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2016.08.26

幸せの定義って

幸せいっぱいの人が持つ共通点はあるのか、お金持ちといわれる人がそうなのか、
いつもニコニコと笑い周りに喜びを与える人なのか、私も含め、古い時代には
働くことで収入が増え、ほしいものが変えることが幸せだ、という時代もあった。
しかしながら、幸せと満足感は、1つしかないわけではない。特に最近の状況を
知れば知るほど、その感じを強める。
幸せとは遺伝的特徴と、気持ちと、性格と、感情と、人生におけるさまざまな
事情や状況が合わさって最高の時を迎えた状態なのであろうが、それが何なのかは
心理学者も含めよくわかっていないようだ。

だが、少なくとも幸せが「どんなふうに見えるのか」は研究からかなり明らかに
なっているという。人によって限界がまちまちとはいえ、個人的な幸せの限度を
最大限に広げるためにできることがある。
具体的には、たっぷり運動をして(内心で目標を定めておくと効果がアップ)、
十分な睡眠をとり、心の知能指数(EQ)を育み、モノではなく経験にお金を費やすこと
から始めてみるのがよいとされる。
1つには、心理学者でポジティブ心理学の提唱者であるマーティン・セリグマン氏が
編み出した「PERMA」という概念がある。これは以前にも紹介しているが、PERMAは、
「持続的幸福」の実現要素と言われている。
Positive Emotion(ポジティブ感情):心の平和、感謝、満足、喜び、創造性、希望、
好奇心、愛情がここに含まれる。
Engagement(エンゲージメント):興味を引きつけられるがあまり、没頭し、
「我を忘れる」ほど打ち込むこと。
Relationships(関係性):他人と有意義かつ前向きな関係を築いている人は、
そうでない人よりも幸せである。
Meaning(人生の意味や仕事の意義、および目的の追求):意味や意義は、私たち
自身よりも大きな大義のために尽くすことから生まれる。信仰であれ、何らかの
かたちで人類の役に立とうという信念であれ、人はみな、人生に意義を
見いださなければならない。
Accomplishment/Achievement(何かを成し遂げること):人生において大きな
満足を得るためには、何らかの方法で自らを高めていく努力をしなければならない。
セリグマン氏は、その著書の中で、24項目のチェックを提示している。

さらには、様々な幸せへのアプローチを続けている研究者がいる。
幸せは抽象的な概念のように思えるが、多種多様な実験が用いられてきた。
カリフォルニア大学バークレー校の心理学教授であるDacher Keltner博士は、
自身のオンライン講座「The Science of Happiness」の中で、「幸せ」の
研究には主に4つのタイプがあると説明している。
観測サンプリングと経験サンプリング:日常生活のある時点をとらえる研究。
「皿洗いをしているとき(または仕事をしているときなど)、どの程度の幸せを
感じますか」といった問いかけが用いられる。
横断的研究/相関研究:ある時点における気持ちについて、問いに対する答え
をもとにした調査研究。
継続研究:人生を長期的に追跡し、幸せの軌跡を探る研究。
実験研究:幸せと外部影響の間にある意外な関係を特定するための実験。
これらで、幸せの度合いは「自己申告」による。
自己申告は、経験サンプリングの際に1度限りのアンケートを行って収集する場合も
あれば(被験者に突然ランダムに電話をかけ、「今何をしていますか」「今この瞬間、
どの程度の幸せを感じていますか」と聞くような感じ)、行動指標を通じて他人が
報告する場合もある。
ダニエル・カーネマン博士が「感情分析の4つのレベル」を考案している。
幸せを4つの概念領域に分類すれば、分析対象がはっきりしてくる。
・満足感:「私の人生は全般的にうまくいっている」
・性格的特徴:「私は熱心で、前向きな人間だ」
・感情:「私は感謝の念を抱いている」
・感動や興奮:「熱いお風呂に入るのは気持ちが良い」
こうした4つの領域は、「幸せ」と同じような意味をもっており、被験者がどんな
種類の幸せを感じているのか(あるいは感じていないのか)をより詳しく特定する
のに役立つ。研究者たちが幸せの研究でもっとも活用しているのは人生に対する
全般的な満足感ですが、人の幸せを正確に把握するには、すべての概念領域を
考慮する必要がある。たとえば、人生に大きな満足感を抱いている人が常に
感謝の念を抱いているとか、熱いお風呂に浸かるのを習慣にしているとかが
わかれば、そこから相関関係を導き出し、ひいては因果関係を見いだすのに役立つ。

イリノイ大学アーバナ・シャンペーン校の心理学教授であるEdward F. Diener博士は、
「主観的幸福感」と呼ばれる指標を考案した。心理学者たちはこの指標のおかげで、
さまざまな種類の自己申告をもとに、人生に対する満足感と、ポジティブ感情および
ネガティブ感情の相対頻度を組み合わせたかたちで、幸せをより正確に定義できる
ようになった。
この指標は2つの項目に分かれている。
人生満足度:これは、5つの質問文に応える自己申告式の尺度で、人生に対する全般的
な満足感を数値化できる。
ポジティブ感情とネガティブ感情(PANAS)の20項目:こちらも自己申告式
アンケートで、回答しているその瞬間に感じている気持ちを評価する。
この2つの結果を組み合わせたものが個人の主観的幸福感であり、ある時点に
おけるあなたの「幸せレベル」は、人生満足度にPANASのスコアを加えたもの
に相当する。

また、研究結果の1つに「幸せではない」要素を提示するがあったという。
バークレー校の科学研究センター「Greater Good Science Center」のサイエンス・
ディレクターであるEmiliana Simon-Thomas博士は、長年の究明で、
「幸せではない」要素は、があるという。
・個人的な欲求がすべて満たされること
・人生に対して常に満足感を抱くこと
・いつも喜びを感じていること
・ネガティブな感情を一切持たないこと
科学研究センターが研究を重ねて発見したのは、真の幸せとは心の平静より大きな
「良いこと」に目を向けることだそうだ。幸せとは、欲求を満たし、いつも
「良い気分」でいたり、人生のあらゆる面に満足したりすることではない。
幸せをめぐる要素でとりわけ重要なのは、今この瞬間にあなたが感じている
かもしれないネガティブな感情という。「ネガティブな感情がなければ幸せ」
というわけではない。
別の研究では、真の幸せとは幸運も不運も受け入れることだという。
幸せならいつも明るく、喜びに満ちて、満足しており、どんな時でも笑顔でいるだろう
と思われがちだが、そうではなく、幸せで豊かな人生は、楽あれば苦ありの日々を
受け入れることであり、悪いことを違った視点から見る方法を学ぶことにある。

最後は、ごく一般的な幸せの定義となったが、最後の「幸せで豊かな人生は、
楽あれば苦ありの日々を受け入れることであり、悪いことを違った視点から見る
方法を学ぶこと」はお互い肝に銘ずるべきことかもしれないようだ。

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