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2019.02.18

2019.02.18

第1節気 立春(2月4日から18日ごろ)

第1節気 立春(2月4日から18日ごろ)

二十四節気は「立春(りっしゅん)」からはじまる。春は「山笑う」季節
というが、まだこの時期、その微笑を見ることは難しい。
しかし、時は人、そして猫や犬たちも待たずしてそろそろ立春と呼ばれる
季節へと 進んでいる。だが、寒い、春寒、余寒のごとくでもある。
我が家の庭の梅の木、その天を突く新しき槍の青き枝には小さな豆の
ようなピンクの蕾がひしめき合あいやがて来る己が出番を待っている。
少し前に手を入れた木々は、夫々の想いと姿で、春の匂いを醸成しつつある。
白い六枚の花びらに黄色の花冠の艶やかな水仙の花が凛とした風情を見せていた。
また梅ノ木に並び立つ金柑の樹は黄色のウズラの卵ほどの実が連なり顔を見せている。

比良の山並は、まだ白さが目立つ。しかし、山の斜面はほぼ東に向いている。
直線的に琵琶湖となだれ込む色模様もすぐに緑が濃くなるのであろう。
山の頂はまだ冬だが春と冬のせめぎあいが始まってもいるような趣が垣間見える。
今日は風が強い。これからは比良おろしという名前があるように、3月まで強烈な
北風が比良の山並みから吹きおろしてくる、東風、春あらしだ。
この高台から湖を見渡せば、薄青く光る湖面に白い波が逆立ち白いまだら
模様を見せている。それは一刻も同じ姿ではなく、時に青く光る平板な面だが、
一瞬のちに白い波片があわ立つように現われる。対岸の島や緑の湖辺は白く
茫洋とした霞がかかり、湖と対岸は切れ目なき一体化を成す。
こんな歌がある。
におの海霞める沖に立つ波を花にぞ見する比良の山風   藤原為忠
まさに、この情景に感じ入ったことを詠み上げた、そんな感じがする。

久しぶりに湖辺を歩く。
長く白い砂地が左から右へと大きな湾曲を描きながら延びている。
湾曲に沿ってまばらではあるが松林も続いている。沖にはえり漁の
仕掛け棒が水面から何十本となく突き出し、自然の中のくびきでも
しているようだ。砂浜に向かってゆっくりとした波長をもってさざなみ
が寄せている。たゆた寄せるその姿に春が乗っている。
5メートルほど先には、数10羽の鳥たちが薄青く霞んだ空とややくすんだ
色合いの青を持つ湖面に浮き沈んでいる。あるものはえり漁の仕掛け棒
の上で 羽を休め、何羽かの鳥たちは遊び興じているようでもある。
2羽のコガモが 連れ立って水面をゆっくりと進んでいる。やがて彼らも
ここを離れ、次の住まいへと向かうのであろう。
春は人も、鳥も新しい旅立ちの季節だ。
だが、風景は画巻や額のようにいつでも同じ顔はしていない。 まず第一に
時代がこれを変化させる。我々の一生涯でも行き合わせた季節、 雨雪の
彩色は勿論として、空に動く雲の量、風の方向などはことごとくその姿
を左右する。私も20年ほど前に見た時の感触と今この砂浜に立つ心根
は大いに違った。それは時代の空気であり、己が経てきた時の皺、心の襞
の変化でもある。場合によっては、これらに対面した本人のその時の心持、
万物それぞれが個々の瞬間の遭遇であって、だからまた生活 とつながり、
変化することの面白さがそこにある。
徒然草19段、折節のうつりかはるこそ、ものごとにあはれなれ。
「もののあはれは秋こそまされ」と人ごとにいふめれど、それもさるものにて、
今一きは心もうきたつものは、春の気色にこそあめれ。鳥の声などもことの外
に春めきて、のどやかなる日影に、墻根の草萌えいづるころより、
やや春ふかく霞みわたりて、花もやうやう気色だつほどこそあれ、
折しも雨風うちつづきて、心あわたたしく散り過ぎぬ。
青葉になり行くまで、よろづにただ心をのみぞ悩ます。花橘は名にこそ負へれ、
なほ梅の匂ひにぞ、いにしへの事も立ちかへり恋しう思ひ出でらるる。
山吹のきよげに、藤のおぼつかなきさましたる、すべて、思ひ捨てがたき
こと多し。
庭で「ツツピーン ツツピーン」という少し長閑なさえずり、ヤマガラだ。
梅の木と金柑を縫うように脇腹の褐色と頭と喉の黒い色が見え隠れしている。
やがてここにもウグイス、シジュウカラ、ホオジロなどが飛び移ってくる。
鳥もまた春を心にのせている。
氷魚 小鮎 ウグイ アマゴ ヤマメ ワカサギ、湖魚や清流に群れ騒ぐ川魚
が美味しく食べられる、郷土料理の工夫がさらに活きる。雪解けの春の湧水は
研ぎ澄まされた透明感にあふれている。多くの生き物がこの清き水に命を育む。

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