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2017年2月2日

2017.02.02

「老い」自身への意味その1

2年前の大病以来、まだ飲んでいる薬のせいもあるのか、「体の老い」が
感じられるようになった。
古稀にも近くなろうというのだから仕方がないという半面、2年前までは
「老い」という言葉さえ思いつかなったことを考えると、やはり寂しいものがある。
一般的には、実年齢から10歳ほど今の人は若いという話もあるが、
わたしの場合は実年齢そのもの様な気もしてきた。
だが、人は様々だ。20年ぶりにあった仕事仲間や友達、その変貌ぶりに
驚くことがある。黒々とした髪を風になびかせていた人が、両脇にわずかの
白髪を残し沁みだらけの様相であったり、髪といいその面立ちはそのままであるが、
肌に艶がなく眼が死んでいる人もいた。50歳を越したら自分の顔に責任を持て
という話を聞く。30、40代はまだ肉体がその人の心根を隠してもいるが、
老齢と呼ばれる頃、今は60代後半かもしれないが、になれば自ずと今までの
その人間の過ごしてきた生きざまが出てくる。
多くの老いた人は死に顔になる。75歳ともなれば、さらに明確になるのだろう。
毎朝鏡に映る顔が目の前に浮かぶ。頬はたるみ、眼もとに力がなく、沁みが
顔をおおいつくしている。
見ていて憐みを感じさせるような人にはなりたくない、と思うがすでに時遅しなのか。

75歳以上を高齢者と呼ぶような考えもあるようだが、たしかに周辺の高齢者
と呼ばれる人は70代後半以上の人と思われてもいる。
ある報告がある。
「人がどれだけ元気で活躍できるかを知る目安に年齢がある。若いほど活動的
で年を取るほど健康を害し、周囲の助けが必要になる。だが寿命が延び、年を取っても
健康な人が増えるにつれ、一概に年齢だけでは人の元気度を測れなくなった。
そこで人口学者の間では従来のように何年生きてきたかで測るのではなく、
あと何年生きられるかに着目する動きがある。
例えば、1955年当時の日本人男性65歳は平均余命が約12年だったが、
2010年は約19年だという。年齢は同じでも2010年の65歳男性の方が元気で
活動的だと想像できる。逆に2010年時点で平均余命が約12年の男性の年齢は
74歳。つまり1955年時点の65歳と2010年の74歳は同程度に元気だと
推定できる。

国立社会保障・人口問題研究所の金子隆一副所長は平均余命を基に高齢化の推移を分析
している。55年当時の65歳男女と同程度に元気と思われる年齢(等価年齢)を
歴年で算出し、その年齢以上の人口が総人口に占める比率を等価年齢高齢化率と定義
した。通常の高齢化率だと日本は急速に高齢化するが、等価年齢高齢化率でみれば
緩やかな上昇にとどまる。
「加齢による衰えは個人差が大きいので高齢者の増加をただ悲観するのではなく、
平均寿命が延びた恩恵を享受できるような仕掛けが必要なのかもしれない。
実際のところ、現在の60歳~70歳ぐらいまでの人たちは、以前の同年代と
比べてとても元気だ。力を持て余しているぐらいで何かしたくて仕方がない。
それが高齢者の高い消費行動となっている。

超高齢社会になると要介護者が急増するといわれるが、本当だろうか。
少なくとも74歳までの前期高齢者に限るなら、2025年の予測でも要介護者の
割合は4.8%に留まるようだ。ほとんどの人が74歳までは元気だ。
これを裏付けるのが健康寿命(自立した生活ができる生存期間)で、日本人の
平均は75歳と世界一を誇る。
(世界保健機構(WHO)が発表した数字は、男性72.3歳、女性77.7歳、平均75歳。
2012年に厚生労働省が初めて発表した数字は、男性70.42歳、女性73.62歳)

こうした高齢者の若返り現象によって、さまざまな変化が起こっている。例えば、熟年
離婚が増加しており、一方では事実婚も含む熟年再婚が1995年~2005年まで
の10年間で倍増している。一昔前なら70歳での恋愛などみっともなくてとても
表沙汰にはできないという認識があったが、もっともドラマなどではまだその傾向が
あるが。今はそんなことは誰も気にしなくなりつつある。高齢者の男女関係について
も従来の常識はもはや通用しなくなっている。

その反面、新たな問題も起こっている。熟年独身者の増加だ。団塊世代の18%が
独身である。そこで問題となるのが50代、60代男性のシングル増加だ。
男性シングルといっても80歳ぐらいなら、周りが何くれとなく気を配ってくれる
ので、万一の場合の発見も早い。これが50代~60代となるとまだ現役世代であり、
特に誰かが目を向けたりしない。
ところがその歳で独身生活となれば食事をはじめ生活は乱れがちだ。不摂生の結果、
ある日突然、脳溢血や心筋梗塞で孤独死するケースが、これから続出するおそれがある。

一般的に高齢者が関心を持っているのは、「お金」と「健康」と「生きがい」だ。
彼らが求める生きがいとは、自分が“社会とつながっている証”である。
そんなテーマの本もあった。社会に役立つ活動をするために健康でいたいのであり、
自分が価値ある行動をしている裏付けとしてお金が欲しいのだ。それを多くの60代の人は
実践している」。

だが、最後の言葉の「多くの60代の人は実践している」というのには、わたし的に続けてきた
地域活動や同年代の話等を考え合わせるとかなり抵抗がある。
一方では、上記のような高齢者の能力の高さが様々な報告でもされていることも事実だ。
総体的には、短期の記憶能力は低下するものの、日常の問題解決や語彙能力は20代、
30代のそれよりはるかに優っているという調査結果もある。
だから、60代の人がおじいさん大丈夫とか労わられたり、電車で席を譲られたりすると
かえってありがた迷惑そうな顔をするのも不思議ではない。
わたし自身も病院の定期検査の時に横のおばさんに「おじいさん、大丈夫ですか」
と言われた時には睨み返したものだ。

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