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2018.09.07

処暑に思う

処暑(8月23日から9月6日)
暑さが和らぐというだが、まだ刺すような陽が身体と心を苦しめる。
中候に「天地始粛(てんちはじめてさむし)」がある。朝晩の暑さが少し和らぐ。
天地の暑さがようやくおさまり始める頃。「粛」は縮む、しずまるという意味。
私はこのような日に出かけたのを後悔していた。台風が過ぎたとはいえ、

夏の顔にならない。陽射しもまだそれほど強くはないし、なんと言っても、
この蒸し暑さはなんなのだ。体の隅々に水が染み渡るように湿気が私の
身体を被いつくす。毛穴からはその湿気が逆流するかのように汗が染み出してくる。
首筋と額から頬にかけて一筋、二筋と汗が流れて行く。
まるで私のけだるさと憂うつな気分を声なき声として洗い出しているようだ。
黒い雲が駆けていく。その間を縫うように白い雲を突き抜けるかのように
陽射しが私の顔に届く。白い雲の上にはさらに高層の雲が秋の天空を
思い出させるかのように霞み光る太陽のまわりにゆっくりと一筆を描くかの
ごとく流れ過ぎ行く。それは蜘蛛なのであろうか、視界の端にうごめく黒いものがいる。
しかも、その先の雑木林の奥に白い花の群れを見た。ヤマユリがこんなところに、
蜘蛛に感謝した。てんぷらにしてその歯ごたえを味わった。

大葉とは違うが見分けるのが少し難しい「エゴマ」、エゴマも紫蘇もシソ属で
よく似ているが、エゴマは青紫蘇より、繊維が固く匂いが強い。エゴマ特有の
臭いが、ちょっと日本料理には不向きか?青紫蘇は、野菜として大葉。エゴマは
韓国・中国料理に、大葉、紫蘇は日本料理に使うのがお薦め。ちなみにえごまは
江戸時代菜種油が一般的になるまでは、油の主流であったようだし、エゴマ味噌
を使った料理は結構美味しそうだ。

帰り道、きんえのころ、いわゆる猫じゃらし、里道の脇に金色の穂が揺れていた。
仔猫の宙(そら)が早速飛び掛かってきた。名前の通りの面白さにしばし暑さを忘れた。
4日、かなりの大型台風が近畿を直撃した。さすがにその音と風の凄さに
しばし聞きほれた??
眼の感じたものを文にしてみた。
「黒く重たい雲がすべてを覆い、大地と雲のわずかな空間に風と雨の攪拌を起こす。
家々はその残されたわずかの隙間に喘ぎ無力な姿をさらす。
雨粒が甍を突っ走り、跳ねまわり、アイスダンスのような激しい回転を見せる。
風が踊り、葉群れの黄緑、淡緑色、幾いろもの緑が雨粒に烈しく打ち据えられる。
雨が横に流れ、厚い水膜を作る。水膜に呑まれる家々、それは恐怖を感じる人
のように慌てふためき大きく傾ぐ。
垂直の、それは滝のように、雨が道路に打ちかかり水しぶきをあげる。
薄い褐色の水がしぶきの流れを作り、側溝を駆けていく。
電線がギシギシと苦しそうな叫び声を上げている。
幾条もの黒い線が上下左右に大きく騒ぎ、電柱もその騒ぎにただただ立ちすくむ、
困惑の表情を見せる。
眼はじに強烈な光が走り、轟音が一瞬身体を駆け抜けていく。
2階の雨戸の激しい雨音、連打する小太鼓のの響きを家中に撒き散らす。
家が揺れた。足元が微妙な揺れを起こす。
白いものが一瞬に眼の前を流れ去る、鈍い衝突音、雨に消された。
一瞬手元の光が消えた。浮かぶ白壁、深緑の竹たち、その身を任し、
打ちかかる雨粒の群れに立ち向かう」

6日未明の北海道の地震、不思議と北海道に行く機会が多かったが、地震の話は
聞いたことはなかった。山陰、中部、そして近畿への台風、この地震、昔であれば
これだけの天災不安が起こると年号を変えたそうだ。
この数か月、節気の穏やかな響きとは相いれない不穏な空気、気候、だが、人は無力だ。

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