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2016年1月15日

2016.01.15

幸せを定量的に感じてみる

セリグマンの「ポジティブ心理学の挑戦」より」、
彼は従来の幸せの定義からさらに進め、ウェルビーイング(持続的な幸福)
を獲得することが重要と述べている。社会も金銭的な多さだけが、本当に
幸せなのか?という意識が強まっているようだ。

1.ウェルビーイング
主観的ウェルビーイングの構成とは、幸福感(気分)と人生の満足度(評価)
からなっている。人生の満足度の多くは、収入に伴って上がるが、気分の
大部分は国内の寛容度の増大によって上がる。それ故、ウェルビーイングが
収入に伴って上がる事は一概に考えにくい。それは、収入が上がるのに伴い
生活環境に対する判断も上がっていくが、気分はそうではない。
収入が増える事で、生活環境に対する評価におけるポジティブ度は上がるが、
一時的な気分には影響を与えない。気分と判断は剥離している。

ウェルビーイングの5つの要素(PERMAと言われている)
①Positive Emotion(ポジティブ感情):心の平和、感謝、満足、喜び、創造性、
希望、好奇心、愛情がここに含まれる。
自分は、どれくらい幸せと思っているのか。
主観的な要素であるが、幸福感や人生の満足度よりも上位に来る。
②Engagement(エンゲージメント):興味を引きつけられるがあまり、没頭し、
「我を忘れる」ほど打ち込むこと。興味関心が高いか。
③Relationships(関係性):他人と有意義かつ前向きな関係を築いている人は、
そうでない人よりも幸せである。ポジティブな状況の場合、多くは他人、他者の
存在がある。自分を気にしてくれる人がいるか。
④Meaning(人生の意味や仕事の意義、および目的の追求):意味や意義は、私たち
自身よりも大きな大義のために尽くすことから生まれる。信仰であれ、何らかの
かたちで人類の役に立とうという信念であれ、人はみな、人生に意義を
見いださなければならない。
⑤Accomplishment/Achievement(何かを成し遂げること):人生において大きな
満足を得るためには、何らかの方法で自らを高めていく努力をしなければならない。
他の要素が得られなくとも、これのために追及する。

さらに、従来から言われている「24の強み」がこれらの要素を
支え、さらに進化させる。
自身の最高の強みを活用することで、ポジティブ感情、エンゲージメント、
意味、達成、などをより多く得られる。

ウェルビーイングの向上について
①感謝の気持を表現する。
感謝の手紙を書く。
②上手く行ったことについて考える。
毎晩、今日上手く行った事を三つ書き出し、それらがどうして上手く
行ったかを考える。
更に、上手く行った事の中に自分の強みを考え合わせる事。

この実践は、自分の強みを自分の物にするように働きかける。
このため、VIA強みテストを受ける必要がある。上位5つが自身の強みとなる。
自身のウェルビーイングを更に高めるには以下の14のセッションを実行する。
①ポジティブな自己紹介を800文字程度に書く。
自分が最高だった時の事を具体的に、その中で自分の強みをどのように活用したのか
説明する。
②VIAテストで自分の徳性の強みを特定する。
③「よいこと日記」を書き始める。毎晩、その日に起きた三つの良い事
を書く。
④怒りや恨みの感情を書き出す。それが今の自分への悪影響となっているかを
考える。
⑤「許しの手紙」を書いて相手の罪や関連した感情を説明して、相手を許す。
⑥いままでキチンと感謝の気持を伝えた事のない人に感謝の手紙を書く。
手紙を相手に直接届ける。
⑦上記の行動でポジティブ感情を高める事の重要性を再認識する。
⑧追及者になるのではなく、満足者になることで、自分の満足度を向上
させる事を確認し、自分のための自己満足計画を立てる。
⑨自分の目の前で逃がしたチャンスを考え、それを糧にどのような可能性
が拓かれたか、考える。
⑩自分の強みと自分の大切な人の強みをたたえる時間を持つこと。
⑪自分の自身の強みがどこから来ているのか、考える。
家族の強みを含む家系図を書く。
⑫何か新しい活動を計画し、それを実行する。
⑬かなりの時間がかかることで、自分の強みが求められる事を実行し、
時間の重要性を知る。
⑭「快、エンゲージメント、意義を統合する人生について話し合う。

