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2018.12.21

大雪(12月7日から20日ごろ)、いよいよ冬

大雪(12月7日から20日ごろ)

比良の山並みはたえずその顔を変える。少し前赤橙の薄雲に薄青白い
稜線を見せていたが、一瞬眼を外し、見直すと薄墨にやや太い灰色の
稜線に変わっていた。
あの日はひどく寒い朝であった。黒雲が山並みを隠していたが、
細く切れた雲の間に頂から幾筋もの白い線が中腹まで這っていた。
初冠雪であった。
白くまぶされた木々が麓の橙色に消えて行く。麓に広く拡がるそれは
コナラの最後の葉群れなのだろう。
黑と灰色、白、更に黄橙の世界がこの里が冬に入ったことを告げていた。
50,60年前には割り木を木材燃料として湖辺周辺に供給していた。
割り木には、クヌギ、コナラ(ホソ)、ナラガシワ(ギンボソ)、が良い。
火付きが良く長く燃えるからだそうだ。燃料として麓には多く植えられていた。
コナラ、クヌギは今でも眼を楽しませてくれる。燃料としての木々にも
歴史と役割があった。
さらにこのころになると、風向きが北西となり、比良の山並みに対して
垂直にぶつかるような季節風になってしまう。そのため、強力な寒気団が
居座ると、大量の雪を吐き続ける怪物と化す。
だが、山ろくで猛威をふるった風は琵琶湖に行きつくまでには、
湿気をだしきり、軽く透明な空気となって、何もなかったような穏やかさ
を取り戻す。
もっとも、比良おろしと言って、冬から春先までは猛烈な風が
麓を駆け抜ける。
また、司馬遼太郎がその第1巻でも感じ入っているようだが、
湖西を車で行くと、志賀にさしかかったあたりから景色が雪国の
様相に急変することに驚かされるだろう。
天候は時間を追って変わり、大津市内では何事もないような天候
がこのあたりでは、雪や氷雨と太陽が絶え間なく入れ替わりつづける。
さらに、この季節、よく虹が出る。比良山の端から一直線に天に
昇るが如く7つの色がくっきりとした輪郭を保ちながら、やがて
大きな弧を描き琵琶湖の水に消えていく。
ときには、半円の虹が和邇の港あたりから和邇川の流れに合わすかの
ように冬枯れした田畑の上を7つの彩色を施した薄い絹布となり、
黒く立ちすくむ松林の中に消えて行く。雲と太陽の織りなす自然の
キャンバスが此方に出現する。だが、それも一刻の事。
この里の冬は、時が早くなる。
冬の堅田漁港、その広さのせいか、多くの漁船が停泊しているものの、
うら寂しい。何箱かの魚が見えた。もろこ、シジミ、ハス、氷魚、
ニゴロブナ(フナ寿司向け)スジエビがいた。冬の漁は厳しいと聞くが、
それ以上に魚が獲れないことが反って寂しさを募らせる。
大根はやはり栗原地区のものだった言われた。先日その大根を炊いた。
美味しかった。アツアツに茹でた大根にねり味噌をつけて食べる
ふろふき大根、冬には欠かせない。
冬枯れと言うが、この時期目立つのが、山茶花の小ぶりな赤やピンク
の花の群れだ。赤やピンクの花びらがまかれたように散っている。
椿は花首がぼとりと外れたように落ちるから山茶花より哀れさが漂う。
山茶花の生け垣があった。赤と深緑の織りなす光景は見るものにも
暖かさを感じさせてくれる。
昔はこの頃から正月のこと始め、煤払いから1年の穢れを清める
大掃除まで、家族全員の仕事であった。それも過去の話か?大晦日
直前に簡単な掃除で終わるところが多い様だ。「煤の文化」が懐かしい。

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