないが、本書では「生体インク」を使い、人の臓器や血管等まで造形して
しまうバイオプリンティングや必要な栄養素を組み合わせて加工食品ならぬ合成食品を
製造してしまうフードプリンティングの事例が紹介されている。
単なる工業製品にとどまらず、我々の生死に係わる領域にまで影響を及ぼす可能性を
様々な分野で述べている。
3Dプリンティングは私たちの世界をどう変えていくのか。以下のようなことが
起こる可能性についても、
・大量生産をどう変えるか?
・人類の雇用を奪うのか、創るのか?
「究極のカスタマイズ臓器」を創れるか?
・学校に3Dプリンタが来たら、教室はどう変わるか?
・武器や違法ドラッグが3Dプリントできたら?

よく言われているのが、3Dプリンタの方向性としての2つの説である。
1つ目は、製造業に新しい産業革命が起こるという説(メイカームーブメント)。
大規模な生産設備や作業人員は不要になり、1人で製造業に参加できるようになる。
2つ目は新しい情報文化が始まるという説(FabLab:ファブラボ)。情報の中にモノの
データが流通するネットワーク端末のひとつとして捉えることで社会構造が変化する。
例えばFabLabは、世界60カ国250箇所でネットワーク化された地域の市民実験工房と
して利用されている。そこでは、3Dプリンタ以外にも大小のミリングマシンや
レーザーカッター、デジタル刺繍ミシン、3Dスキャナーなど、さまざまなデジタル
工作機械が設置され、小学生から大学の研究者まで多様な人々が出会い、新たに
生まれたニーズの可能性を形にしているという。
ファブラボについての紹介がある。
データとモノの直接のつながりを強める生活基盤への浸透としては、重要となる。
https://www.youtube.com/watch?v=YTwt7ji3EgY

以下、次回以降もうすこし詳しく述べていく。

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