2.自分の強みを認識する。
世界的に美徳とされているものに以下の6つがあるとされる。これは様々な文化、
宗教、風土に関わらず人類に共通したものといわれる。それには、「知恵と知識」
「勇気」「愛情と人間性」「正義」「節度」「精神性と超越性」がある。
そして、この美徳を構成しているものが以下の24項目となり、個人の性格
の強みとなる。
セリグマンの「世界で1つだけの幸せ」から自分の強みを見つけて欲しい。
1)知恵と知識
①好奇心と関心
・常に世界に対する好奇心を持っている。
・直ぐに退屈してしまう。
②学習意欲
・何か新しい事を学ぶとわくわくする。
・わざわざ博物館や教育関連の施設などに出かけたりはしない。
③判断力、批判的思考、偏見のなさ
・話題に対してきわめて理性的な考え方が出来る。
・即断する傾向にある。
④独創性、創意工夫
・新しいやり方を考えるのが好きだ。
・友人のほとんどは自分より想像力に富んでいる。
⑤社会的な知性、個人的知性
・どんな社会的状況でも適応する事が出来る。
・他の人が何を感じているかをさっちするのは余り得意ではない。
⑥将来の見通し
・常に物事を見て全体を理解する事が出来る。
・他人が自分にアドバイスを求める事はめったにない。
2)勇気
⑦武勇と勇敢さ
・強い反対意見にも立ち向かう事がよくある。
・苦痛や失望にくじけてしまうことがよくある。
⑧勤勉、粘り強さ、継続的努力
・やりはじめたことは必ずやり終える。
・仕事中に横道にそれる。
⑨誠実、純粋、正直
・約束は必ず守る。
・友達から「地に足がついている」といわれた事がない。
3)人間性と愛情
⑩思いやりと寛大さ
・この1ヶ月間に自発的に身近な人の手助けをした。
・他人の幸せに自分の幸せと同じくらい興奮する事はめったにない。
⑪愛する事と愛される事
・私には、自分のこと以上に、私の感情や健康を気遣ってくれる人がいる。
・他の人からの愛情をうまく受け入れられない。
⑫協調性、義務感、チームワーク、忠誠心
・グループの中にいるときが一番良い仕事ができる。
・所属するグループの利益のために自己の利益を犠牲にすることには抵抗がある。
4)正義
⑬公平さと公正さ
・その人がどんな人であろうと全ての人を公平に扱う。
・好ましく思わない人の場合、その人を公平にあつかうことは難しい。
⑭リーダーシップ
・口うるさくすることなく、いつでも人々に共同で何かをさせることが出来る。
・グループ活動を企画するのは余り得意ではない。
5)節度
⑮自制心
・自分の感情をコントロールできる。
・ダイエットは続いたことがない。
⑯慎重さ、思慮深さ、注意深さ
・肉体的な危険をともなう活動は避ける。
・友人関係や人間関係で、ときどき不適切な選択をしてしまう。
⑰謙虚さと慎み深さ
・人が自分の事をほめると話題を変える。
・自分の業績についてよく人に語る。
6)精神性と超越性
⑱審美眼
・ここ1ヶ月間に音楽、美術、演劇、映画、スポーツ、科学、数学など
の素晴らしさに打たれたことがある。
・この1年間美しいものを創り出していない。
⑲感謝の念
・どんなささいなことであっても、必ず「ありがとう」と言う。
・自分が人より幸福であると思うことがめったにない。
⑳希望、楽観主義、未来に対する前向きな姿勢
・物事をいつも良いほうに考える。
・やりたいことのために、ジックリ計画を立てることなどめったにない。
21)精神性、目的意識、信念、信仰
・私の人生には強い目的がある。
・人生における使命はない。
22)寛容さと慈悲深さ
・いつも過ぎたことは水に流す。
・いつも相手と五分になろうとする。
23)ユーモアと陽気さ
・いつも可能なかぎり仕事と遊びを織り交ぜている。
・面白い事はめったに言わない。
24)熱意、情熱、意気込み
・やることは全てにのめりこむ。
・塞ぎこむ事が多い。

以上の24個の質問に対して、
とても当てはまる(5点)あてはまる(4点)どちらとも言えない(3点)
当てはまらない(2点)まったくあてはまらない(1点)として採点してみる。
得点が9点か10点になる項目がその人の強気である。また、得点が6点以下の項目が
弱点となる。
これでの私の強みは、
・将来の見通し
・希望、楽観主義、未来に対する前向きな姿勢
・精神性、目的意識、信念
の3つであった。

いずれにしろ、この強み発見は是非試してもらいたいものである。

3.ポジティブヘルス
この本では、多くの実践的な試みとその手法の開発により、健康面での大きな
成果が示されている。
その定義とは、
①主観的資産
楽観性、希望、健康の感覚、熱意、活力、人生の満足度
②生物学的資産
心拍変動の上限、ホルモン、低濃度のインターロイキン、テロメアなど
③機能的資産
すばらしい結婚生活、歳以上の体力、豊かな人間関係、充実したライフワークなど

その成果より
・心血管の健康資産
この疾患(例えば、心臓発作)に対する抵抗力を平均以上に高める主観的、
生物学的、機能的な資産は存在するのか?
→結論的には、楽観性が心血管疾患から保護する事に強く関係している。

・風邪等の感染症対応
ポジティブ感情の高い人は、平均的なポジティブ感情を持つ人よりも風邪に
罹りにくい。重要なのはネガティブ感情の大きさよりもポジティブ感情の
強さにより抵抗力は大きくなる。

以上などからここでは、ウェルビーイングの因果関係と身体への影響について
以下のように考えている。
①楽観性は心血管の健康に、悲観性は心血管の危険性に強く関係している。
②ポジティブな気分は、風邪やインフルエンザの予防に、またネガティブな
気分は風邪やインフルエンザに対するより大きな危険性に関係している。
③非常に楽観的な人はがんになる危険性が低い可能性がある。
④健康な人で、良好な心理的ウェルビーイングにある人は、全死因死亡に
対する危険性が少ない。
その要因は、
①楽観主義者は行動的であり、健康的なライフスタイルを実践している。
すなわち、食事に気をつけ、喫煙せず、定期的に運動する傾向がある。
②社会的な支援が多い。
人生で友人と愛情に多く恵まれている人は病気になりにくい。
③生物学的メカニズムが高い。
脅威に対する免疫力が高い。また、度重なるストレスにより上手く対処できるが、
悲観主義者はそのストレスに一層苦しむ様になる。

また、国レベルでの調査では、
・人生の満足度は国民一人あたりのGDPが高い国ほど高くなっている。
P399の表がそれを明瞭に示している。
しかし、金をたくさん儲けることにより直ぐに人生の満足度において
収穫逓減の点に達する。これを対数表で見ると終点のない上向きの直線
となり、国が公共政策として幸福の増大を目的とすると更なる富を生み
出さないと幸福は得られない事にもなる。
この調査で重要なのは、「あなたはどれくらい幸せですか?」ではなく、
「あなたは自分の人生にどれくらい満足しているか?」である。
この点でみると、最も裕福なアメリカ人の幸福度は平均的な原住民の
幸福度と大きな差異はない。

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